3万円超えの高級トースター「三菱ブレッドオーブン」は買いか? サンドイッチを作ってその実力を検証

2019年12月22日(日)10時50分 食楽web


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 いまや空前のパンブーム。数々の高級食パン専門店が日本各地にオープンしたり、そんな食パンをおいしく焼き上げることに特化したトースターが続々と登場しています。数あるトースターのなかでも異色なのが、三菱電機の「三菱ブレッドオーブン TO-ST1-T」です。

 三菱ブレッドオーブンの特徴は、なんといっても「1枚焼き」という潔さ。さらに、「生トースト」を実現するという独自の密封断熱構造もポイントです。そんなオンリーワンな三菱ブレッドオーブンですが、実売価格は3万3000円前後となっており、「1枚しか焼けないトースターにしては高いのでは?」と考える人も多いはず。

 そこで、実際に三菱ブレッドオーブンを使い、3万円超えという価格に見合った体験ができるのか、チェックしてみました。

上下のヒーターで食パンに熱をムラなく伝える


本体サイズは幅270×奥行223×高さ140mm、重さは約3.1kg。A4サイズ程度なので、卓上で使いやすい

 三菱ブレッドオーブンは、一見するとトースターとは思えない形状です。本体天面は木目調、本体側面はレトロなブラウンになっており、ダイニングテーブルに置いて使うことを想定されています。

 フタを開けるとプレートが現れます。ここに食パンを載せ、再度フタをして焼くスタイルです。フライパンのようにプレートを加熱して食パンの下面を焼き上げることで、通常のトースターの焼き網よりも水分を逃さないそうです。また、本来は食パンを焼くと逃げやすい「水分」や「香り」を庫内に閉じ込める、再び食パンに戻すことで、よりふんわりとした食感に仕上がります。


上下にフラットヒーターが内蔵されており、熱を密封シールと「断熱構造」で閉じ込める

 調理モードは4つ。「トースト」「冷凍トースト」「トッピングトースト」「フレンチトースト」から選べます。食パン専門店で食パンを買うと冷凍することが多いので、あらかじめ冷凍したパンを焼くことも想定されているのはうれしいですね。


調理モード、食パンの厚さ、焼き色を選択し、「START/STOPボタン」を押す

 今回は「トーストモード」で5枚切りの食パンを「ふつう」の焼き色で焼いてみました。トーストモードの場合、焼き色は「ふわふわ」から「サクサク」の5段階から選択できます。さらに、好みの焼き加減まで自動で焼き上げてくれる機能もあり、これは高機能トースターならではといえるでしょう。


焼いていると本体天面の排気口から余分な蒸気が出る

 せっかくなので今回はサンドイッチを作るべく、食パンを焼いている間に公式レシピを参考にだし巻き卵と千切りにしたキュウリを用意しました。


公式レシピでは薄口醤油、かつおだし、砂糖、塩でだし巻き卵を作っているが、今回はめんつゆで代用した

 待つこと2〜3分、焼き上がったのがこちらのトースト。フタを開けて驚いたのが、その香りです。一般的なトースターで焼くよりも圧倒的に香りが強く、スーパーで買った特売の食パンがまるで高級食パンのようになっているんです。焼きムラもほとんどないですし、これは期待が高まります。


プレートに直接触れるのは食パン下面だけだが、上面もきれいに焼けている

 トーストにからしバターを塗り、具材を挟んで完成したのがこちらのサンドイッチ。シンプルなサンドイッチですが、だからこそトースト自体のおいしさも重要になってくるはず。


ボリューミーなたまごサンドが完成

 がぶりとサンドイッチを頬張ってみると、トーストの耳までふんわりしているのにびっくり。やはり全体的にふわっとしていて、サクサク感よりもふわふわ感を重視している印象です。そして、食べている最中もトーストの香りが鼻からすっと入ってくるので幸せな気分に。これまで、トーストを食べる際は食感を意識することがほとんどでしたが、この香り高さこそが三菱ブレッドオーブンの真骨頂だといえます。

食パン以外のパンを焼くとどうなる?


食パンの場合はプレートの中央にパンを置くので、イングリッシュマフィンもできるだけ中央に並べた

 さて、トースターでは食パン以外のパンを焼く機会も多いですよね。そこで、イングリッシュマフィンを焼いて簡単なオープンサンドを作ることにしました。半分にカットしたイングリッシュマフィンをプレートの上に載せて、加熱を開始します。

 公式レシピを見てもイングリッシュマフィンの焼き方は出ていないので、とりあえず「トーストモード/8枚切り/ふつう」で焼いてみます。そういえば「ふわふわ」は約2〜6分、サクサクでも約3〜4分で焼き上がるので、比較的短時間で焼き上げるのが得意なようです。

 焼き上がったイングリッシュマフィンにプチトマトとモッツァレラチーズを載せ、オリーブオイルとハーブソルトをかければ完成。手軽に作れて見栄えのいいオープンサンドは、ワインのおつまみにもぴったりです。


イングリッシュマフィンはオープンサンドにするのがおすすめ。アボカドやチーズ類を載せるだけでちょっとオシャレに仕上がる

 三菱ブレッドオーブンで焼いたイングリッシュマフィンは、外はパリッと、なかはふんわりしていて、普段食べるときよりもマフィンがしっとりしているように感じます。普段はサクサク派の筆者も、三菱ブレッドオーブンで焼いたパンのふわふわ加減に虜になりそうです。

焦がしがちなフレンチトーストは?


Mサイズの卵2個、牛乳200ml、砂糖大さじ2杯をよく混ぜ、そこに4つにカットした食パンを2時間以上漬ける。途中で2回裏返して、卵液をしっかり染み込ませるのがポイント

 三菱ブレッドオーブンでぜひ試して欲しいのが、フレンチトースト。食パンを2時間以上卵液に浸漬させないといけないので時間はかかりますが、手間をかけてこそ最高のフレンチトーストに仕上がるんです。

 漬け込み終えたら、プレートにバターを塗り、食パンの耳を外側にして中央に寄せて焼いていきます。このとき、卵液はできるだけ切ってプレートに載せましょう。


4枚切りの食パンが卵液を吸い込み厚みがグッと増している。フタ部分に高さ制限表示があるので、この高さを超えていないかを確認しよう

 あとは、「フレンチトーストモード/4枚切り」を選択して加熱を開始します。フライパンでフレンチトーストを作るときとは違い、加熱時間や火加減を一切気にかけなくていいのは、三菱ブレッドオーブンならではといえるでしょう。


フレンチトーストの場合は焼き色の設定はできない

 フレンチトーストが焼き上がるのにかかる時間は約8〜13分とちょっと長め。低温でじっくり加熱することで、ちょうどいい焼き加減を実現するようです。そして、焼き上がったフレンチトーストがこちら。なんとも見事なフレンチトーストの完成です! フライパンで焼くと、パンがぺしゃっとなりがちですが、きれいに膨らんでいるのが印象的。


こんがりとしたほどよい焼き目が食欲をそそる

 これまでいろんな方法でフレンチトーストを作ってきましたが、過去最高に手軽においしいフレンチトーストが作れました。お店クオリティのフレンチトーストがここまで手間を掛けずに作れるだけでも、三菱ブレッドオーブンを買う価値はあるかもしれません。


メープルシロップと粉砂糖をかけて完成

 3万3000円という価格を改めて振り返ってみると、まずは1枚焼きという時点で3人以上の家族で一緒に朝食を囲む家庭にはあまり向いていないでしょう。逆に、1〜2人暮らしであれば問題ありません。逆に言えば、人数が多い家族でも、食事をする時間がバラバラであれば、順番にパンを焼けばいいだけです。

 また、トーストやフレンチトーストを焼くことに特化しているので、オーブン機能を諦めきれない人も購入を迷うかもしれません。すでにオーブンを持っていて、トースターではパンしか焼かないよ、という人なら、三菱ブレッドオーブンという選択肢も大いにありえます。

 トーストの仕上がりでいえば、ふわふわ系のトーストを好む人にはぴったりですが、カリッとしたトーストが好きな人には不要かもしれません。とはいえ、食パンのポテンシャルを引き出すならできるだけ生に近いほうがいいのも事実。こだわりの食パンを食べる機会が多い人であれば、その価格以上の体験が保証されること必至です。

●DATA

三菱ブレッドオーブン

https://www.mitsubishielectric.co.jp/home/breadoven/

●著者プロフィール

今西絢美

編集プロダクション「ゴーズ」所属。デジタル製品やアプリなどIT関係の記事を執筆するかたわら、“おいしいものナビゲーター”として食にまつわる記事も執筆中。旅先でその土地ならではのローカルフードを探すのが好きで、フードツーリズムマイスターの資格も持つ。

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