1998年のベトナムで愛し合う2人を映す『その花は夜に咲く』3月21日公開
2024年12月24日(火)14時0分 シネマカフェ
『その花は夜に咲く』
本作は、長編デビュー作『第三夫人と髪飾り』が世界の映画祭で数々の賞を受賞し、スパイク・リーやトラン・アン・ユンがその才能を絶賛するベトナムの新鋭アッシュ・メイフェア監督、待望の長編第2作。
舞台は、経済解放間もない、昔ながらの活気と風情が息づく1998年のサイゴン。その都会の片隅に貧しくもつつましく、愛し合いながら生きるサンとナム。
望まぬ性別に生まれたサンは夜の世界で歌手として、ナムは地下ボクサーとして懸命に暮らしていた。だが、若さゆえ、2人は容赦ない夜の世界に飲まれていく。嫉妬や裏切り、焦りや不安——少しずつずれていく2人の距離。運命の歯車が狂いはじめる…。
この度解禁するポスタービジュアルでは、体を重ね合うサンとナムの爽やかなエロスを感じさせる姿と共に「愛し合う二人にこの街は残酷」という印象的なキャッチコピーが置かれ、待ち受ける物語を暗示させるビジュアルとなっている。
監督自らのベトナムで過ごした中学時代の記憶から物語は構想され、主人公サンのキャラクターはトランスジェンダーの友人をモデルにしているという。
監督は「近年、ベトナムではレズビアンやゲイのコミュニティに対して受け入れが増えてきていますが、今もなお、トランスジェンダーコミュニティはまだ政府や社会から厳しい差別を受けています。このテーマの重要性だけでなく、若い少女サンが私たちのためにカメラの前で夢を追いかける姿から、私はこの映画を作りました」と語っている。
そんな監督の思いから、サン役にはトランスジェンダーであるチャン・クアンを抜擢。本作でスクリーン・デビュー果たした。
ナム役は、数々の映画やドラマに出演し、ベトナム映画界でいま最も期待される俳優の1人となるヴォー・ディエン・ザー・フイ。地下ボクサーという激しさと優しさの両面を持ち合わせた繊細な役柄を好演している。
『その花は夜に咲く』は2025年3月21日(金)よりシネマート新宿ほか全国にて順次公開。