埼玉銘菓・十万石まんじゅうはアイスになっても...　ひとりの部屋で記者は「あの言葉」を叫ぶ

2023年12月2日、埼玉県民を震撼させる "事件"が発生した。

小島屋乳業製菓（東京都新宿区）が、十万石ふくさや（埼玉県行田市）監修の「十万石まんじゅうアイス」を発売したのである。

あの「十万石まんじゅう」がアイスに！？　埼玉県で生まれ育ったJタウンネット記者にとって、まさに青天の霹靂であった。

十万石まんじゅうは、何かとバカにされる埼玉県において全国に誇れる絶対的な「埼玉銘菓」。埼玉県の地元テレビ局・テレ玉で何度も何度も流れるCMが特徴的すぎることも手伝って、県内での知名度が抜群に高い。

「うまい、うますぎる　十万石まんじゅう」という謳い文句の通り、ほんとうに、驚くほど美味しい。山芋と米粉を使った香り高くシットリした皮に、「ダさいたま」と他県民から言われ続けても受け入れてしまう埼玉県民のおおらかさを表現したかのようなこしあんの優しい味わい。それらによる絶妙なコンビネーションがもたらす安らぎは唯一無二で、他県民に自慢したくなるほど優れた饅頭なのだ。ああ〜これが地元のお菓子だなんて......最高。

そんな、埼玉県民がこよなく愛し、誇りに思う十万石まんじゅうが、アイスに。はたして、十万石まんじゅうのDNAをちゃんと継承しているのか。十万石まんじゅうブランドを冒涜するものになってはいないか。埼玉県民を勝手に代表し、記者が確かめることにした。

「うまい、うますぎる」の先へ

現物は、埼玉のローカルスーパー「ベルク」で購入。「十万石まんじゅう」の名前を借りているだけではないことは、すぐに分かった。

国産米粉を使ったモナカ皮、山芋パウダー入りのバニラアイス、北海道十勝産にこだわったこしあん......。十万石まんじゅうのこだわりを、ちゃんとアイスに反映しているのだ。

「うまい、うますぎる」

一口食べた記者は部屋で1人、CMのように喜びの声をあげた。

バニラアイスを口に含むと広がる山芋の香り。それと絶妙な薄さの皮が合わさって、最初の幸福がもたらされる。埼玉県民であることをアイスが祝福しているかのようだ。

そして食べ進めていくと、こしあんが登場。もうすでに幸福で満たされた記者に、ダメ押しの一撃を食らわせる。

優しい甘味のこしあん、山芋の香りをまとったバニラアイス、米粉のモナカ。3つが1つになった時、「うまい、うますぎる」の先に辿りつく。記者は漠然と「未来だ」と感じた。

冬の冷たい風が語りかける。「十万石まんじゅうアイス」に出会えたことは2023年でいちばんの幸運かもしれない、と。

十万石ふくさやの公式ウェブサイトによると、「十万石まんじゅうアイス」は高速道路のサービスエリア・パーキングエリア、期間限定で県内のスーパー・ヤオコーの16店舗、ベルクで販売中。ベルクではすでに売り切れ店舗も出ているという。

希望小売価格は1個349円（税込み）。　十万石まんじゅうラバーの皆さん、ぜひ"未来"を味わってほしい。