得意技は逆さ泳ぎ!白黒模様のパンダみたいなイルカ「イロワケイルカ」
2024年12月31日(火)19時0分 カラパイア
白と黒の模様で知られるジャイアントパンダは、究極の「可愛い」の代名詞。なぜかあの白黒のヴィジュアルは、人間にとっては非常に魅力に映るらしい。
その白黒模様から「パンダイルカ」の愛称を持つ、珍しい海洋生物「イロワケイルカ」もその1種だ。
特に逆さまになって泳ぐユニークな行動が特徴で、その愛らしい姿と特異な生態は、多くの研究者や動物好きたちを魅了している。
くっきり白黒模様のイロワケイルカ
パンダイルカこと「イロワケイルカ」はその名の通り、一見シャチ?と思ってしまいそうなこのくっきり白黒のヴィジュアルが特徴だ。
正式な和名がイロワケイルカだが、ジャイアントパンダみたいなので「パンダイルカ」という愛称を持つ。
イロワケイルカの模様は特徴的である。頭部、胸びれ、背びれ、尾びれは黒く、喉と胴の大部分は白い。
白黒2色の境界が非常にはっきりしているのもポイントだ。体型はちょっとぽっちゃり系にみえ、成長すると1.5m程になる。
主食はオキアミなどのプランクトンやイカ、小魚などだ。
Photo by:iStock
白と黒の体色には分断色としての効果があり、身体の輪郭を曖昧にすることで狩りの成功率を上げたり、カモフラージュの役割を果たしていると考えられている。
また、オスとメスとでは微妙に模様が違うらしい。もしかすると、それが恋のきっかけにもなっているのかもしれない。
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他のイルカとはちょっと違う?イロワケイルカの生態
イロワケイルカは他のイルカたちと違って、クリックス(超音波)のみを使い、反響定位[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%8D%E9%9F%BF%E5%AE%9A%E4%BD%8D](エコロケーション:超音波や音を発し、その反響で物体の距離・方向・大きさなどを知ること)で獲物の位置を特定する。
通常イルカたちはコミュニケーションを取ったり狩りをしたりする際、クリックスの他に、人間の耳にも聞こえるホイッスル[https://karapaia.com/archives/469905.html]と呼ばれる音も出す。
イロワケイルカがなぜクリックスしか使わないのかはまだ解明されておらず、今後の研究が待たれるところだ。
Photo by:iStock
逆さ泳ぎが得意技!
また、このイルカの得意技は仰向けになって、逆さ泳ぎをすることだ。
もちろん、他のイルカたちも、お腹を上にして泳いでいることはある。これはイルカがリラックスしている証拠なんだそうだよ。
陸の生き物たちの場合も、寝っ転がってお腹を見せてくれるのは信頼してくれている印らしいし、その辺は同じような感覚なのかもしれないね。
仰向けになって泳ぐイロワケイルカの映像はこちら。
生息地は世界中でたった2か所
このイルカは南アメリカ大陸の南端からフォークランド諸島周辺の海域と、インド洋南部のケルゲレン諸島沖の海域での生息が確認されている。
南米の個体より、ケルゲレン諸島周辺に住む個体の方が、身体が大きくなるんだそうだ。
非常に好奇心旺盛なイルカで、ボートを見つけると追いかけて来ることがよくある。そのスピード感も半端なく、時には波乗りをしているような行動も見られるんだとか。
下の映像は、パタゴニアで撮影された、ボートの周囲を取り巻いて泳ぐイロワケイルカたち。どこからこんなに集まって来るんだろう。
現在、日本国内でイロワケイルカに会えるのは、宮城県仙台市の「仙台うみの杜水族館[https://www.uminomori.jp/umino/]」と、三重県鳥羽市の「鳥羽水族館[https://aquarium.co.jp/]」の2館だそうだ。
両館とも年末年始もオープンしているので、イロワケイルカに興味を持ってくれた、人はぜひ訪れてみてはどうだろうか。
References: Meet The Panda Dolphin, A Black And White Beauty That Likes To Swim Upside-Down[https://www.iflscience.com/meet-the-panda-dolphin-a-black-and-white-beauty-that-likes-to-swim-upside-down-77150]