ジャングル王に俺はなる!20頭ものライオンの群れを蹴散らした若いアフリカゾウ
2025年4月30日(水)12時0分 カラパイア
百獣の王として野生の王国に君臨するライオン。だが彼らとて、無駄な争いをしてまで王者の貫禄を見せつけたいわけではないようだ。
南アフリカ共和国のクルーガー国立公園で、ライオンの群れが1頭のアフリカゾウに追い払われる光景が撮影された。
ゆったりとくつろいでいるライオンの群れの前に現れた若い象は、ドカドカと近づいてきて、全員を蹴散らしたのだ。
くつろいでいたライオンの群れに象が接近
この動画は、アフリカとそこに生息する野生動物の魅力を伝え続けている、フォトグラファー、デオン・ケルブリックさん[https://www.facebook.com/DeonKelbrickPhotography/]が撮影したものだそうだ。
映像は20頭ほどのライオンの群れが、乾いた川床の岸辺でまったりと寛いでいるシーンから始まる。
そこへ左のほうから1頭のアフリカゾウが近づいて来る。ライオンたちはゾウに注意を向けるが、とりあえずすぐに行動を起こす気はないようだ。
とはいえ、彼らが警戒を緩めることはない。3頭のライオンが立ち上がって状況を確認。ゾウが止まらずに向かってくるのを見て取ると、ライオンたちは道を譲った。
道を譲らないライオンたちに突進し追い散らす
ゾウはそのままライオンの群れに近づいていく。一度立ち止まって、ライオンたちが自発的に立ち去るのを待つ素振りを見せたが、ライオンの群れの中には動かない者たちもいた。
するといらだったゾウは突然歩むスピードを上げ、雄叫びを上げながらライオンたちを追い散らしにかかる。
もっともどちらも本気でやり合うつもりはないらしく、ライオンたちもちょっと場所異動しただけで様子見の構え。ゾウは自分の優位性を確認するように、立ち止まって周囲を見回す。
動画はここで終わっているが、この後ライオンたちが邪魔しないと悟ると、象は足元の草をむしり取って口に入れたという。
だが、そのオヤツの味が気に入らなかったのか、ライオンたちを蹴散らしたことで満足したのか、象はこの後すぐに立ち去ったそうだ。
ライオンたちは象の姿が見えなくなると、また元の場所に戻って昼寝の続きを楽しんだとのこと。
この象はどうやら若いオスで、血気盛んなお年頃だったらしい。
オスのアフリカゾウは成長すると群れを離れ、独立して行動するようになる。おそらくこのオスもそんな時期を迎え、単独で暮らしているのだろう。
本当の「陸の動物の王」は誰なのか議論も
この動画はSNSなどで紹介され、世のライオン好き・ゾウ好きからさまざまなコメントが世得られていた。
ジャングルとサバンナの真の王者はゾウってことだね
ライオンはジャングルには住んでいないけど
ジャングルの王はトラで、サバンナの王がライオンだと思う
そして海の王はシャチだよね!
群れの全員で突撃したら、さすがのゾウにも勝てたんじゃ?とは思うけど、きっと何頭かは大ケガをしたり命を落としたりする可能性もあるものね
自然界では意味のない戦いはしない
こんな自然に囲まれた環境で育った。朝早く学校に行こうとドアを開けると、玄関のすぐ先に巨大なゾウがいたこともある。僕たちは文字通り平和に共存していた。かけがえのない瞬間だった
ゾウは賢くて、力強くて、とても美しい生き物なんだ
誰もケガをしない、素晴らしい映像だった
ゾウは他の野生動物とは違って、脅威を感じた時だけ攻撃を試みるんだ。最初から攻撃するんじゃなくて、まずは相手を追い払おうと試みるんだよ
「ライオンはお腹が空いていなかっただけ。空腹ならあのゾウを襲っているはず。ライオンこそがキング!」って主張する人が出て来そう
ライオンは賢いんだ。人間とは違って愚かな過ちは犯さない。自滅行為に走ることもない
ライオンがゾウやカバ、ワニを襲って食べる映像はたくさんある。でもその逆はない。ゾウはライオンを食べない。だからライオンこそがキングなんだよ
いや、ライオンが襲われるビデオはいっぱいあるよ
でも彼らはライオンを殺して食べるわけじゃない。ライオンは狩って食べる。君はライオンが嫌いだからそんなことを言うんだよ
ライオンは食物連鎖の頂点、あらゆる捕食動物の頂点に君臨しているんだよ
ライオンには完全に成長した健康なアフリカゾウを攻撃する勇気なんてないよ
ライオンは過大評価され過ぎ
アフリカゾウはその巨体から、成獣になるとほぼ天敵は存在しない。特に怒り狂った象は敵と認識すると相手を鼻で投げ飛ばしたり、足で踏みつけたりと手に負えない。
百獣の王ライオンでさえ、ゾウの前ではこのように道を譲る光景が、度々確認されているという。だがもちろん、子供や老体、病気やケガで弱っている個体は捕食者の獲物となることもある。
ライオンとアフリカゾウに共通点があるとすれば、どちらもおとなになったオスは群れを離れる時期があるということだろう。
オスとしての重要な役目は、DNAの保持である。群れを離れ、力と経験をつけ、優位となったオスはメスを獲得して子孫を残す。そしてメスたちは集団で子供を守るのだ。
今回登場したゾウも、こうした経験を積みながら自信をつけ、より強いオスへと成長していくのだろう。