留守番の女児10人に性的暴行、無期懲役求刑…「泣いたら殺す」「言ったら家族も殺されるで」
2025年2月4日(火)13時35分 読売新聞
大阪地裁
小学生女児10人に性的暴行を加えたなどとして、強制性交致傷罪などに問われた元病院職員の男(28)の裁判員裁判の公判が4日、大阪地裁であった。検察側は「被害者の人格を無視した卑劣な犯行だ」として、同罪の法定刑上限の無期懲役を求刑した。同日午後に弁護側の最終弁論が行われ、結審する。判決は18日。
起訴状では、男は2016年3月〜22年5月、大阪府内で、女児が帰宅した際、カッターナイフで脅してわいせつ行為をするなど計10人に性的暴行を繰り返したなどとしている。
検察側は論告で「自らの性欲を満たすため、力の弱い女児を狙い、犯行を繰り返した。反社会性の表れで強い非難に値する」と主張。女児の中には記憶がフラッシュバックしたり、男性を避けたりする「二次被害」が生じているとし、「女児は現在もトラウマに苦しみ、家族も(女児を)守れなかったことを悔やみ、悲しんでいる」と指摘した。
検察側は先月14日から始まった公判で、冒頭陳述などを通じて男の行動の詳細を明らかにしてきた。検察側は、男が女児や家族の外出状況などを事前に確認し、スマホに記録するなど入念に準備していたと説明。女児が1人で留守番する機会を狙い、帰宅に合わせて自宅に押し入って「泣いたら殺す」と脅迫し、「言ったら家族も殺されるで」と口止めを図っていたと主張していた。
一方、男は起訴事実を認めており、初公判で「精神的苦痛を与えたことを申し訳なく思っています」と謝罪。弁護側は「(被告は)重い罰を覚悟し、償いの一歩として法廷に臨んでいる」として、情状酌量を求めていた。