雪山は常に危険と隣り合わせ 遭難した場合の正しい対処法とは?

2019年2月6日(水)15時0分 ウェザーニュース


2019/02/06 11:25 ウェザーニュース

日本時間1月21日未明、南米最高峰のアコンカグア山頂へ向けて登山中の三浦雄一郎さんでしたが、チーム・ドクターの判断により、登山活動が中止となりました。
1月18日にノーマル・ルート側のプラザ・コレラ(6000m)のキャンプまで到達し、天候状態を待つために二日間滞在。しかし、この6000mという高度での長時間にわたる生活が、86歳にとって肉体的・生理的に負担がかかってきているとの判断で、ドクターストップとなりました。

プロの登山家でも危険を伴う雪山。
日本国内では、アコンカグア山ほど標高が高くなくても、雪山登山やスキー・スノーボードをしている際に誤ってコース外に侵入し、迷って遭難するという事故は毎年少なくありません。
もしも自分が遭難してしまった場合、どのように対処するのが良いのか、改めてご紹介します。

寒さをしのげる場所でじっと待つ

来た道を戻れば帰れるのではないか?とむやみに動き回るのは非常に危険です。
体力が削られる上に、吹雪で視界が悪い場合は、方向感覚が失われて滑落する恐れも。
遭難してしまった場合は、木の根元に雪洞を掘って、寒さをしのぎながらじっと待つことが意外に大切なことなんです。

携帯電話の扱い方に注意

寒い環境下では携帯のバッテリーの消耗が激しくなります。
そのため、使わない時は電源を切り、上着のポケットや服の中に入れて、温度が下がりすぎないように注意してください。
また、スキー場では圏外の場合が多いですが、吹雪が止んだタイミングで樹木など遮るものがない場所に移動すると、つながることもあります。
連絡ができる場合は、119番にかけて救助の要請を。

救助班に認識されやすい工夫を

捜索の気配がしたら、救助の人からもわかりやすいように、高台に移動して合図をします。
この時、目立つ色のタオルなどがあるとより認識されやすくなります。
もしものことを考えて、持ち物を赤や黄色などの原色系にすることも、一つの対策と言えます。

適切な行動が生存確率を高める

そもそもコース外に侵入しないことが一番ですが、吹雪のために視界が悪く、意図せず迷い込んでしまったというケースもあると思います。
そんな時、正しい対処法を知っているか否かで生存できる確率が大きく変わってきます。
冬のレジャーを楽しむ前に、いざという時の対策などをしっかりと確認しておいてください。
今回、三浦雄一郎さんがアコンカグア登頂を断念した判断からは、「生きて戻る、だからこそ次へのチャレンジへ向かうことができ、希望が繋がる。」
そんなメッセージが伝わってきました。ぜひ、皆さんもルールを守り、安全第一で雪山やウィンタースポーツをお楽しみください。

参考資料など

【参考・参照元】
「車が立ち往生したり遭難したときの心得」,『季刊SORA』2009冬号vol.3,p51,IDP出版
株式会社アライテント「ビバークシェルターの使用法」,<http://www.arai-tent.co.jp/index.html>


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