海辺のキャンプ「一年中禁止」可能に…町が条例改正、ごみポイ捨てなどの問題で車中泊も対象
2025年3月1日(土)8時13分 読売新聞
兵庫県
兵庫県香美町は、夏場の海岸でのキャンプ禁止期間を通年に拡大できるよう条例を改正し、28日から施行した。近年は6〜9月の禁止期間外に車中泊をする釣り客らが増え、ごみのポイ捨てなどが問題になっていた。規制を強化し、海辺の景観保全と住民の負担軽減を図る。(熊谷暢聡)
条例は、旧香住町が海辺などキャンプ場以外でのキャンプを禁止するため、海水浴ブームだった1970年代に制定した。テントなどに泊まる海水浴客が多く、ごみ処理などの問題が懸念される場所は夏場に限って禁止し、岩場など危険性の高い場所は、通年で禁止することができる。
条例に基づき、4か所(今子浦、七日市、三田浜、余部の各海岸)を年間を通じた禁止区域に指定。6か所(三田浜、下浜、浦上、無南垣、佐津、安木の各海岸)は夏場限定の禁止区域としてきた。
禁止区域内でキャンプをした場合、2万円以下の罰金または科料の罰則規定がある。
近年は、海水浴シーズン以外にも車中泊などをする来訪者が増え、ごみを放置するなどマナーが悪化。ごみ処理を強いられる地元から規制強化に対する要望もあり、条例改正で危険箇所以外も通年でキャンプを禁止できるようにした。今回の条例改正では、車両による車中泊についても「キャンプ」とし、明確に禁止対象に含めた。
町によると、禁止区域や期間は今後、地元から意見聴取をした上で設定する。
観光商工課は「ウェブサイトを通じて周知する。利用者の反発を招かないようキャンプ場を案内しながら、環境を守れるようにしたい」としている。