大船渡の山林火災発生から1週間、焼失面積は市の9%に…16日ぶり「恵みの雨」に鎮火願う
2025年3月5日(水)11時20分 読売新聞
火災発生以降、初めて本格的な降水があった現場周辺(5日午前、岩手県大船渡市で)=後藤嘉信撮影
岩手県大船渡市の山林火災は5日で発生から1週間となった。焼失面積は前日から300ヘクタール増え、市の面積の9%にあたる約2900ヘクタールに拡大した。現地では火災発生後初めて本格的な降水があり、避難中の住民からは早期の鎮火に期待する声が上がった。
盛岡地方気象台によると、同市では5日午前4時頃から雨や雪が降り始めた。同市で0・5ミリ以上の降水量が確認されれば16日ぶり。同市を含む県沿岸南部では5日、日中から夜にかけても雨や雪が降ると予想されている。
県沿岸南部では15日連続で乾燥注意報が出ていたが、4日午後10時11分に解除された。市内の三陸公民館に避難している無職男性(78)は「雨が降ってほしいと思っていた。鎮圧、鎮火に向かってほしい」と期待を寄せた。
市は1896世帯4596人に避難指示を出している。5日午前7時現在、12か所の避難所に1231人、親戚宅やホテルなどにも2880人が身を寄せている。避難者は計4111人で、市の人口の13%にあたる。
県によると、5日はヘリコプター19機での活動を予定している。天候を確認した上で、自衛隊の大型ヘリ8機や岩手、宮城、福島各県の防災ヘリなどが散水する。地上では消防が放水を行っている。