ガソリン減税巡り野党が火花、「与野党5党で協議体」か「与野党対決」か…維新提案に立民と国民反発
2025年3月6日(木)14時0分 読売新聞
会談に臨む自民、公明両党と日本維新の会の政調会長ら(5日、国会内で)
ガソリン税に上乗せされる暫定税率を廃止する主張を巡り、野党各党の駆け引きが活発化している。与党と協議開始の約束を取り付けた日本維新の会は、立憲民主、国民民主両党を巻き込んだ与野党5党による協議体設置を提唱。立民と国民民主は維新と一線を画し、与党との対決の構図に持ちこみたい考えだ。
維新の青柳政調会長は5日、自民、公明両党の政調会長と会談後、記者団に「ガソリン減税を実現させようと思えば、関係者全員が集まるのが最短の近道だ」として、自公維3党だけでなく与野党で幅広く協議する必要性を訴えた。
維新は2025年度予算案の修正案の衆院採決で与党と合意して賛成に回っている。5党の協議体設置を求める背景には、「維新が与党と一体化している」とする見方をできるだけ中和したい思惑がある。
ガソリン税は現在、1リットルあたり28・7円の本則税率に25・1円の暫定税率を上乗せし、計53・8円となっている。暫定税率を廃止すると国と地方合わせて年約1・5兆円の減収が見込まれ、与党は慎重姿勢を崩していない。5日の自公維の政調会長会談では、維新が求める26年度からの暫定税率廃止について協議を始めることで一致した。
一方、25年度からの廃止を掲げる立民と国民民主は、維新に批判的だ。
国民民主の古川元久代表代行は5日の記者会見で、5党協議について「イメージがわからない。提案に乗るつもりはない」と斬り捨てた。国民民主幹部は「協議に乗れば、廃止の先送りを容認することになる」と語る。立民も「5党で一から議論するという時期ではない」(重徳政調会長)と否定的で、5党協議の実現可能性は低い。
立民、国民は3日、暫定税率の廃止法案を衆院に共同提出した。法案は4日の衆院財務金融委員会で否決されたが、両党は与党との対決姿勢を強調し、夏の参院選で争点としたい考えだ。維新からは、立民、国民の動きに対し「パフォーマンスでしかない」(青柳政調会長)との反発も出ており、野党同士のいがみ合いも始まっている。