現代人が「陶芸」にハマる必然、体験取材で思い出した「大切な人間観」とは?

2024年3月13日(水)5時30分 ダイヤモンドオンライン

現代人が「陶芸」にハマる必然、体験取材で思い出した「大切な人間観」とは?

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Photo by Wataru Mukai

いま陶芸がビジネスパーソンの間で人気を高めている。百聞は一見に如かず。その理由を探るべく、ダイヤモンド・ライフ編集部が体験取材を行った。たかが土いじりとあどってはいけない。陶芸は日常で「忘れがちな大切なこと」をいくつも思い出させてくれる最高の遊びだった。(取材文/フリーライター・いからしひろき)

コロナ禍で陶芸人気が高まった納得の理由

 陶芸が静かなブームだ。茨城の笠間など焼き物の産地では陶芸体験の参加者が倍増し、埼玉では陶芸体験を中心とした女子旅バスツアーを開催。都内に昨年できた陶芸体験と食事がセットで楽しめる“体験型陶芸Bar”は連日大盛況という。

 陶芸人気の理由について、レジャー予約サイト「アソビュー!」を運営するアソビュー株式会社 CEO室 広報の増家菜月さんはこう分析する。

アソビュー広報の増家菜月さん Photo by Wataru Mukai

「コロナ禍で県をまたいだレジャーが自粛されたとき、身近な場所で気軽に非日常が味わえるものづくり系の体験レジャーが人気になりました。シルバーリング作りやレザークラフトなどいろいろあった中で、伝統的な陶芸体験にも注目が集まったようです。そしてコロナ禍が終息した現在でも、リモートワークの普及で時間に余裕ができた大人の趣味活として、人気を保っています」

 コロナ禍以前から、憧れのライフスタイルの一つとして丁寧な暮らしが定着しつつあったが、そうした暮らし方を標榜する人にとって、自然の土や火と向き合う陶芸はバッチリ相性が合ったのだろう。そんな令和の大人が夢中になる趣味、陶芸を都内で気軽にできる体験できる場所を探した。

深大寺の参道にある風情漂う店構え

 訪ねたのは調布市の深大寺(じんだいじ)。創建は天平5年(733年)、都内では浅草寺(628年)に次ぐ古刹として知られる。日本三大だるま市の一つ「厄除元三大師大祭だるま市」も有名で、例年山門の紅梅白梅が見ごろを迎える3月3日、4日の開催日には、10万人余が足を運ぶ。実は記者、東京に30年以上暮らすが、深大寺に来るのは初めて。調布駅からバスで約15分という近場ながら所々に緑があふれ、隣接する都立神代植物公園とあわせて格好の散策地。江戸時代から庶民の憩いの場所だったというのも頷ける。

むさし野深大寺窯 Photo by Wataru Mukai

 そんな深大寺の参道に、深大寺そばや団子の店とともに軒を連ねるのが、「むさし野深大寺窯」だ。昭和32年(1957年)に瀬戸で修行をした初代吉田実氏が創業。現在は三代目の馬場良太郎さんが切り盛りしている。風情ある木造平屋建ての店舗の軒下には名物の土鈴(どれい)が色とりどりに並び参拝客の目を楽しませる一方、店内に入れば薄いグレーの色味を帯びた手づくりのマグカップやご飯茶碗などが棚で静かに新しい主を待ち侘びる。そのコントラストが味わい深い。

 こちらの店では陶芸体験も目玉の一つだ。わずか20分で完成する手軽なものから、粘土から作り上げる本格的なものまで、3つの体験コースが選べる。今回は最も本格的な「手びねり」コースと、最も手軽な「らくやき」コースを両方体験してみた。


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