静岡・川勝知事、電撃辞職表明も「職業差別皆無」「不適切ではない」主張 「逆ギレ無理ある」「知性高いと言えない」と理解得られず

2024年4月3日(水)11時34分 J-CASTニュース

静岡県の川勝平太知事が2024年4月2日、6月県議会をもって辞職する意向を明らかにした。

川勝知事をめぐっては、1日に新規採用職員に対して行った訓示で、職業差別ともとれる発言があったとして批判が相次いでいた。ただ、川勝知事は、発言について「不適切ではない」と主張しており、現状認識をめぐる批判が噴出している。

「問題発言があったかのごとき状況になって本当に驚いています」

川勝知事は訓示の際、微笑みながら「県庁というのはですね、別の言葉でいうと、シンクタンクです。毎日毎日野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたり。あるいは物を作ったりとかいうことと違って、基本的にみなさま方は頭脳、知性の高い方たちです」などと呼びかけた。発言の「毎日毎日野菜を〜」の部分をめぐり、職業に優劣をつけるものではないかとして批判の声が上がっていた。

川勝知事はこれまでも複数回不適切な発言で「炎上」し、「次に迷惑をかけることがあれば辞職する」と発言していた。こうした背景から、取材に対し「言葉が不十分であったということかもしれません。準備もありますからねえ、6月の議会をもってこの職を辞そうと思っております。以上です」と辞職の意向を明らかにした。

一方で、発言の意図については「職業差別は皆無です、ありません」と職業に優劣をつける意図はなかったと疑惑を否定。

「職業に貴賤(きせん)はないというのが基本的な考え方ですね。昨日の新規県庁職員として入庁された方々への歓迎の言葉が、励ましの言葉がこんなことになったというか。問題発言があったかのごとき状況になって本当に驚いています」

発言を撤回したり、謝罪したりする意向はあるかと問われるも、「野菜に関わる仕事をしている人たちとか酪農の仕事をしている人たちと職種が違うということを言っただけでございます」と主張し、県庁ウェブサイトで訓示全文を公開しているとして「ご覧いただければ誤解を解けるのではないかと思います」とした。

批判を呼んだ発言について「不適切ではないと思っているのか」とする質問には、「不適切ではないと思いますが、一部そこだけ取ればですね、皆さんがおっしゃっているような職業差別に落とし込むことができる発言であったかもしれませんね」と語った。

「何のための辞意なのか...自分は悪く無い悪く無いけど辞めるって、下手なプライドが見苦しい」

川勝知事の電撃辞職宣言には、著名人らも複数反応している。

1日の発言について「政治家として失格だ」などと厳しく批判していた長崎県平戸市の黒田成彦市長は2日、会見を受け「さっきニュースで会見していたけど、本人は発言を撤回せず、内容の不適正さに気づいていないようだ。とすれば、この川勝知事は言葉遣いが苦手で、知性が高いとは言えない人物なのだろう」と川勝知事の言葉を引用して批判した。

日本維新の会音喜多駿政調会長(参院議員)は「発言は問題ですし、リニアの件も含めて知事としての資質に著しく欠ける」などとしていたが、辞職を受け改めて「川勝県知事、そして投げ出しか。酷いな」とした。

タレントのフィフィさんは「川勝知事、職業差別発言をマスコミの切り取りだと逆ギレするのには無理があるし、辞めるなら今すぐ辞めるべきだよ、何のための辞意なのか...自分は悪く無い悪く無いけど辞めるって、下手なプライドが見苦しい」と会見での主張に呆れている。

「2ちゃんねる」創設者のひろゆきこと実業家の西村博之さんは「何はともあれ、高齢の政治家が自決を評価することにしているおいらです。勇退が社会的に評価されるほうは、自分から引退する高齢の政治家や経営者は増えると思います」と辞職の意向を示したことについて評価した。

脳科学者の茂木健一郎氏は「牛の世話よりわからずや知事の世話の方がよほど大変だったでしょうね。知性はもちろん忍耐が必要だったでしょう。県庁のみなさま、おつかれさまでした」と静岡県庁の職員らを労った。

その上で、「一日経って、あれだけ学者として優秀な川勝平太さんが、県知事を何年もやったあとで、なぜ、public speechの基本的な気づかい(自分の言葉がどのようにとられるか、あらゆる角度からあらかじめあるいはリアルタイムで検討すること)を身に着けていらっしゃらなかったのか、とても不思議に思う」と今回の発言への疑問を吐露している。

J-CASTニュース

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