三菱UFJ銀行貸金庫事件で被告の元行員、金塊を盗んだとする起訴事実「全部認めさせていただきます」…東京地裁で初公判
2025年4月18日(金)11時48分 読売新聞
東京地裁
三菱UFJ銀行の貸金庫から顧客の金品を盗んだとして、窃盗罪に問われた元行員の山崎由香理被告(46)の初公判が18日午前、東京地裁(小野裕信裁判官)で始まった。山崎被告は、同行練馬支店(東京都練馬区)の貸金庫から金塊を盗んだとする起訴事実について「全部認めさせていただきます」と述べた。
起訴状によると、山崎被告は昨年3〜9月、練馬支店の貸金庫から顧客が預けていた金塊計約22キロ(約2億8000万円相当)を盗んだとされる。被告は転勤先の玉川支店(世田谷区)でも同10月に顧客の現金1650万円を盗んだとして追起訴されているほか、練馬支店の貸金庫から別の金塊約4キロ(約4500万円相当)や現金約4490万円などを盗んだ疑いでも追送検されている。
同行によると、山崎被告は1999年に入行し、2020年4月〜昨年10月、練馬支店と玉川支店で貸金庫の管理責任者を務めていた。同月に現金が減っていることに気づいた顧客の問い合わせで被害が発覚。同行は同11月に山崎被告を懲戒解雇し、警視庁に相談していた。山崎被告は同行の調査に対し、盗んだ金品を「投資などに使った」と話していたという。
事件では、管理職が貸金庫の予備鍵を一人で扱えるなど顧客資産の管理体制の不備も浮き彫りとなり、金融庁が金融機関に貸金庫の管理強化を求める監督指針の改定に乗り出している。