露地栽培アスパラガスが旬! 太いものと細いもの、どっちが美味しい?
2025年4月21日(月)5時10分 ウェザーニュース

2025/04/21 04:59 ウェザーニュース
緑鮮やかなグリーンアスパラガス、真っ白なホワイトアスパラガスを店頭で見かける時季になりました。4月頃から6月頃は輸入ものやハウス栽培ものに代わり、国産の露地栽培ものが旬を迎えます。
そこで、美味しいアスパラガスの選び方を、野菜ソムリエプロの吉田謹子さんに伺いました。
露地栽培は味が濃く甘い
「アスパラガスには、2月頃からペルー、メキシコやアメリカなどからの輸入ものと、ほぼ通年で出荷されるハウス栽培もの、4月頃から出荷され始める露地栽培ものとがあります。
ただ4月頃はまだ露地栽培ものの供給が不安定であるため、輸入ものやハウス栽培ものも多く流通しますが、これからの時季は露地栽培ものが出荷の最盛期を迎えるので、比較的手頃な価格で美味しいアスパラガスを入手することができます。
露地栽培ものは、太陽光をたっぷり浴びて育ち、昼夜の寒暖差が多い時季に生長するので、生長期間がやや長くなります。その分、ハウス栽培ものに比べて味が濃く、香りも良く、甘みも増します。さらに水分も豊富でジューシーさがあります」(吉田さん)
美味しいアスパラガスの選び方

美味しいアスパラガスは見た目からもある程度判断できるといいます。
「まず、鮮度が良いものを選ぶことが第一です。鮮度が良いものは、グリーンなら緑が濃いもの、ホワイトなら美しいクリーム色でいずれも光沢があります。また切り口がしなびていないもの、水分が出ていたりしないものは新鮮です。
次に、アスパラガスの生長状況や生長過程でも味が変わるので、『ハカマ』『茎』『穂先』などの見た目から判断しましょう。それぞれのチェックポイントは次の通りです」(吉田さん)
▼ハカマをチェック
「茎に付いている三角形のハカマ(苞葉)が正三角形で茎に密着していて、ハカマの間隔が広いものを選んでください。
ハカマは葉の名残りですが、正三角形に近く茎に密着しているものは柔らかくちょうど食べごろの証拠です。生長しすぎるとハカマが開き始めて形が崩れます。こういうものは繊維質が増えて筋っぽくなります。
またハカマの間隔が広いものは、天候に恵まれて生長期間が短く、すっと大きくなっているのでその分、柔らかいのです。ハカマは茎から水分が失われると浮いたりめくれたりします。その意味でもハカマの状態をチェックしましょう」(吉田さん)
▼茎をチェック
「さらに茎の太さにも注目してください。茎が太くて均一なものを選びます。
というのも、アスパラガスの繊維質は表皮のすぐ下にあり、太いものは中の柔らかい部分が多く甘みを感じる水分がたっぷり含まれていて表皮の割合が相対的に少ないため、柔らかく感じるからです」(吉田さん)
▼穂先をチェック
「穂先がしっかり締まっているものを選びます。穂先は生長が進むと徐々に開いていきますが、開いたものは繊維質が多くなり、固く感じます。穂先がキュッとしまって、形が崩れていないないものはちょうど食べごろです」(吉田さん)
アスパラガスはギリシャやローマでは紀元前から薬用や食用として用いられてきました。その名の由来でもある栄養素アスパラギン酸は疲労回復や新陳代謝の促進に効果がある言われ、またビタミンCやβ-カロテンなどのビタミン類、カリウムなどのミネラルも豊富に含む健康野菜の一つです。
甘みが強くなるこれからの新鮮なアスパラガスを上手に見分けて、美味しくいただきましょう。