「いのち」「健康」テーマの大阪万博、全面禁煙のルール守られず…メタンガスに引火リスクも

2025年4月21日(月)20時9分 読売新聞

会場内で喫煙する海外パビリオンの関係者(13日、大阪市此花区で)=近藤誠撮影

 大阪・関西万博の会場で、禁煙のルールが守られていない。一部のパビリオンの外に灰皿が設置され、喫煙する関係者の姿も見られる。日本国際博覧会協会(万博協会)は、万博が「いのち」をテーマに掲げることを踏まえて禁煙とした経緯があり、対応に頭を悩ませている。(石渕譲、猪原章)

 ある海外パビリオンの裏手には、建物の陰に隠れるように赤い灰皿が置かれている。18日午前、関係者パスを首から下げた男性4人が、談笑しながらたばこを吸い始めた。別の海外パビリオンの付近でも、こうした喫煙所が確認できた。

 万博協会は、今回の万博で掲げる「いのち」や「健康」といったテーマを踏まえ、人工島・夢洲ゆめしま(大阪市此花区)の会場内を全面禁煙とし、来場者やパビリオンの運営者らに順守を求めている。喫煙者への配慮から、大阪メトロ中央線・夢洲駅と接続する東ゲートの外に2か所の喫煙所を設けたが、会場内からの往復には時間がかかる。

 会場内の物販店で働く喫煙者の男性(49)は「ルールなので仕方ないが不便。隠れて喫煙する人の気持ちはわからなくもない」と話す。

 会場内での喫煙は、事故のリスクがある。夢洲は埋め立て地で、会場西側はメタンガスが発生しやすい廃棄物の焼却灰が使われている。

 会場西側では昨年3月、トイレ工事で火花がメタンガスに引火し、爆発する事故が起きた。開幕直前のリハーサル時にも、同じ西側エリアの地下で、爆発の恐れのある濃度のガスが検知された。

 万博協会内では、安全な別の場所に喫煙所を設けて分煙を徹底すべきだとの意見も出ており、幹部は「吸う人、吸わない人が共存できる方法を考えたい」としている。

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