「ルフィ」ら強盗グループ指示役に被害金を還流か…資金洗浄組織の幹部ら3人を容疑で逮捕
2025年4月23日(水)0時2分 読売新聞
警視庁
特殊詐欺事件に関与したとして、警視庁は22日、資金洗浄(マネーロンダリング)組織幹部で大阪府豊中市、職業不詳樋口拓也容疑者(37)ら男女3人を詐欺容疑で逮捕したと発表した。フィリピンを拠点とした指示役「ルフィ」らの強盗グループなど国内外の複数の組織から依頼を受け、暗号資産などを使って資金洗浄を繰り返していたとみて実態を調べる。
ほかに逮捕されたのは、東京都目黒区、無職福井かおり(48)、品川区、職業不詳相田
発表によると、3人は仲間と共謀して2023年4月、警視庁の警察官や通信事業者らを装い、千葉県の60歳代男性に「アダルトサイトの未払いがある」などとうその電話をかけ、現金約120万円をだまし取った疑い。逮捕は21、22日。
捜査関係者によると、詐取金は暗号資産に交換された後、インド洋の島国セーシェルの取引所などに開設された複数の口座を経由し、福井容疑者が再び現金化していた。その後、相田容疑者が現金を受け取り、樋口容疑者が当時住んでいた都内の自宅に持ち込んでいた。
暗号資産は、複数の取引を混ぜ合わせる「ミキシング」と呼ばれる手口で匿名性を高めていたが、警察庁サイバー特別捜査部の解析で流れを追跡し、樋口容疑者らの関与を特定したという。樋口容疑者は詐欺グループの資金管理役とされ、警視庁は、特殊詐欺などで得た約11億円の一部を同様の手口で資金洗浄し、現金化していたとみている。
一方、警視庁の捜査の過程で「ルフィ」グループによる一連の強盗事件の被害金の一部約1000万円が、樋口容疑者宅に運び込まれていた疑いも判明した。警視庁はこの被害金も資金洗浄し、当時フィリピンにいたグループの指示役らに何らかの方法で還流していたとみて捜査している。