「工業製品を守るために農林水産品を犠牲にする交渉方針は受け入れられない」…自民が決議
2025年4月25日(金)20時17分 読売新聞
自民党の森山幹事長
自民党の食料安全保障強化本部(本部長・森山幹事長)などは25日、米国との関税交渉を巡り、「工業製品を守るために、農林水産品を犠牲にするような交渉方針は受け入れられない」とする決議をとりまとめ、江藤農相に申し入れた。
政府内で検討されている米国産のコメの輸入拡大案などをけん制する狙いがあり、決議では「農林水産物に関する協議姿勢について、党内で懸念が生じている」とし、「守るべきは守るとの姿勢を徹底し、協議に臨むべきだ」と訴えた。
これまでの環太平洋経済連携協定(TPP)や日米貿易協定については「ギリギリの交渉の結果として受け入れた」と指摘し、安易な譲歩をしないよう求めた。
森山氏は申し入れ後、記者団に「我が国の食料安全保障上、極めて大事な問題だ」と強調した。
ただ、決議では、農林水産物を交渉対象から外すことまでは求めなかった。「全ての品目を1ミリたりとも交渉してはいけないという趣旨ではない」(閣僚経験者)との配慮がある。
これに関連し、自民の小野寺政調会長は25日、交渉を担当する赤沢経済再生相と党本部で会談し、「コメでは絶対に譲ってはいけない」と伝えた。