日本の防衛装備品の無償供与、ベトナム側が積極的に検討表明…両首脳が中国の海洋進出念頭に

2025年4月28日(月)20時19分 読売新聞

共同記者発表を終えて、笑顔を見せる石破首相(左)とベトナムのファム・ミン・チン首相(28日、ハノイの首相府で)=川口正峰撮影

 【ハノイ=山口真史】石破首相は28日、ベトナム・ハノイの首相府でファム・ミン・チン首相と約1時間50分会談した。覇権主義的な動きを見せる中国を念頭に、外務・防衛当局の次官級協議(2プラス2)の創設など、安全保障分野での協力を推進することで合意した。米国の関税措置についても意見交換し、多角的自由貿易体制の維持・強化に向けて連携することを確認した。

 両氏は会談で、国際経済や東シナ海、南シナ海情勢について、両国間で緊密に意思疎通を図る考えで一致した。石破首相は会談後の共同記者発表で、米国の関税措置や中国の海洋進出を念頭に、「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の強化に向けて協力する」と強調した。チン氏は「両国の協力を深化させ、地域の安定に寄与することを確認した」と語った。

 安保分野では、日本が価値観を共有する国に防衛装備品の無償供与などを行う「政府安全保障能力強化支援(OSA)」に関し、ベトナム側が積極的に検討することを表明した。このほか、南シナ海のパラセル(西沙)諸島への進出を進める中国を念頭に、ベトナムの海上保安機関の能力向上に向けた協力も確認した。パラセル諸島は、中国やベトナムなどが領有権を主張している。

 経済分野では、両国で協力して半導体人材の育成を推進するほか、日本提唱の「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」を通じ、脱炭素化と経済成長の両立に取り組む必要性で一致した。人工知能(AI)や量子技術の分野で協力を進めることも申し合わせた。

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