幻の「東京万博」回数券で万博入場、引き換え開始…メルカリで購入した男性「85年前の券で見られた」
2025年5月5日(月)22時24分 読売新聞
「紀元2600年記念日本万国博覧会」の入場券(5日)=画像の一部を修整しています
日本国際博覧会協会(万博協会)は5日、日中戦争の影響で中止となった1940年「東京万博」の回数券と大阪・関西万博の入場券の引き換えを始めた。70年大阪万博や2005年愛知万博でも同様の対応が取られたといい、万博協会幹部は「万博の歴史を継承したい」としている。
東京万博は神武天皇の即位2600年を記念し、日本初の万博として東京を主会場に計画されたが、日中戦争の激化で中止となった。正式名称は「紀元2600年記念日本万国博覧会」で、「幻の万博」とも呼ばれる。
1冊12枚つづりの回数券は、戦時中の混乱で払い戻されなかったケースも多く、70年万博や愛知万博では招待券との引き換え措置が取られた。万博協会は、回数券を所有する東京都杉並区の男性会社員(25)から「引き換えができるか」との問い合わせがあったことを受け、1冊につき入場券2枚と引き換えることを決めた。回数券は番号を控えた上で、持ち主に返却するという。
男性は万博グッズのコレクターで、今年3月、フリマアプリ「メルカリ」で回数券1冊を8000円で購入。この日に大阪・関西万博の会場を訪れ、入場券と引き換えた。「85年前の入場券で万博を見ることができ、一生の思い出ができた」と笑顔を見せた。
引き換えについての問い合わせは、メールで万博協会(support-ticket@expo2025.or.jp)へ。