防衛白書の素案判明、国際社会「新たな危機の時代に」…東アジアで「ウクライナと同様の事態の可能性も」
2025年5月15日(木)9時20分 読売新聞
ロシア国旗=ロイター
2025年版の防衛白書の素案が判明した。中国やロシアの動向を踏まえ、「力による一方的な現状変更やその試みは、既存の国際秩序に対する深刻な挑戦」と指摘し、国際社会が「新たな危機の時代に突入」したと明記した。
素案では、中国の軍事活動を「これまでにない最大の戦略的挑戦」と位置づけ、24年版と同じ表現を踏襲した。中国軍機による日本領空への侵犯や、空母による接続水域の航行に強い懸念も示した。台湾有事を念頭に「ロシアによるウクライナ侵略と同様の深刻な事態が、東アジアにおいて発生する可能性」があるとも強調した。
米国のトランプ大統領については、就任以前から安全保障分野について発信していると指摘し、「米国の安全保障分野の動向は、インド太平洋地域の安全保障環境に大きく影響」するとの認識を示した。
白書は7月にも閣議で了承される見通しだ。