神奈川県川崎市麻生区にある小田急小田原線「新百合ヶ丘駅」駅は、神奈川県内でも屈指の高級住宅街。整然とした住環境が魅力ですが、実際に降りてみると何があるのか?行って調べてみました。
神奈川県内有数の高級タウン「新百合ヶ丘」。テレビドラマなどの舞台となることも多く、国土交通省の「都市景観100選」にも名前が挙がるなど、その美しさや住み心地の良さで知られています。
一方で「坂道が多くて徒歩だと生活しづらそう」というイメージも。実際に足を運んでみると、きれいに整備された駅前が心地良く、ショッピングモールをはじめ、映画館や文化施設の多さ、あちこちに点在する公園などの魅力に気付かされました。
駅からすぐの場所に便利なショッピングモールが2つ
新百合ヶ丘の特徴は、駅前にあるショッピングモールの多さ! 北口と南口の双方にモールが並んでおり、買い物はほぼ駅前だけで完結してしまいます。まず、駅直結の「小田急マルシェ」は外壁にガラスを多く使っていて爽やかな雰囲気。「タリーズコーヒー」「カルディコーヒーファーム」などの飲食店、ショップが入っています。

マルシェと同じく小田急が運営している「小田急アコルデ」には「マクドナルド」「スターバックスコーヒー」「マツモトキヨシ」などがあります。店舗数も多く、使い勝手がよさそうです。
加えて、駅北口に近年オープンした複合商業ビル「シティーモール」も、駅から徒歩1分ほどでアクセス可能です。
南口には大型モールが林立!
南口ロータリーの周辺には、さらにショッピングモールが林立しています。

駅からデッキで直結の「イオンスタイル新百合ヶ丘」は、中でも大きい施設の1つ。数々の店舗のほか、大型シネコン「イオンシネマ新百合ヶ丘」、郵便局、スポーツクラブなどの施設が充実しています。

同じくデッキでつながった「新百合ヶ丘オーパ」は、大がかりな外観もさることながら、建物内にある巨大な吹き抜け空間(イベントスペース兼用)も見どころ。

「新百合ヶ丘エルミロード」は、巨大な柱や梁(はり)を組み合わせたような個性的な外観。「イトーヨーカドー」も併設されていて、日用品や食料品の買い出しに向いています。

また、駅から徒歩4分の場所には「新百合ヶ丘マプレ専門店街」も。ちょっと価格帯も高めな飲食店から庶民的な店舗が並んでいます。

マプレとは「マーケットプレイス」の略称。緑道が穏やか&爽やかで、休日の散歩にもよさそうです。

中でも注目は、輸入食品やセレクト食品を扱う「原宿舶来食品館」。賞味期限間近な商品、パッケージつぶれ、お試し用の食品などを大幅にディスカウントして販売しています。

筆者もアーモンドオイル、ポテトペースト、ココアパウダー、アンチョビなどを思わず購入してしまいました。珍しい商品もあり、値段が8割引きになっているものもあって、かなりのお買い得でした。
新百合ヶ丘駅では、商業施設の大半が駅前に集中しています。一方で駅から少し離れると閑静な住宅街が広がっていますが、そこにもさまざまな文化施設や、散策やレクリエーションに向いた公園もあり、住み心地の良さがうかがえます。
区役所や図書館、映画館や劇場も駅チカ

新百合ヶ丘駅はショッピングモールだけでなく、なんと区役所にも直結。駅から連絡通路を経由して、道路を横断することなく「川崎市麻生区役所 麻生区総合庁舎」へたどり着けます。

区役所のすぐ裏手にあるのは、図書館や体育室を備えた「麻生文化センター」。駅を出てすぐアクセス可能というのは、本好きにはうれしいポイントです。

北口ロータリーから「笹子農道」を少し歩くと左手に見えてくるのは、映画館「川崎市アートセンター」。主な上映作品は比較的マイナーなアート系作品、インディーズ作品などです。

南口のイオンシネマはメジャーな映画を上映する大型シネコンなので、映画の好みによって行き先を分けましょう。

こうした文化拠点は駅南側にも。「昭和音楽大学」は1930年に創立し、1984年に現在の形となった私立大学です。北校舎の右隣には「日本映画大学」があり、多くの学生が周辺を歩いています。

大学内には総合劇場「テアトロ・ジーリオ・ショウワ」も併設。オペラ・バレエ・ミュージカルなどさまざまなジャンルの演目が上演されています。新百合ヶ丘は買い物スポットだけでなく文化やアートも豊かな街なのです。
多くの公園が目と心の保養に
新百合ヶ丘のもう1つの特徴は、公園の多さ。歴史が比較的短い街だからこそ「過去より将来を見据えて、新しい自然や故郷を作っていこう」という街づくりの意図が、こうした街並みからうかがえます。

アートセンターの裏手から伸びる「万福寺さとやま公園」は、地域の原風景をモチーフに、この地区の「新しい里山」を目指して整備された場所です。

「万福寺」とは、かつてこの地にあったという寺の名前で、現在も町名として残っています。公園内を歩いていると、どこからか「ホーホケキョ」という鳴き声が。人にとっても野鳥にとっても「憩いの場」として定着していることがうかがえます。

また、昭和音楽大学の裏手にある「新ゆりアートパークス」は、その名の通り、多くの芸術作品(アート)が広々とした芝生内に点在しています。ボランティアの方々が管理している芝生自体も国土交通大臣賞を受賞しているのだそう。
このほかにも新百合ヶ丘には公園があちこちにあり、個性もさまざま。子どもとのレクリエーションから運動、読書、自然観察までいろいろな楽しみ方ができそうです。
新百合ヶ丘ウォーキングは坂道の多さに注意!

なお、新百合ヶ丘は駅の北側も南側も坂道や階段が多く、複雑に入り組んでいる道が多い印象でした。このエリアは多摩丘陵の中でも特に高低差が激しく、高低差が20〜30mになる場所もあるのだとか。

勘だけを頼りに「こっちにいけばいいでしょ!」とグイグイ進んでしまった場合、思った以上の大回りや上り下りで時間と体力を使ってしまうことも。無理なく地図アプリに頼った方がベターです。

とはいえ駅前にはショッピングスポットが集中し、あちこちの公園もあって優れた住環境の新百合ヶ丘。将来的には横浜市営地下鉄ブルーラインの延伸計画もあるとのことで、生活の利便は今後ますます良くなりそうです。
この記事の筆者:デヤブロウ プロフィール
都内在住の街歩きライター。Yahooエキスパートとして台東区の地域情報を発信するほか、「macaroni」など複数メディアで執筆を行う。飲食店、博物館、銭湯巡り、寺社探訪を中心に地域情報を発信中。東京シティガイド検定を取得済み。
(文:デヤブロウ)