米国財閥の男性と結婚した芸妓「モルガンお雪」、ゆかりの白バラいまも京都に…海外社交界の花

2025年5月19日(月)10時6分 読売新聞

お雪の墓の前で手を合わせる舞妓

 明治時代に米国モルガン財閥の男性と国際結婚した祇園の芸妓げいこで、「モルガンお雪」の呼び名で知られるモルガン・ユキ(1881〜1963年)をしのぶ法要が命日にあたる18日、墓のある東福寺塔頭たっちゅう同聚どうじゅ院(京都市東山区)で営まれた。

 お雪は1904年、来日したジョージ・デニソン・モルガン氏に見初められ結婚。米、仏に渡り、社交界の花形になるが、夫と死別し、晩年は京都で暮らした。伝説の芸妓として語り継がれる人生はミュージカル「モルガンお雪」にもなった。

 同聚院では毎年、命日の5月18日頃に法要を実施。境内にはお雪の三回忌に仏から献花された白バラの品種「ユキサン」が植えられており、見頃を迎えている。

 この日は、お雪の親族と祇園甲部の芸舞妓が墓参後、一般の参列者も加わって本堂で法要が営まれた。

 今月芸妓になる舞妓・柚子葉ゆずはさんは、芸妓になる直前に舞う演目「黒髪」を披露。演奏を担う地方じかたのます穂さんが、お雪も得意としていた胡弓こきゅうを奏でた。

 法要後、柚子葉さんは「お雪さんのように、後々まで名前を覚えていてもらえる芸妓さんになっていきとおす」と話した。

 同聚院の岡本弦親住職(50)は「日本の女性が海外に出ることが珍しかった時代、お雪さんは悩みや困難を乗りこえ、世界の社交界で活躍した。自由な心や芯の強さを知ってほしい」と語った。

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