長野でコメ窃盗3件相次ぐ、無施錠の倉庫から計570キロ…農家「まさか盗まれるとは」
2025年5月30日(金)8時50分 読売新聞
コメが盗まれた男性宅の保冷庫(29日、長野県栄村で)
長野県で今年に入り、コメを狙った窃盗事件が3件相次いでいることが長野県警への取材でわかった。いずれも無施錠の倉庫が狙われていた。コメの価格が高騰する中、県警は、売りさばく目的で盗んだ可能性もあるとみて管理の徹底を呼びかけている。
「まさか盗まれるとは思わなかった」。長野県栄村のコメ農家の男性(87)は肩を落とした。
今月上旬、自宅1階の保冷庫にあったコメ30キロ入り11袋(計330キロ)を何者かに盗まれたという。男性は自宅近くの水田でコメを作り、地元農協に出荷している。保冷庫には、離れて暮らす子どもらに分けるため、14袋を保管していた。しかし、今月上旬に保冷庫を開けると、3袋しか残っていなかったという。男性の親戚が飯山署に被害を届け出た。
数年前にも1度、水田近くの作業所に保管していたコメが盗まれる被害に遭い、防犯カメラを設置していた。男性は今後、自宅にも防犯カメラを設置することを検討するという。
県警捜査3課によると、男性のケースとは別に、2〜4月頃には佐久市内の空き家で5袋(計150キロ)、4月には下伊那郡内の住宅の倉庫で3袋(計90キロ)が盗まれていた。同課によると、昨年は同様の窃盗事件はなかったという。
同課は「施錠できる設備がある場所で保管してほしい」と呼びかけるとともに、防犯カメラやセンサーライトといった防犯グッズの導入を検討することを求めている。