お気に入りの夏服、次の季節までに黄ばみを出さない洗濯方法とは

2023年10月5日(木)5時10分 ウェザーニュース

2023/10/05 05:11 ウェザーニュース

朝晩など肌寒い日も増えてきました。遅れていた秋の気配が高まり、「そろそろ衣替えを」と考えている人も多いことでしょう。
ウェザーニュースでは、10月1日から2日にかけて、「もう衣替えをしましたか?」というアンケート調査を実施しました。
結果を見ると、北日本の北海道で34%、東北で22%の人がすでに衣替えを終えたことが分かりました。
一方、多くのエリアでは「まだしていない」という回答が大多数を占める結果となり、これから衣替えを予定している人が多いようです。

衣替えで夏服をしまおうとするとき、特に注意したいのが、衣服の黄ばみ対策です。盛夏に着ていた衣服は、黄ばみが生じるリスクが増すといいます。
そのためにも、衣類を収納、保管する際には「きちんと洗濯してから収納する」ことが大切です。しかし、染み付いた黄ばみや、しつこい「黒ずみ」は、通常の洗濯方法ではなかなか落ちにくいものです。
衣替えにあたって知っておきたい、黄ばみや黒ずみを出さない、残さないための洗濯方法について、NPO法人クリーニング・カスタマーズサポート(福島県須賀川市)の鈴木和幸代表に伺いました。

黄ばみの正体とは

夏服は黄ばみが目立ち、特に襟や袖などには気付かないうちにひどい黒ずみが生じてしまうこともあります。そもそも衣類の黄ばみや黒ずみは、どんな原因で生じるのでしょうか。
「黄ばみは、主に人間の『皮脂』や『垢(あか)』、『角質』などが空気と接して酸化したものです。首回りは人体のなかでも代謝が早く皮脂が溜まりやすい部位で、袖は皮膚とこすれることが多い箇所なので、摩擦で皮質などが落ちて溜まりやすくなります。
黒ずみは、皮脂などに吸着したほこりなどの汚れ成分が蓄積してしまった状態です。衣類の繊維に奥深く入り込んだ汚れは通常の洗濯で落としきることができず、黄ばみや黒ずみとして時間の経過とともに表面に浮き上がってきてしまうのです。
汗をかきやすい夏場は衣類に付着する汚れの量が多く、湿気も酸化を進ませて繊維に汚れが付着しやすくなる原因になります。さらに夏服は白系統のものが多いので、黄ばみや黒ずみが目立ってしまうのです。
衣替えの際に、皮脂などの黄ばみや黒ずみの原因を完全に落としきらないで収納、保管してしまうと繊維に深くしみ込んで、次のシーズンには着られない状態にまで状態が悪化してしまうこともあります。
秋の衣替えの前に皮脂や角質などの汚れをしっかり落としてから収納することは、必須といえるでしょう」(鈴木さん)

黄ばみを出さない洗濯方法

皮脂などの汚れをしっかり落とすには、どのような方法があるのでしょうか。
「襟、袖などに部分的に塗って使用するプレケア洗剤も一定の効果がありますが、黄ばみが黒ずみまで至らず、さほど目立たない状態でしたら、酸素系漂白剤による『つけ置き』が有効な方法となります。
塩素系漂白剤は漂白効果が高すぎるため、白いシャツ以外の『色物』には使えません。
酸素系漂白剤をお湯に溶かしてからつけ置きすると、漂白効果が薄れてしまいます。必ずゴム手袋を着用して、Yシャツやポロシャツ、Tシャツなどを洗面器などに入れ、酸素系漂白剤を直接かけます。
襟や袖、わきの下など黄ばみが目立つ箇所があったら重点的にかけて、軽くこすり洗いをしておくと、汚れを落とす効果が高まります。
漂白剤が最も効果を発揮するとされる、50℃前後のお湯を洗濯機に入れ、30〜40分をめどに放置した後で軽くすすぎ、洗濯機にかけてください。洗濯は洗濯用洗剤を使った通常の方法で大丈夫ですが、すすぎを2回行うと、効果が高まります。
なお、酸素系漂白剤と塩素系漂白剤は決して混ぜて使用しないでください。塩素ガスが発生して命にかかわる問題になりかねません。使用前に必ず酸素系、塩素系の確認を行ってください」(鈴木さん)

ひどい黄ばみや黒ずみを落とすには?

すでに黄ばみがひどかったり、黒ずみになってしまっていたりした場合には、どのような対処法がありますか。
「重曹(アルカリ性)を使ったつけ置きが、油系(酸性)の汚れである皮脂を落とすのに特に効果があります。
30〜40℃のお湯に、500mlに対して大さじ1杯の重曹を溶かし、1時間程度つけ置きしてください。後は通常の洗濯法でかまいません。
ドラッグストアなどで市販されている『セスキ炭酸ソーダ』(セスキ炭酸ナトリウム、弱アルカリ性)も、皮脂など油系の汚れ落としには効果の高いものです。
洗濯機に水30Lに対して大さじ1〜2杯のセスキ炭酸ソーダを溶かします。その後は通常の洗濯方法で、すすぎは1回で大丈夫です。
これらの方法で黄ばみが落ちなかったり、しつこい黒ずみが残っていたりするようでしたらそのままにせず、信頼が置けるクリーニング店に出してください。その際に、酸素系漂白剤や重曹、セスキ炭酸ソーダなどを使ったら、そのことを申し添えておくといいでしょう」(鈴木さん)
お気に入りの夏服を次のシーズンも気持ちよく着られるように、洗濯と乾燥をきちんと行った上で、収納・保管するよう心がけましょう。

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