なぜ急に寒い?気象予報士が解説、3か月予報発表12月~2月の平均気温・降水量は?【Nスタ解説】

2024年11月19日(火)20時34分 TBS NEWS DIG

今シーズン一番の強い寒気が流れ込み、師走並みの寒さとなった日本列島。青森県・酸ヶ湯では70センチ近くの雪が積もり、大雪警報も出されました。

なぜ急に寒い?大雪の原因は?

気象予報士広瀬駿さん:
去年の11月中旬に西日本各地で初雪が観測されていました。この時期は急に寒くなったと感じるのですが、寒気が来るということはいつも通りのリズムに戻ったと、先週までがおかしかったという事です。

先週は、南の海上に4つ同時に台風(22号〜25号)が来ました。台風があると北の高気圧が強まる特徴もあるので、いつもより高気圧が強まり、晴れて気温が上がって季節外れの暑さになりました。高気圧が押しやるように寒気がなかなか南に下がらず、ずっと気温の高い状況が続いていました。

今は台風がなくなったので、高気圧の存在感がいつも通りに戻りました。高気圧が弱まって南に下がった分、寒気がやってくるところができました。冷たい空気が南下したことで寒くなったというわけです。

寒くなって冷たい空気が流れ込んでくると、日本の日本海側は世界で見ても大雪になりやすい地域です。日本海には対馬暖流が流れている影響で海水温が高くなります。

冬将軍がやってきて冷たい空気が流れ込んでくると、冷たい風が海の上を吹き渡るときに水蒸気を補給して雪雲になり、日本海側で雪がどっさり降るというわけです。

日本海は、冬の露天風呂状態なんです。寒い中でお湯が温かいため、そのギャップで雪雲が成長するということです。

元競泳日本代表松田丈志さん:
スキー関係者に聞くと、こんなに雪が降るところに町がある国はほとんどないらしいです。日本の雪は本当に貴重だと仰っていました。山がないと雪も降らないわけですしね。

広瀬駿さん:
風がぶつかり山で雲が成長します。山脈の地形も雪が降るメカニズムにとっては重要な存在です。

今年の冬は、夏の思い出が日本海に残っています。猛暑の影響で海が温まっている分、寒気がやって来たときに雪雲が発達しやすくなります。今年の冬は、寒気がもし何度も来た場合、大雪が心配です。

関東は、19日より20日の方が寒くなりそうです。20日朝の最低気温は7℃ですが、もしかしたら6度ぐらいまで下がって、日中一番上がっても9度と最高気温が1桁になるかもしれません。できる限り防寒した方がいいかなと思います。

3か月予報平均気温・降水量は?

広瀬駿さん:
3か月予報(12月〜2月)が発表されました。平均気温は平年並みの場所がほとんどです。記録的な暖冬だった昨シーズンよりは冬らしい寒さになるでしょう。

続いて降水量を見ていきましょう。雨と雪を含めた量の予想です。日本海側は12月、1月と降水量が多く、どっさり雪が降ってもおかしくありません。

冬型の気圧配置が強まるため、日本海側はいつも以上に降りますが、太平洋側は少ない予報です。日本海側は災害レベルの大雪に、都心は空気の乾燥にいつも以上に注意した方がいいと思います。

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<プロフィール>
気象予報士広瀬駿さん
1989年愛媛県生まれ
気象予報士・防災士・健康気象アドバイザー
横浜国立大学大学院で台風を研究
松田丈志さん
元競泳日本代表
五輪4大会出場4個のメダル獲得
JOC理事宮崎県出身3児の父

TBS NEWS DIG

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