プロが教える換気扇の年末大掃除、とっておきのテクニック

2020年12月27日(日)10時23分 ウェザーニュース

2020/12/27 10:21 ウェザーニュース

年末年始を控え、新型コロナウイルスの予防対策として換気の徹底が叫ばれているなか、家庭での換気扇の適切な利用が重要性を増しています。ところが、換気扇の清掃は年末の大掃除のなかでも特に大変な作業のひとつです。
家庭で換気扇をお掃除するためのとっておきのテクニックを、おそうじ本舗の技術アドバイザー・尾崎真さんに紹介していただきました。

油汚れが固まり実は大変な冬の換気扇掃除

「換気扇のお掃除は、実は夏より冬の方が大変です。気温が低いと油汚れが固まってしまい、除去に時間がかかるからです。そのため、冬はお湯を使うことが大切です。
油汚れの除去では、『洗剤の力を最大限に発揮させる』ことが重要です。ほとんどの洗剤は汚れと反応するのに時間がかかります。洗剤を塗布して一定の時間置き、洗剤がしっかり反応するまで待つことが、結果的に時間短縮につながるのです」(尾崎さん)
それでは、プロの換気扇掃除術を具体的に見てみましょう。
「事前に用意しておくのは、ゴム手袋/新聞紙/重曹/タオル(2枚)/30リットルのゴミ袋(2枚)/スポンジ/古い歯ブラシ/ヘア用リンス(コンディショナー)です。

重曹水に浸け置き、汚れ防止にリンスで仕上げ

お掃除の手順は、次のとおりです。
(1)コンロの上に新聞紙を敷く
「レンジフードから垂れてくる汚れや、部品が落ちてコンロを傷つけてしまうことを防ぐため、コンロの上に新聞紙を敷きます。さらに、汚れから身を守るためにもゴム手袋をつけましょう」(尾崎さん)
(2)換気扇フィルターを外し、可能であればファンも外す
「換気扇のファンはほとんどの場合、手で外せます。注意点は、ファンを止めている真ん中のネジは通常と逆方向、『時計回りで緩む』ことです。壊れる可能性があるので、ネジは無理に外さないでください。換気扇フィルターと、可能であればファンも外します」(尾崎さん)
(3)ゴミ袋で容器を作りフィルターなどを浸け置く
「シンクに傷が付かないようにタオルを敷きます。その上にゴミ袋を2重にした容器を作り、外したフィルターなどを入れて、45〜50℃のお湯を浸かる程度に注ぎます。失くしやすい細かい部品は、水切りネットに入れて口を留めておきます」(尾崎さん)

細かい部品は、水切りネットに

(4)計量カップ半分(100g)程度の重曹を入れる
「重曹を入れ過ぎると、塗装が剥げてしまう可能性があるので注意しましょう」(尾崎さん)
(5)ゴミ袋の口を結んで浸け置きする
「フィルターなどがしっかり浸るように空気を抜き、10〜20分浸け置きます」(尾崎さん)
(6)外せない部分の擦り洗いをする
「部品を浸け置きしている間に換気扇の外側を重曹水でお掃除します。約40℃のお湯100mlに小さじ1程度の重曹を加えてよく混ぜ、スプレー容器に入れて作ります。
スポンジに重曹水を吹き付け、汚れている箇所をお掃除します。液垂れしたり洗剤の筋がシミになったりしてしまうため、直接スプレーを吹き付けないように。最後はお湯に浸して絞った雑巾で水拭きし、仕上げに乾拭きを行います」(尾崎さん)
(7)浸け置きした部品を擦り洗いする
「10〜20分浸け置きすると、油汚れが浮き上がって緩んだ状態になります。ファンの溝など細かい部分は古歯ブラシ、面積が広い部分はスポンジを使います。古歯ブラシの毛先を半分程度カットしてこすると、汚れが取れやすくなります。
このときに注意するポイントは、ファンに付いている『バランサー』という部品を動かさないこと。動かしてしまうと、組み立て後にきちんと回らなくなってしまいます。
落としにくい汚れには、さらに重曹水を吹き付けてこすりましょう。ただしフィルターは塗装が剥がれてしまう可能性があるので、浸け置きの後にゴシゴシと強くこすらず、タオルで汚れを拭き取る程度に留めます」(尾崎さん)

(8)外した部品を元に戻す
「お掃除が終わったら、外した部品をすべて元に戻しましょう」(尾崎さん)
(9)ヘア用リンスを塗って汚れを防ぐ
「最後にキレイな雑巾に市販のリンス(コンディショナー)を染み込ませ、レンジフードの表面に薄く伸ばしながら拭き上げます。リンスは静電気の発生を抑えてくれるので、ホコリなどの汚れが付きにくくなる効果があります」(尾崎さん)
これで、面倒な換気扇のお掃除を手軽にきちんと済ませることができますね。清潔な換気扇は、換気機能の低下を防ぎます。「身近な人だけで過ごしましょう」と自治体などからの要請もある年末年始。自宅の換気扇を上手に用いて、コロナ対策にも役立てましょう。

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