酒蔵数は20年で約4割も減少!日本酒業界と伝統文化を未来へ繋げるため、夫婦が中国市場開拓に賭ける希望と挑戦のストーリー

2024年1月15日(月)13時30分 PR TIMES STORY

株式会社美酒企画(以下、美酒企画)のミッションは、“日本が誇る國酒「SAKE」を、世界へ”

人口14億人を擁する巨大マーケット、中国に向けた日本酒専門ウェブメディア「享受清酒」(「日本酒を楽しむ」の意)を2022年春に立ち上げました。

日本酒の魅力や楽しみ方、それに酒蔵情報を中国語で発信。

日々、酒蔵で働く皆さんがどんな想いでお酒を醸しているのか、“人”にフォーカスしたコンテンツを届けることに力を注いでいます。

美酒企画のスタッフは、社長の柴田亜矢子と専務の中谷 (なかや) 聡の夫婦のみ。2人とも中国へ行ったこともなく、中国語を学んだこともありません。それにもかかわらず、一体どうして中国向けの日本酒メディア開設を決意し、起業にまで至ったのでしょうか。創業にかけた想い、未知の世界への挑戦の中での苦労や喜び、そして未来へのビジョンなどについてお伝えします。

■日本酒メディアとしての強みはブランディング力。多数の成功事例がその実力を物語る

中国向け日本酒専門ウェブメディア「享受清酒」が目指すのは、中国の人々に贈る“日本酒の歩き方”です。

目的は、中国の皆さんに、日本酒を好きになってもらうこと。

堅苦しい日本酒の学習ではなく、「日本酒って楽しくてかっこいい」と思ってもらえるような記事を、ビギナーにもわかりやすくお届けしています。

▲株式会社美酒企画 専務取締役 中谷 (なかや) 聡

もっとも力を入れているのが、酒蔵さまのブランディングです。専務の中谷は商社時代に、当時日本では知られていなかったスイス製の機械式クロノグラフを導入し、大胆な戦略を通じて“憧れのブランド”へと育て上げた実績の持ち主。また、人気のアパレルデザイナーと組み、ジュエリーといえば女性向けがほとんどだった時代に、“男性向けジュエリー”の市場を開拓した、ブランドマーケティングの草分け的な人物です。

「享受清酒」では酒蔵さまの専用ページを制作し、代表銘柄はもちろん、歩んできた歴史や現在のビジョンを紹介。蔵元や杜氏などへのインタビュー記事を通じ、生の声を伝えることで、ファンの増加につなげます。

▲「享受清酒」トップページ   ▲南部美人さまインタビュー記事(3部作)

また、日本酒の基礎がわかる記事や、日本で開催されている日本酒イベント、お薦めの酒屋や日本酒バーなども掲載。お酒にまつわる日本語コーナーを用意し翻訳機能も搭載しているので、蔵やお店に行った時に気軽にコミュニケーションをとることができます。

■日本酒への情熱が開眼!きっかけは飲み比べイベント「美酒早慶戦」

社長の柴田亜矢子は、もともと大のお酒好き。と言っても“飲む専門”でした。しかし、早慶戦の日本酒版「美酒早慶戦」(*)の運営に関わったことを機に本格的に日本酒に開眼し、勉強を開始。国際唎酒師や日本酒伝道師の資格を取り、イベントのサポートやライター活動などをおこなっていました。

そんな中、転機となったのが、夫による予想外な提案。「僕もお酒が好きだし、一緒に日本酒の仕事をしよう」という一言でした。

(*)早稲田・慶應出身の酒蔵の日本酒を早稲田・慶應出身の酒好きが飲み比べて投票し、蔵別順位と大学別順位を決する年に一度のイベント。2011年の開始以来、年々規模が拡大し、今では全国から約80の酒蔵が参加。

■技術や品質向上の一方で日本酒の消費量は減少。この課題に向き合うため起業を決意

日本酒は、醸造技術の急速な進歩や若手蔵元の台頭により、近年、クオリティーが飛躍的に向上しています。ワインのような酸のあるタイプ、シャンパンのような発泡タイプ、熟成酒など、これまでにないタイプの商品も増え、まさに百花繚乱。各地で開かれる日本酒イベントはどれも盛況となっています。

しかし一方で少子化や嗜好の多様化もあり、日本酒の消費量は1973年をピークに年々減少しているのが実情です。酒蔵数も、1999年〜2019年の20年間で2007社から1235社に激減(国税庁「清酒製造業の概況 令和2年調査分」より)。毎月平均3.2蔵が廃業しているという衝撃の事実を知りました。

そこで、日本酒の知識とライター経験を生かし、大好きな日本酒の現在そして未来への一助になる基盤を作ろうと、初めての起業を決意。2021年、酒造年度初日である7月1日という日を選び、株式会社美酒企画を立ち上げました。

■ネット規制が厳しい中国からは、日本のホームページの閲覧は極めて困難

私たち夫婦は、もともと中国とは縁のない人生を送っていました。フラメンコやオペラ、サッカーなどを趣味としており、ヨーロッパ志向が強かったのです。

そんな中で中国を選んだ理由は、中国に向け日本酒の情報を伝える日本企業がほとんど存在しないことでした。中国は、インターネット規制が厳しく、「グレートファイアウォール」と呼ばれる検閲システムが機能しています。GoogleやYouTube、Instagram、Facebookなど私たちが通常使っているツールは中国では使えません。また、日本でせっかく中国語版のホームページを作っても、実は中国からは閲覧が非常に困難なのです。

■約13億人が利用するアプリ「WeChat」をプラットフォームに。厳格な審査にはカルチャーショックも

そこで、メディアのプラットフォームに選んだのが、中国版LINEとも呼ばれる国民的アプリ「WeChat」。ユーザー数は約13億人とも言われ、これならばネット検閲の壁を越え、中国人に直接リーチすることが可能となります。

▲中国の国民的アプリ「WeChat」

メディアを開設するには、運営元のテンセント社の審査に通らなくてはなりません。これがなかなかのハードルでした。身元確認が厳しく、「申込書に記載した電話番号が本当に使われているか確認したいので、携帯電話会社との契約書や、料金の支払いを証明する書類が必要だ」、「代表取締役が運転免許証を手にした写真を送るように」、「免許証は裏面も必要なのでもう一枚撮って欲しい」など、中国から英語の国際電話が何度もかかってきました。

そんなカルチャーショックを乗り越え審査は無事通過。次なるハードルは、ウェブメディアの設計です。ホームページなど作った経験がないため、どんな情報を、どんなレイアウトやUIで載せればいいのか頭を悩ませました。プロの指導を受けつつも、試行錯誤の連続。結局開設までに数か月を要しました。その間、中国事情についても必死に勉強。中国通の方々と会いアドバイスを受け、本を読み、ネットでリサーチをし、もちろん日本酒業界に関する知識を深めることにも全力を注ぎました。

■営業活動の心の支えは応援してくれる方々のエール。伝統文化への参入にスタートアップの新参者は門前払いも

ウェブメディアを開設したのは、2022年春。ゴールデンウィーク明けより、酒蔵さまへのご案内を本格始動しました。希望と不安に満ちた船出でしたが、やはり新参者の零細スタートアップということもあり、話を聞いてもらえないこともしばしば。「中国は苦手」との理由で門前払いされることもありました。

しかし、ありがたいことに、興味を持ってくれる酒蔵さまも少しずつですが現れ始めました。詳細なデータをもとに、ありったけの情熱を込めたプレゼンテーションを、対面やZOOMなどで実施。「よし、一緒にやりましょう!」と言われるたびに、涙が出るくらい喜びました。

▲太陽のような笑顔と熱いトークが魅力の、南部美人の久慈浩介社長

特に心の支えとなったのが、約60か国に輸出するなどグローバル展開で日本酒業界を牽引する南部美人・久慈浩介社長の一言。「将来、絶対に日本酒業界に役立つ事業だ」と言われ、今でもその言葉を胸に歩を進めています。また、国税庁や日本酒造組合中央会、ジェトロなどの担当者の方から温かいエールをもらえたことも大きかったですね。

お取り引きのある酒蔵数は16社(2023年12月現在)。中国に輸出している酒蔵さまが中心ですが、2011 年の東日本大震災以降、中国が輸入を禁止している10都県(*)の酒蔵さまからも、インバウンド効果などを期待し、お申し込みが増えています。

(*)中国は、2011 年の東京電力福島第一原発事故以来、福島など10都県の食品(日本酒などの酒類を含む)・農林水産物の輸入停止措置を続けています。

■酒蔵さまのリクエストは積極的にトライ。中国語地図やキャッシュレス決済導入、さらには税金対策も

開設後、「享受清酒」では酒蔵さまからのリクエストなども積極的に取り入れ、次々と機能を追加しています。現在では、自治体の観光サイトとの連携に加え、酒蔵の地図(中国語版)や中国の代理店情報、酒蔵紹介動画などの掲載も可能になりました。

「享受清酒」では酒蔵さまからのリクエストなども積極的に取り入れ、次々と機能を追加しています。現在では、自治体の観光サイトとの連携に加え、酒蔵の地図(中国語版)や中国の代理店情報、酒蔵紹介動画などの掲載も可能になりました。

また、事業の多角化も推進しています。中国の2大キャッシュレス決済サービス「WeChat Pay(ウィーチャットペイ)」や「Alipay+(アリペイプラス)」の代理店資格も取得。「この酒蔵のお酒はここに行けば、中国でいつも使っている決済方法で購入できますよ」という情報を発信することで、中国人観光客の誘客と購買促進につなげます。

加えて、酒蔵さま向けの経営事業も展開。補助金・助成金の申請〜請求、ファイナンシャルプランナーによる生命保険・損害保険の有効活用などのお手伝いをおこなっています。

また、不動産鑑定士・税理士・一級建築士・弁護士などの専門家とも連携。「地方税法343条10項に基づいた新築事業用建物の固定資産税の大幅な適正化」を実現するスキームをご提供できるようになりました(経済産業省・国土交通省認可、特許第7211579号)。社屋や蔵の建替・新設の際に発生する固定資産税の適正化を通じ、酒蔵さまの財産保全や相続対策に貢献します。

■超高齢化する日本の現実を直視し、積極的なグローバル化を解決策に

日本はこれまで経験したことのない急速な人口減と少子高齢化の進行というリスクに直面しており、2022年の人口は前年から約80万人も減少。単純計算で行けば2033年には800万人以上も減ることになります。これは、横浜市(377万人)、大阪市(276万人)、名古屋市(233万人)が消滅するのと同じくらいのインパクトです。実際にこれらの大都市が消滅するわけではありませんが、地方都市は人口減が急速に進んでおり、日本国内の、特に内需産業が大きなダメージを受けるのは間違いないと思われます。

今後、酒造業の国内市場が縮小することは明らかで、海外展開で需要拡大を図ることは酒造会社にとって重要な経営課題と言えます。数百年にわたり先祖代々受け継いできた酒造りを未来に繋いでいけるよう、美酒企画では酒蔵さまのグローバルなブランディングとファン作りに全力で取り組んでまいります。

【中国向け日本酒専門メディア「享受清酒」閲覧方法のご案内】

閲覧には、スマートフォンへのWeChatアプリのダウンロードが必要です。

WeChat公式サイト(https://www.wechat.com/ja/)にアクセスしてダウンロードした後、WeChatホーム画面右上から「+」→「スキャン」をクリックし、「享受清酒」の2次元コードを読み取ってください。

▲「享受清酒」2次元コード


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