アストロスケールの商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J」、デブリへの接近を開始

2024年2月23日(金)12時46分 PR TIMES

世界初、全長約11m、重量約3トンの大型デブリの調査へ

持続可能な宇宙環境を目指し、スペースデブリ(宇宙ごみ、以下、デブリ)除去を含む軌道上サービスに取り組む株式会社アストロスケールホールディングス(本社:東京都墨田区、創業者兼 CEO 岡田光信)の子会社で人工衛星システムの製造・開発・運用を担う株式会社アストロスケール(本社:東京都墨田区、代表取締役社長 加藤英毅、以下「アストロスケール」)は、日本時間2月18日深夜に打ち上げられた商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J(アドラスジェイ、Active Debris Removal by Astroscale-Japan の略)」のミッションにおいて衛星の初期運用を終え、日本時間2月22日の20時頃、世界初※1となるデブリへの接近を開始したことをお知らせいたします。

運用を終了した衛星等のデブリは非協力物体※2であり、外形や寸法などの情報が限られるほか、位置データの提供や姿勢制御などの協力が得られません。よって、その劣化状況や回転レートなど、軌道上での状態を把握しつつ当該デブリに安全・確実にRPO※3(ランデブ・近傍運用)を実施することは、デブリ除去を含む軌道上サービスを提供するための基盤となります。ADRAS-Jは実際のデブリへの安全な接近を行い、デブリの状況を明確に調査する世界初の試みです。具体的には、大型デブリ(日本のロケット上段:全長約11m、直径約4m、重量約3トン)への接近・近傍運用を実証し、長期間軌道上に存在するデブリの運動や損傷・劣化状況の撮像を行います。

ADRAS-Jはまず、自身に搭載するGPSと地上からの観測値をもとに、スラスタ等を駆使してデブリに接近していきます(絶対航法)。そして一定の距離に達すると、衛星搭載センサを駆使する相対航法へ切り替え、対象デブリとの距離や姿勢などさまざまな情報をもとに、安全にさらに距離を詰めていきます。また、センサのシームレスな切り替えも高難度かつ非常に重要であり、これは地上で例えると、高速で移動しながら、望遠鏡、双眼鏡、虫眼鏡を切り替えるイメージです。

軌道上サービス、そして宇宙の持続可能性(スペースサステナビリティ)の基礎を築く本ミッションの進捗は随時ご案内してまいります。今後の最新情報にご期待ください。 
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/67481/65/67481-65-3b1eb4fd222d55ae0bf012de1d70ed8f-3840x2160.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
ADRAS-J紹介動画: https://www.youtube.com/watch?v=FGus-3T_ihE&t=1s
ADRAS-Jミッションページ:https://astroscale.com/ja/missions/adras-j/
ADRAS-Jプレスキット:https://astroscale.com/wp-content/uploads/2024/02/240214_ADRAS-J_Press_Kit_JP_Preview.pdf

※1 過去に同様のミッションが実施されたか否かを自社で調査(2023年)
※2 非協力物体:接近や捕獲・ドッキング等を実施されるための能力・機器を有さない物体のこと
※3 RPO:Rendezvous and Proximity Operations Technologiesの略称 、ランデブ・近傍運用

商業デブリ除去実証について
アストロスケールは、大型デブリ除去等の技術実証を目指す宇宙航空研究開発機構(JAXA)の商業デブリ除去実証フェーズIの契約相手方として選定、契約を受けて、ADRAS-Jを開発しました。商業デブリ除去実証は、深刻化するデブリ問題を改善するデブリ除去技術の獲得と、日本企業の商業的活躍の後押しの二つを目的とするJAXAの新しい取り組みです。この枠組みに基づき、本事業はJAXAから技術アドバイス・試験設備供用・研究成果知財提供を受けて実施されています。
商業デブリ除去実証ウェブサイト:https://www.kenkai.jaxa.jp/crd2/project/

アストロスケール について
アストロスケールは、宇宙機の安全航行の確保を目指し、次世代へ持続可能な軌道を継承するため、全軌道における軌道上サービスに専業で取り組む民間企業です。 2013年の創業以来、軌道上で増加し続けるデブリの低減・除去策として、衛星運用終了時のデブリ化防止のための除去、既存デブリの除去、寿命延長、故障機や物体の観測・点検など軌道上サービスの実現を目指し技術開発を進めてきました。また、長期に渡り安全で持続可能な宇宙環境を目指す為、技術開発に加え、ビジネスモデルの確立、複数の民間企業や団体、行政機関と協働し、宇宙政策やベストプラクティスの策定に努めています。本社・R&D拠点の日本をはじめ、英国、米国、イスラエル、フランスとグローバルに事業を展開しています。
アストロスケールウェブサイト:https://astroscale.com/ja/

PR TIMES

「デブリ」をもっと詳しく

「デブリ」のニュース

「デブリ」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ