アストロスケールの商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J」、打上げに成功

2024年2月19日(月)10時16分 PR TIMES

世界初!大型デブリへの接近・調査へ!宇宙のロードサービスの幕開け

持続可能な宇宙環境を目指し、スペースデブリ(宇宙ごみ、以下、デブリ)除去を含む軌道上サービスに取り組む株式会社アストロスケールホールディングス(本社:東京都墨田区、創業者兼 CEO 岡田光信)の子会社で人工衛星システムの製造・開発・運用を担う株式会社アストロスケール(本社:東京都墨田区、代表取締役社長 加藤英毅、以下「アストロスケール」)は、同社の商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J(アドラスジェイ、Active Debris Removal by Astroscale-Japan の略)」が2月18日深夜(日本時間)にニュージーランドのマヒア半島にあるRocket Labの第1発射施設(Launch Complex 1)より打ち上げられ、軌道投入に成功したことをお知らせいたします。

ADRAS-Jを搭載したRocket Labのロケット「Electron(エレクトロン)」は23時52分(日本時間)に打上げが行われ、計画通り飛行、その後、高度約600kmにて衛星を分離し、衛星から受信した信号により正常に通信ができることを確認しました。

[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/67481/64/67481-64-87bbbb7417bf5801e75312d32fb25b91-799x533.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]提供:Rocket Lab
アストロスケールは、大型デブリ除去等の技術実証を目指す宇宙航空研究開発機構(JAXA)の商業デブリ除去実証(CRD2※1)フェーズIの契約相手方として選定、契約を受けて、ADRAS-Jを開発しました。ADRAS-JはRocket Labのロケット「Electron(エレクトロン)」による打上げ・軌道投入後、非協力物体である日本のロケット上段への接近・近傍運用を実証し、長期にわたり放置されたデブリの運動や損傷・劣化状況の撮像を行います。本ミッションは、実際のデブリへの安全な接近を行い、デブリの状況を明確に調査する世界初※2の試みです。これはデブリ除去を含む軌道上サービスにおいて不可欠な要素です。

アストロスケールADRAS-Jプロジェクトマネージャー新栄次朗のコメント
「数年の歳月をかけ設計・開発に携わってきたチームの想いを乗せたADRAS-Jが無事打ち上がり、いよいよ軌道上での運用が始まりました。RPO※3(ランデブ・近傍運用)技術を実証し、実際のデブリへの接近とその調査を行う初のミッションを成功させるべく、より一層気を引き締めて取り組んでまいります。」

アストロスケール代表取締役社長 加藤英毅のコメント
「この度、打上げという大きなマイルストーンの一つを達成することができました。本ミッションで実証するRPO技術は、デブリ除去を含む軌道上サービスの中核となるものです。本物のデブリを対象としてこれを実証することは、当社だけでなく、世界の宇宙産業界にとっても大きな一歩と言えるでしょう。まさに、宇宙のロードサービス時代の幕開けです。ご支援いただいたJAXA、株主、パートナー、サポーターの皆様にお礼と感謝を申し上げるとともに、本ミッションの実現に取り組んできたアストロスケールのチームを誇りに思います。」

本ミッションは、ADRAS-J搭載機器のチェック等を行う初期運用フェーズに移行しています。これを完了した後、ランデブや近接接近、近傍運用等の技術実証に挑みます。本ミッションで接近・調査の対象となるデブリは、2009年に打ち上げられたH2Aロケットの上段(全長約11m、直径約4m、重量約3トン)です。これは非協力物体※4であり、位置情報を発信していないため正確な位置情報を取得することができません。そのような状態で、ADRAS-Jは地上からの観測データや搭載センサを駆使して接近を行います。

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/67481/64/67481-64-a24dc843aba7f4d62be56ec72c7e9930-3900x2925.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]アストロスケールのミッション管制室の様子
ADRAS-J紹介動画:https://www.youtube.com/watch?v=FGus-3T_ihE&t=1s
商業デブリ除去実証(CRD2)について:https://www.kenkai.jaxa.jp/crd2/index.html
ADRAS-Jプレスキット:https://astroscale.com/wp-content/uploads/2024/02/240214_ADRAS-J_Press_Kit_JP_Preview.pdf

※1 CRD2:Commercial Removal of Debris Demonstration の略称
※2 過去に同様のミッションが実施されたか否かを自社で調査(2023年)
※3 RPO:Rendezvous and Proximity Operations Technologiesの略称 、ランデブ・近傍運用
※4 非協力物体:接近や捕獲・ドッキング等を実施されるための能力・機器を有さない物体のこと

アストロスケール について
アストロスケールは、宇宙機の安全航行の確保を目指し、次世代へ持続可能な軌道を継承するため、全軌道における軌道上サービスに専業で取り組む民間企業です。 2013年の創業以来、軌道上で増加し続けるデブリの低減・除去策として、衛星運用終了時のデブリ化防止のための除去、既存デブリの除去、寿命延長、故障機や物体の観測・点検など軌道上サービスの実現を目指し技術開発を進めてきました。また、長期に渡り安全で持続可能な宇宙環境を目指す為、技術開発に加え、ビジネスモデルの確立、複数の民間企業や団体、行政機関と協働し、宇宙政策やベストプラクティスの策定に努めています。本社・R&D拠点の日本をはじめ、英国、米国、イスラエル、フランスとグローバルに事業を展開しています。
アストロスケールウェブサイト:https://astroscale.com/ja/

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