高額なシャッターを取り付けなくても大丈夫…強盗に「ここは入れない」と諦めさせる"後付け可能"な対策一覧

2025年3月6日(木)7時15分 プレジデント社

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/denisik11

家の設備を変えたいとき、どのようなことに気をつければいいのか。工務店を経営する職人社長の平松明展さんは「例えば強盗対策をしたいなら、後付けでも効果的な方法がある」という——。

※本稿は、平松明展『住んでよかった家 理想の暮らしがずっと続く15の空間』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。


写真=iStock.com/denisik11
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■家電はヨーロッパ製がコスパが高い


費用面と商品価値を照らし合わせ、最適な判断をするには選択肢を多く持つことが重要です。例えば食洗機の場合、国内メーカーのものだけで比較するのではなく、海外メーカーも選択肢に入れるべきです。特にヨーロッパの製品が発達しています。


水資源が日本よりも貴重な地域なので、限られた水の量で一度に食器を洗うことを考え、大容量のものが主流になっています。初期費用は国内のものより高くなりますが、省エネ性が高く、耐用年数が長いことからコスパが高いといえるでしょう。


キッチンコンロでは、ガスコンロとIHクッキングヒーターでの比較になると思います。ガスは熱の調理器具に触れる面積が大きいことから、料理のクオリティが高くなるというメリットがあります。ただ、IHの場合、太陽光発電を設置してオール電化にしていれば光熱費をぐんと下げられます。


ほかにも空調設備、洗濯乾燥機、給湯器など、費用と使い勝手を照らし合わせ、コスパのよい最適なものを取り入れたいです。


出所=『住んでよかった家 理想の暮らしがずっと続く15の空間

■洗濯機は電気式とガス式、どちらがいい?


出所=『住んでよかった家 理想の暮らしがずっと続く15の空間
出所=『住んでよかった家 理想の暮らしがずっと続く15の空間

■強盗が心配なら「窓」を変えよう


空き巣対策だけでなく、強盗対策まで必要なご時世になりました。“入りにくい”ではなく、“入れない”という対策が求められています。家の性能に防犯性を加えるべきなのです。完全に入れなくするのは困難ですが、入るまでに時間をかせぐことで、安全な部屋に避難したり、警察に通報したりすることができます。


犯行者にとって侵入が困難な家はリスクです。新築時に防犯力の高い設計をすることは理想ですが、現在の家の防犯力を高めることも可能です。


初期設定では、ドアや窓を防犯性の高いものにすることです。日射の必要のない家の側面は窓の数を減らしたり小さくしたりするのは、防犯対策にもなります。勝手口を設けないのも同様です。これで初期費用を削減できれば、防犯設備に回せるとも考えられますよね。


また、今ある家の窓を取り替えることも検討できます。内側から鍵(かぎ)をかけられるセーフルーム(別名パニックルーム)をつくるのも有効。ちょっとした工夫が、防犯につながることもあるので知識を深めておきましょう。


出所=『住んでよかった家 理想の暮らしがずっと続く15の空間
出所=『住んでよかった家 理想の暮らしがずっと続く15の空間
出所=『住んでよかった家 理想の暮らしがずっと続く15の空間

■植栽が億劫な人はウッドデッキもおすすめ


住宅において外構は庭だけでなく、駐車場や玄関のアプローチも含みます。限られた敷地で構造や間取りを工夫して設置したバルコニーも外構に含めてお話しします。



平松明展『住んでよかった家 理想の暮らしがずっと続く15の空間』(KADOKAWA)

外構は外観の要素であり、室内からも眺めることができるものです。外構づくりの定番が植栽ですが、管理がともなうので、その手間を億劫(おっくう)に感じる人は、別の景観をつくればよいと思います。庭は子どもやペットが遊ぶ空間でもあり、バーベキューやティータイムを楽しめる場所にもなります。見た目だけでなく利便性の高い空間なのです。


外観だけを見ても建物と外構が融合した住まいは魅力的ですよね。さらに夜はライトアップすれば、また別の景観をつくります。ただ、好き勝手に外観を演出すればよいわけでもありません。費用との兼ね合い、また設備の耐久性などを考慮し、建物と同様に長い期間、価値を持続させることが大切です。取り入れる設備やアイテムの選択によってその価値は大きく変わります。


出所=『住んでよかった家 理想の暮らしがずっと続く15の空間

■間接照明は外からも中からもオシャレ


出所=『住んでよかった家 理想の暮らしがずっと続く15の空間
出所=『住んでよかった家 理想の暮らしがずっと続く15の空間

■おしゃれなタンクレストイレは注意が必要


キッチン、お風呂、洗面所は家族が毎日使う場所。だからこそ利便性の高い空間と設備を追求したいですね。家づくりのヒアリングでは、これらの場所を誰がどのように使うかを確認し、設計に反映していきます。例えば複数人で洗面所を使いたい場合、同時に使える広さ、洗面台の大きさ、さらには鏡の大きさにする必要があります。キッチン、お風呂、洗面所の設備は、初期費用との兼ね合いもあります。


写真=iStock.com/maroke
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/maroke

ここで費用を抑えるために使い勝手の悪い、または耐久性の低いものを選んでしまうと、使用中の不便さだけでなく、結局は買い替えで費用がかかってきます。


家づくりは日進月歩しています。それは水回りの設備も同様。ただし、進化したものが必ずしも生活に適応しているわけではありません。利便性を追求したことで、デメリットが生まれることもあります。例えば、タンクレスのトイレはデザイン性に富み、掃除も楽ですが、断水すると使えませんよね。設備選びはメリットとデメリットの両面を知ったうえで、目的の優先順位を決めて選択するとよいでしょう。


出所=『住んでよかった家 理想の暮らしがずっと続く15の空間
出所=『住んでよかった家 理想の暮らしがずっと続く15の空間
出所=『住んでよかった家 理想の暮らしがずっと続く15の空間

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平松 明展(ひらまつ・あきのぶ)
職人社長
平松建築株式会社代表取締役。建築歴23年。19歳から大工として10年間で100軒以上の住宅を解体、修繕し、住宅の性能の特徴を理解する。2009年創業。会社経営を行いながらもドイツを訪れて省エネ住宅を学ぶほか、地震後の現地取材を行い、気候風土に合った家づくりの研究を行う。YouTube チャンネル「職人社長の家づくり工務店」(登録者数は9万人以上)も配信中。
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(職人社長 平松 明展)

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