小型化・オフグリッド化を実現したコールドストレージで、国内外での新しいコールドチェーン構築に挑む

2024年4月9日(火)3時30分 PR TIMES STORY

概要

・現在コールドチェーンの不足で世界中で5億2600万トンの食料が廃棄。

・生産地や消費地など本来必要な場所で自前の冷蔵冷凍倉庫が不足。

・低価格で高性能な小型冷蔵冷凍倉庫(コールドストレージボックス)を独自開発。

・流通改革で必要な地域へ冷蔵・冷凍物を安全に届け、物流2024問題も解決。

 現在世界で5億2600万トンの食料がコールドチェーンの不足で廃棄されていると言われています。フードロス・食料危機に世界中が注目するなかで、その解決の鍵となるのが、これまで高額になるため不可能とされてきた小規模事業者の生産現場や消費地での冷蔵冷凍倉庫(コールドストレージ)の導入による流通の効率化です。

これにより食品ロスだけでなく、生産者と消費者がつながることで新鮮な食品が、直接食卓に届くようになり、また温度管理が必要な医薬品(血液やワクチン)もより広く安全に届くようになります。

弊社は小型の冷蔵冷凍倉庫(コールドストレージ)を独自開発。コンテナ型だけでなく乗用車で移動できるトレーラー型、それらを商業用電源不要で運用が可能なオフグリッド型と展開することで、これまで冷蔵冷凍保管を諦めてきた場面でも食と命の安全を守る挑戦をしています。

今回はこの新しいコールドチェーンの3つのポイントと、実際のルワンダ・おせち料理・野外フェスでの導入例をお伝えいたします。

■ 食材から医薬品まで物流改革で必要な地域へ冷蔵・冷凍物を安全に届ける

安全性が求められる新鮮な食材や医薬品は、生産地から消費地まで、一定の温度を保って運搬しなければなりません。そのためには大量の電気が必要となる大型冷蔵倉庫や冷蔵トラックが必要となることから、現在、新規事業者が多くの場面で導入を諦めているのが実情です。

そこで私たちコールドストレージ・ジャパン株式会社は、低価格な小型冷蔵冷凍倉庫(コールドストレージボックス)を独自開発。さらに、より効率的な冷蔵冷凍物流(コールドチェーン)を構築することで、様々な社会問題の解決に挑戦してまいります。

Coldstorage Box

■ 生産地から消費者に届くまで流通過程に広がる問題点

現在主流のコールドチェーンは、大手食品メーカー・流通業者が中心となり、多額の初期コストをかけて大型の冷蔵冷凍倉庫を建設し、大量の電気で維持しながら輸送する大量輸送を前提とした仕組みを基本としています。これは巨大メーカーが自社商品の流通において輸送コストを最小化する、あるいは巨大な市場に商品を集め巨大な消費地に優先的に再分配するなど、全体としての効率化を追求したものです。

一方でこれは、自前の冷蔵冷凍倉庫を持つことができない小規模事業者にとっては、かえってコスト負担が高く、輸送時間・経路も増えるため環境負荷も高い仕組みと言えます。そのため、近くのスーパーに海外を含む遠方から運ばれた魚介や野菜が並んでも近隣の生産品を取り扱えない、また生産者も近隣の消費者に良い状態の品を届けたくても手段がない状況になっています。

これらの流通過程において発生している全体生産量の数10%と言われているフードロスを減らす事ができるだけでなく、大型・大量・長距離輸送によるCO2排出等の環境問題、運転手等の長時間の過酷な労働による社会問題解決にもつながっています。

■ 次世代コールドチェーン実現に向けた3つのポイント

弊社代表の後藤は、1877年から続く家業の総合海運・物流会社の6代目として経営に携わるうち、多くの人の暮らしを支える物流のなかでも特に食や医療など人々の生命に直結するコールドチェーンが旧来の仕組みのままで行われていることにより、多くの事業者のビジネスにも地球環境にも大きな負荷を与え続けている問題に気づき、コールドストレージ・ジャパンを起業しました。

 独自開発した小型のコールドストレージを活用した次世代コールドチェーンによって、様々な社会問題の解決に取り組んでいます。

次世代コールドチェーンを実現するためには、3つのポイントがあります。

1)コールドストレージの小型化・低価格化・高性能化

生産者などの小規模事業者が自前の冷蔵冷凍倉庫を持つことができない最大の理由は、倉庫の大型で初期投資が膨大となり、運用時も大量の電力が必要で高額であることです。そこで弊社は多様なサイズ設計ができる小型の冷凍・冷蔵倉庫(コールドストレージボックス)を開発しました。初期費用を抑え、実需に合わせたフレキシブルな対応ができることで、運用も含めたコストの最小化を実現する事ができます。(特許取得:特開2022-184826)。

またHACCP INTERNATIONALの認証を取得した事で衛生環境において世界基準を満たす事で輸出対応が可能となり、生産者や食品加工会社のビジネス機会を海外にも拡げるほか、世界初の建築確認申請対応可モデルとして減築・増築可能な倉庫としても使う事ができます。

2)コールドストレージのネットワーク化

従来の大型倉庫への集約型物流ではなく、コールドストレージボックスを生産地や消費地に設置する事で、生産地と消費地を直接結び付けるダイレクトロジスティックス©を実現させる事ができます。さらに当社が意匠権を持つ高性能保冷剤(コールドストレージボード)を活用する事で、「フィジカル・インターネット」を冷蔵冷凍物流でも実現させる事ができます。小型コールドストレージと貨客混載輸送や既存の物流を活用した多温度帯輸送による物流効率化によって、物流コストを抑えるとともに、カーボンニュートラルを意識した自然環境にも社会環境にも優しい物流を実現します。

3)コールドストレージのポータブル化・オフグリッド化

最後の課題は、「どこでも」冷蔵冷凍を可能にすること。そこで、乗用車で牽引ができ、100vの家庭用電源で使える冷蔵冷凍トレーラー(コールドストレージボックスポータブル)を開発(意匠権取得 第1730009号)。生産現場から消費地・野外イベントまで、これまで冷蔵・冷凍保管が不可能とされた場所でも冷蔵冷凍保管が可能になります。また、オフグリッドタイプを開発したことで、発展途上国や日本国内でも中山間地域や離島、あるいは災害時等、無電源時・地域 においても食品や薬品の冷蔵冷凍を維持できます。

Coldstorage Box Portable小型タイプ(牽引免許不要)

Coldstorage Box Portable 中型タイプ

日本初 オフグリッドタイプ・Coldstorage Box Portable

■ ルワンダ、おせち料理、野外フェス…具体的活用事例

 

①ルワンダ Kivucoldgroupとして

 2019年に横浜で開催されたTICAD7のビジネス展示会に出展した事で、ルワンダ側の有力者と交流を持つ事ができました。ルワンダ国内での小型冷蔵・冷凍保管場所の確保の必要性、特に収穫後に廃棄される野菜の量が生産される野菜の半分以上(ポストハーベストロスは約7割程度)という現状を知る事で改めてコールドストレージの重要性を認識させられることとなりました。

 ルワンダ側ではこれまで中古のコンテナを活用した小型冷蔵倉庫の検討はされていたが、コンプレッサー方式の為電力が安定せず、太陽光パネルのみでは運用させる事ができず、必要性が分かっているのに解決策がないという状態でした。

それらの問題を解決する為、消費電力が低く太陽光とバッテリーでも運用が可能なスターリングエンジンの技術を活用したコンテナ型の冷蔵・冷凍保管を開発し、実証実験を経て2019年に現地に当社も一部出資を行いKivucoldgroupを設立させました。そして資金調達を実施し、2021年12月キガリ市内に世界初(当社調べ)となるオフグリッド冷蔵・冷凍コールドストレージ(Mofresh Box)を設置させるに至りました。

×

〈Kivucoldgroup 紹介動画〉

キガリ市内での竣工式の様子

キガリ市内設置 オフグリッド冷蔵冷凍コンテナ(MofreshBox)

②おせち料理・屋外イベント会場での活用事例

 小型で移動が容易なコールドストレージボックスは、これまで冷蔵保管が難しい場所でも自前の冷蔵・冷凍倉庫として活用する事ができます。

 大手弁当製造会社や東京都内の一流レストランにおいて、年末年始のおせち料理の食材保管、完成品の保管場所としてレストランの駐車場に冷凍トレーラを設置する事で、自前の冷蔵保管場所の確保を実現させる事ができました。

 また、新宿御苑や川崎市などで開催された屋外のイベント会場でも活用実績がああり、これらイベントではこれまで扱う事が難しかった会場内での冷凍食品の保管ができたり、容易に冷蔵場所を確保できる事で扱う食品の多様化(アイスクリーム・生ビールなど)も実現させる事ができました。

 従来このような場所での冷蔵保管は冷凍トラックの荷台などを活用して保管を行っていましたが、冷却方法がトラックに搭載されたコンプレッサーを活用するため常時エンジンを使う必要があり、ガソリンの消費や近隣への騒音や匂いなどの問題があり、使用者としてはやむを得ず活用していたと言える状況であったが、代替手段がない状態でした。

コールドストレージボックスポータブルを活用する事で、作業の効率化を実現しただけでなく、コストの低減と近隣への迷惑の解消などを実現させることができました。

イベント会場での活用事例(新宿御苑)

③避難所などでの活用事例

国内で昨今頻発している地震などが発生した場合、大量の人が学校などの指定避難所に集まります。

電源の回復も不明な状態で使用できる当社のコールドストレージボックスポータブルを自治体と防災協定と結んでおくことによって、そのような時でも乗用車で牽引して、最速で現地へ輸送し必要な場所で冷蔵・冷凍の保管を実現することができます。

避難所ではコールドストレージがある事で、冷凍食品の保管や腐ってしまう可能性がある食材の冷蔵・冷凍保管ができる事となるため、避難所で生活する人々の食中毒の不安を減少させる事ができます。また、生ごみ等も大量発生する事が考えられることから、生ごみを冷凍保管させる事によって、それらが収集されるまでの間そこから発生する匂いを抑える事ができます。これらはこれまで不可能とされてきた避難所に集まった人々のその場でのQOLを劇的に向上させる一助となると言えます。

もちろん防災協定を結んだトレーラは、平時の際においては道の駅や飲食店などでの冷凍保管場所として十分に活用する事ができる。つまり、平時の際に活用をしている機材が災害時にも有効的に使える事となり、トレーラを保有する企業や団体の社会貢献にも大いにつながると考えている。

避難所での活用事例(参考画像)

④物流効率化の事例

昨今取り上げられている物流2024年問題に直面してドライバー不足、輸送できる範囲が小さくなる事が問題となっています。コンビニや飲食チェーン店などにおいては、特に冷蔵・冷凍品の輸送回数を減らすなど実務的にも影響が出始めています。

コールドストレージボックスを活用する事で簡単に店舗などでの冷蔵・冷凍保管の容量をこれまで以上に増やす事が可能となります。この事によって店舗への一度の輸送で配送する事ができる商品の量を増やし輸送回数の削減と輸送距離の削減を実現する事ができます。この事は製品輸送に関わるコスト削減の効果があるだけでなく、CO2削減にも貢献する事ができ、コンビニや流通事業者が現在抱える諸問題の解決を実現させる一つの方策となると考えています。

(今後の展望)

 当社では現在国内外におけるコールドストレージボックスの販売代理店を募集しています。各地域でトレーラーやコンテナのメンテナンスを行うだけでなく、より短い期間の利用を希望する利用者に向けたレンタル事業社としてこの事業を一緒に推進していくパートナーを募集しています。

 世界へ活躍の場を広げる事を見据え、国連工業開発機関(UNIDO)サステナブル技術普及プラットフォーム(STePP)にも登録もされる事ができました。

 また、小型である事のメリットを最大限に生かして、鮮度保持機械の導入やIOT機器を搭載する事での庫内の状態の遠隔監視などの機器をオプションとして搭載するした高性能な冷蔵冷凍保管庫を世界に広め、様々な場所、企業ともタイアップをして次世代コールドチェーンを活用する事での社会問題解決のための具体的な事例をこれまで以上のスピードで実現させていこうと考えています。

 物流会社だけでなく、食品製造会社、流通会社などの様々分野の企業と共同で新しい世界を共に創っていくべく事業を推進させていきます。


行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ

PR TIMES STORY

「フグ」をもっと詳しく

「フグ」のニュース

「フグ」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ