家賃33万円のタワマンはコスパがいい…「20歳で資産3億円超」の投資家が考えるお金を稼ぐ"本当の価値"
2025年4月10日(木)16時15分 プレジデント社
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/loveshiba
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■1年で使える金額は「資産の5%まで」
お金を持つと、生活の質を上げることができます。ブランド物に身を包み、広くて立地のいい部屋に住んで、高級な食事ばかり取る……。そして、その後収入が下がってもそんな暮らしを変えられず、破滅の道に進む人もいるでしょう。
とはいえ、稼いだお金は天国に持っていけるわけではありません。それでは、せっかく手に入れたお金を、どう使うのが正解なのでしょうか?
お金を持つ人は全員、お金の“使い方”を振り返る必要があると思います。
僕は、年間に使える金額は「資産の5%まで」と考えています。
というのも、僕の場合、大きな手間のかからないインデックス投資のような手段で増やせる資産収入が、だいたい年利5%だから。つまり、それを上回る額を使えば資産が減っていく可能性が高まるということです。当たり前の考え方ですが、支出が収入を超えたらお金はどんどん減っていきます。そのため、このラインを超えないことが重要です。
現時点(2025年2月)で、僕の資産は約3億2000万円。年間で使える金額は、その5%の1600万円。月換算すると、毎月約130万円が使える金額の上限です。
■電車ではなくタクシーで移動する理由
……と言いつつも、最近は月200万円ほど使ってしまっているのが現実です。
支出の大半を占めているのが、タクシー代と飲み代。お金を持ってからは電車ではなくタクシー移動がメインになりました。移動に労力をかけたくないので、今後もタクシーに乗れる程度の資産は持ち続けたいと考えています。とはいえ、飲み代は明らかに使いすぎ……だから、早急な見直しが必要です。
前に一人暮らしをしていた部屋の家賃は14万円ほどで、東京都内で暮らすには、それなりに妥当な金額でしたが、最近、家賃33万円のタワーマンションに住み始めました。家の質はQOLに直結すると感じ、狭い部屋でストレスをためて無駄遣いをするよりコスパがいいと思ったからです。
■高ければ美味しい、というわけではない
物を買う際にはリセールバリューを意識しています。これは、購入品を再販した際の価値のこと。購入から年数が経過しても価値が下がりにくいものは「リセールバリューが高い」といえます。いつか不要になった際にもできるだけ損をしないようにと考えています。僕は、1000万円の時計を買っても、その時計が1000万円で売れるなら、お金を使ったという感覚にはなりません。
また、食事に関しては「高い=美味しい」というわけではないなと思っています。高級な食事も経験し、一人3万円くらいするコース料理の店にも行ったことがありますが、「こんなもんか」とちょっとがっかりしてしまったくらい。美味しいけれど、普通だなと思いました。
いろいろと経験してみた結果、僕の食の好みは「安くて美味しい」ものだと感じるようになりました。
高いコース料理もマクドナルドも、どちらも「美味しい」ことに変わりはありません。以前、ドナルド・トランプさんとイーロン・マスクさんが、プライベートジェットでマクドナルドのハンバーガーを食べている写真を見たことがあります。僕はそれを見て、どんな立派な人にとっても美味しさに金額は関係ないのだなと思いました。
■高級時計をつけるという体験に価値がある
「投資の神様」と呼ばれるアメリカの投資家、ウォーレン・バフェットさんは、日本円にして20兆円を超える資産を保持しているにもかかわらず、毎朝マクドナルドを食べているそうです。また高級車ではなく、数百万円の大衆車に乗っているとか。この話を聞き、「やっぱりこういう金銭感覚の人が投資で成功するんだな」と思いました。
僕も、どんなにお金を持ったとしても、こういう一般的な感覚は失いたくないと思います。
けれど、だからといって僕は、節約ばかりするのがいいとは思いません。若いときにこそ「体験にお金を使う」べきだと思っています。
たとえば、高級時計の価値は時計そのものだけにあるのではなく、「高級時計をつけてみる」という体験にこそあると思っています。
つけてみた結果、僕の感想は「こんなもんなのか」。高級時計をつけたらもっとワクワクするものだと思っていましたが、実際はそうではありませんでした。
でも、こう思えたのも、「高級時計をつけてみる」という体験にお金を使えたから。だから、やりたいことは、多少お金がかかることでも、どんどんやっていこうと思っています。
写真=iStock.com/Artem Zakharov
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■コスパを追求しないのが本当の贅沢
最近は、体験を求め、月1回以上国内外に旅行に出かけています。1回の旅行にかける金額は平均して20万〜30万円ほど。僕はアパホテルが一番好きなので、宿泊以外の部分にお金をかけるようにしています。
僕は人生をコスパよく生きることが好きですが、実は「コスパの悪いこと」をするのが、本当の贅沢なのではないかとも思っています。
ボーッとして時間を無駄にすることで、時間がたくさんあるということを実感できるし、お金を無駄に使うことで、お金がたくさんあることの豊かさを体感できるのではないかと考えています。
写真=iStock.com/kokouu
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たとえば、子育てには時間もお金もかかるし、自分の自由も制限されます。それでも、親になった人が「こんな感情、経験したことがない」と言うのを聞くと、僕もいつかその感覚を味わってみたいと思います。
お金を持っているからこそ、「コスパの悪いこと」を楽しめる余裕が生まれるのです。
■お金を稼いだ先にある、人生の目的
最終的に、お金は自分が本当にやりたいことを実現するためにあります。
「このお金をどう使えば、自分の人生がもっと面白くなるのか?」と考えることこそが、その人らしい生き方につながるのではないでしょうか。
僕自身、まだ進路を完全に見つけたわけではありません。でも、お金を通じて経験したことのない世界を知り、新しい選択肢を持てるようになりました。
現時点で、僕の目標は20億円貯めること。20億円貯まったら、上場企業を買収することに使いたいと考えています。
上場企業の時価総額でもっとも安い価格帯が10億〜20億円。TOB(株式公開買いつけ)を行う際には、ある程度買収プレミアム(市場価値と買収額の差額)を乗せる必要があるので、20億円あれば、買収が可能な企業があるのではないかという計算です。
ただ、最近、上場企業を買収した経験のある社長さんにお会いしてアドバイスをいただきましたが、上場企業を買うにはお金以外にもさまざまな障壁があって、なかなか難しそうだとも感じています。
■1億円でできることには限りがある
以前まで、僕は「1億円欲しい」と思っていました。1億円あれば、十分な株の元本になると考えていたからです。「1億円を元手にすれば、投資で無限にお金を増やせるんじゃないか」……そう思っていました。
しかし、実際に1億円持ってみて分かったのは、この金額でできることには限りがある、ということです。
もちろん大抵の夢を叶えるための大きなパワーにはなると思います。
でも、僕の「株で無限に稼ぐ」という野望には届きませんでした。1億円持っている人なんてゴロゴロいるので、みんな同じ手法を考えます。そのため、何かいい投資の策を思いついたとしても、実現が難しいのです。
これもまた、実際に体験してみて理解できたことといえます。
上場企業を買収するより、起業したほうが早いんじゃないか? と思う人もいるかもしれません。ただ、今の僕にはゼロイチで事業を生み出すアイデアがありません。
また、何か思いついたとしても、僕一人で実行に移すのはかなり難しいと思います。それならば、自分で起業するより、既存の上場企業でオーナーになるほうが現実的です。僕には事業のアイデアはありませんが、「株主が何をしたら喜ぶか」「どうやったら株価が上がるか」の知見には自信があります。
上場企業に入って、事業自体には口を出さず、資本政策や株価対策に自分の知識とお金をつぎ込む。これが、今の僕が目標にしている「お金の使い方」です。
この夢は、今後変わる可能性もあります。稼ぐことを楽しみつつ、稼いだお金で「人生の目的」を見つける旅を続けていきたいと思います。
■お金を持つメリットはデメリットより大きい
大金を持つと人は悪いほうに変わってしまうとか、堕落するとか、努力しなくなるとか、よくいわれていますよね。お金を持つ=よくないこと、と捉える人も多いようです。
たしかに、僕はお金を持って少し堕落しました。大学も「お金があるから最悪やめても生活できる」と思って休むようになりましたし、以前は歩いていた道もタクシーを使うようになりました。
でも僕は、お金を持って、それ以上に幸せになりました。
その理由は、お金とは「印刷された自由」だから。そして物質的・精神的に自由であることこそ、幸せだと思うからです。
■500万円を持っている状態に意味がある
何かを「やりたい」と思ったとき、僕はお金を理由に諦めることがありません。お金があれば、何かを実現するための道筋をつくるにあたり「お金が足りなくてできない」と悩んだり、「まずは資金を準備して……」と遠回りしたりする必要がない。だから、最短距離で、そして現実性を持って、まっすぐ願望に向き合うことができるのです。
僕は、お金を「持っている」状態にこそ意味があると思っています。
たとえば、500万円持っていたとしても、それを“使い切ってしまった”状態には意味がありません。意味があるのは、お金を持っている状態そのものです。
お金がある状態だからこそ、いつでも食べたいものを食べられるし、行きたいところに行けるし、やりたいことができます。僕は常にお金を持っている状態だから、自由に選択ができるのです。
稼いだお金を使うことには、満足感があります。自分のために贅沢をするのも、誰かを喜ばせるために使うのも、どちらも楽しい。一方で、お金を持ち続けることには安心感があります。資産が増えていくのを見るのも、また一つの楽しみです。
■選択肢を減らさないためにお金が必要
僕がこだわっているのは、「お金を持っている」状態であり続けること。
造船太郎『勝ち目を見抜く力 チャンスに全ベットして18歳で億万長者になった話』(KADOKAWA)
大金を得て、それを使ってラクがしたい、ずっと遊んで暮らしたい……というわけではなく、僕にとっては、いつでも選択できる状態を持続することが重要なのです。
人生のステージや目的が変わるたびに、お金の使い方も変わります。その時々で最高に楽しめる選択ができるように、お金はいつも手元にあるほうがいいのです。
仮に「お金を増やす」というレールがあった場合、そのゴールまで行けたというには、数百億円稼いでも足りないくらいだと思っています。「使っても使ってもなくならない!」というレベルに達した人だけが、このレールのゴールにたどりついたということができるのだと僕は考えています。
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造船太郎(ぞうせんたろう)
投資家
2004年6月27日生まれ。小学5年生から株式投資を開始し、中学生時代にデイトレーダーとして活動。17歳で投資を再開し、18歳で総資産1億円を達成。2024年、医学部在学中にスポーツくじ「MEGA BIG」に2億円以上当せんし、20歳で総資産3億円を超える。
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(投資家 造船太郎)