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「お酒の飲みすぎ」でも「寝不足」でもない…IQを徹夜明けレベルに下げ、判断力がガクンと落ちる"意外な要因"

2025年4月18日(金)18時15分 プレジデント社

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/demaerre

自分らしい人生を送るにはどうすればいいのか。ビジネス書を年間240冊読む豊留菜瑞さんは「大切なのは、己を知ること、本来の力を発揮することの2つだ。当然のことのように思えるが、できない人は多い。最大の要因は『焦り』にある」という——。

※本稿は、豊留菜瑞『忙しさ幻想』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。


■IQが13ポイント低下する


「30歳までに管理職に……」
「35歳までには結婚を……」
「同期に後れを取るわけには……」


私たちの心の中で、絶え間なく響く声。


それが「焦り」です。


写真=iStock.com/demaerre
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/demaerre

シカゴ大学のムッライナタン教授は興味深い研究結果を発表しました。


人は焦りを感じると、なんとIQが13ポイントも低下するというのです。


これは徹夜明けと同じレベルの能力低下です。


焦れば焦るほど、本来の自分ではなくなっていく。


そうして、「理想の未来」と「今の自分」の間にあるギャップが生まれていく。


それが「焦り」を生み出す源なのです。


しかし、よく考えてみてください。その「理想の未来」は、本当にあなたが望んでいるものでしょうか?


それとも、誰かに見せるための「理想」なのでしょうか?


私たちは、知らず知らずのうちに、


同期と比べて、
世間の常識と照らし合わせて、
SNSの投稿を見て、


自分の人生を評価してしまいがちです。


そして、その比較が「焦り」という幻想を生み出すのです。


そうなのです、本書[『忙しさ幻想』(サンマーク出版)]でご紹介してきた「忙しさ幻想」と同様に、「焦り」もまた、私たちの心が作り出した幻想です。


■“焦り”がもたらす悲劇


なぜなら……、


「後れている」という感覚は、誰かと比較することで生まれる幻想であり、
「間に合わない」という不安は、自分で設定した期限による幻想であり、
「取り残される」という恐れは、他人の価値観を自分に押しつけた結果の幻想だからです。


こうした幻想でしかない焦りは、私たちから大切なものを奪っていきます。


本来の自分らしさ。
「今」を楽しむ余裕。
新しいことに挑戦する勇気。
本当にやりたいことを見つける時間。


そして最も痛ましいのは、焦れば焦るほど、かえって前に進めなくなってしまうという現実です。


これを行動経済学では「トンネリング」と呼びます。まるでトンネルの中にいるように、視野が狭くなり、本来の自分の能力を発揮できなくなってしまうのです。


■足りないのは「知識」ではない


「忙しい」という感覚に振り回されない生き方。


それは、「自分を知る」ところから始まります。


私たちの多くは、自分の感情を置き去りにしたまま、毎日を過ごしています。


「これもやらなきゃ」
「あれもやらなきゃ」
「もっと効率よく時間を使わなきゃ」


そうして時間に追われているうちに、自分が本当は何をしたいのか、何を望んでいるのか、その声を聞く余裕さえ失ってしまうのです。


そして、忙しさとは「心が感じるもの」であることはここまで散々、ご紹介してきた通りです。つまり「心」がいまいち定まっていない状態では、忙しさ幻想は強くなるばかりなのです。


私自身、引きこもりだった頃は、その最たる例でした。


「このままじゃいけない」
「自分を変えなきゃ」


そう焦るあまり、次々と本を読み、知識を詰め込みました。


でも、一向に行動に移せない。


知識は増えるのに、何も変わらない。


■コレがすべての停滞の原因だった


そんな自分を責め、さらに追い込んでいく。


時間はあるのに、なんだか忙しく、焦りばかりに襲われる。


その悪循環から、なかなか抜け出せませんでした。


ある時、大きな気づきがありました。


問題は「知識が足りない」ことではなかったのです。


「自分が本当は何を望んでいるのか」


その根本的な部分が、まったくわかっていなかった。それが、すべての停滞の原因だったのです。


自分の感情に正直に向き合い始めてから、不思議な変化が起きました。


日々の選択に迷いが少なくなり、「これで合っている」という確信が持てるようになっていったのです。


「これは本当に自分がやりたいことなのか?」
「この選択は自分を幸せにするのか?」


そんな問いかけができるようになると、おのずと時間の使い方も変わっていきました。


結果として、引きこもりから社会復帰を果たし、今では会社を経営するまでになりました。


この経験から、私は確信しています。


「自分を知る」ことこそが、忙しさ幻想から解放される確かな一歩になるのだと。


では具体的に、どうやって「自分を知る」のか。


その方法を、7つのSTEPでお伝えしていきます。


■自分を知るための7つのSTEP


STEP1:ネガティブな感情と向き合う

まずは、紙でもパソコンでもいいので、あなたの心の中にある「モヤモヤ」をすべて書き出してみましょう。


難しく考える必要はありません。とにかくモヤモヤしていること、うまくいかないと感じていることでOKです。


「今の仕事が合わない」
「もっと自由な時間が欲しい」
「将来が不安」


など、これらのネガティブな感情は、実は大切なメッセージなのです。あなたが本当は何を望んでいるのか、その手がかりが隠されています。


写真=iStock.com/AscentXmedia
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/AscentXmedia
STEP2:問題の核心を見つける

書き出した悩みやモヤモヤを眺めてみると、いくつかの共通点が見えてくるはずです。そこから、「これが解決できれば他も解決できる」という核心的な課題を見つけ出します。


例えば、


「自由な時間が欲しい」「趣味に使えるお金がない」
「資金がなくてやりたいことができない」「生活が苦しい」「将来が不安」


こんなふうにモヤモヤを書き殴ったとします。これらの悩みの共通点は「収入」ですよね。「収入を増やす」ということが、きっと問題の核心なのです。


このように、一見バラバラに見える悩みでも、根本的な原因は意外と似ていることは実に多いです。


STEP3:理想の姿を描く

すべての悩み(今回で言うと「収入」の悩み)から解放された自分は、どんな生活を送っているでしょうか。


できるだけ具体的に思い描いてみましょう。


例)
利便性が高い便利な場所に住める
毎月3万円は趣味に使える
週末は美味しいお店で食事を楽しめる
年に2回は海外旅行に行ける
将来のための貯金も十分にできる
STEP4:動機を深める

なぜ、その理想の姿に惹かれるのか。その理由を掘り下げていきましょう。そうすることで、本当の望みが見えてきます。


「利便性が高い場所に住みたい」→通勤時間を減らして自分の時間を増やしたい
「趣味に使いたい」→自己実現の機会を増やしたい
「貯金をしたい」→将来の不安から解放されたい


つまり、本当の望みは「時間」と「自由」と「安心」かもしれません。


STEP5:必要なスキルを明確にする

STEP3で見つかった理想の姿になるために、どんな能力が必要でしょうか。


できるだけ具体的にリストアップしてみましょう。


例)
専門性の高い資格や技術
効果的なコミュニケーション能力
マネジメントスキル
業界の最新動向を把握する力
数字を読み解く力
STEP6:現在とのギャップを知る

今の自分と理想の自分を比較します。ただし、これは自分を責めるためではなく、成長の道筋を見つけるためです。


例)
今の月収は30万円。これを月収50万円にしたい。
ところが、専門資格は未取得、
マネジメント経験なし、
業界知識は基礎レベル、
数字への苦手意識がある。

このギャップを埋めるために、必要なのは?


まずは資格取得から始める
部署異動でマネジメント経験を積む
業界セミナーに定期的に参加する
STEP7:未来をビビッドに想像する

7つの習慣』(キングベアー出版)の著者、スティーブン・コヴィーは言います。


「すべてのものは二度創造される。まず頭の中で、次に現実に」


頭の中でより具体的に描けたことから、現実になっていきます。


これは何も怪しい話をしているわけではありません。


「なり方」や「やり方」が分かるから、具体的に描けるのです。


そこで、理想の未来をより具体的に思い描くために、「妄想ヒーローインタビュー」という方法をお試しください。



豊留菜瑞『忙しさ幻想』(サンマーク出版)

「夢が叶った今、どんな生活を送っていますか?」
「その瞬間、どんな気持ちでしたか?」
「周りの人はどんな反応を見せましたか?」


このように、未来の自分へのインタビューを想像することで、目標がより鮮明になり、行動の道筋が見えてきます。ただし、この段階で行動できなくてもご安心を。ここから先、行動に移す方法にも触れていきます。


また、これらのSTEPは、一朝一夕に完了するものではありません。


少しずつで大丈夫です。


この「自分を知る」プロセスこそが、「忙しさ幻想」から解放され、本当に意味のある時間を過ごすための第一歩となります。


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豊留 菜瑞(とよどめ・なつみ)
インフルエンサー
1989年生まれ。年間240冊の書籍を読破する、ビジネス書の探究者。読書アカウント集団・BUNDANを運営。代表を務める。読書を通して得た「働き方」や「生き方」の知恵を自身の人生で実践し、複数のフットケアサロンを起業・経営。著書に『忙しさ幻想』(サンマーク出版)がある。
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(インフルエンサー 豊留 菜瑞)

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