人手不足が指摘されるなか、人材派遣業:ヒューマンHDの収益動向に注目
2025年4月18日(金)8時49分 財経新聞
DXハイスクール向けには「STEAM教材パッケージプラン」を展開へ。(画像: ヒューマンホールディングスの発表資料より)
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それぞれについて具体的展開を覗き込んでみる。
<人材関連事業>: 人材派遣(総売上高構成比52.4%)・業務受託(3.1%)・人材紹介(1.5%)。「登録型」事業で、当該期末の派遣労働者登録数は約53万人。職種別売上高は「事務系約49%/CADスタッフ約14%/医療事務約6%」。一般事務が過半数を占めており、女性労働者が約90%。業種別売上高では「建設業界約29%/製造業約17%/医療・福祉など約9%」。
業務受託は案件を一括/期間限定で契約。請負が単発であればフロービジネスだがヒューマンHDでは、自動更新/実質長期契約に力点を置いておりストックビジネスに立ち位置を置いている。
人材紹介はマッチングサイト:建設転職ナビ等を軸に展開している。ちなみに契約額の30%程度が収入となる。
<教育事業>: 社会人教育・全日制教育・児童教育・国際人教育・保育で構成。受講者数等に応じて継続的な売上が発生するストックビジネス。全日制教育は声優・ゲーム・漫画が主要講座で、在校生一人当たりの売上高は130万円。また少子化の流れの中で児童教育はロボット教室などのFC経営を展開、差別化を図っている。国際人教育は増加傾向の在留外国人の日本語教育を、新たな学校開設に象徴的なように積極化している。
<介護事業>: スタッフ不足が指摘される流れの中で、定期面談・定期研修で(デイサービスなど)運営施設の質を高めている。全般的に「収益難」と言われる中で、5.2%増収/1.1%営業増益となっている。
そうした状況下で、ヒューマンHDの収益動向が冒頭に記したように上向きを明らかにしている。今25年3月期も「3.6%増収(993億円)、4.8%営業増益(33億円)」計画に対し第3四半期実績は「749億3400万円、22億4800万円」と着実。人手不足が経済・経営のネックとなる中で、時代に即した事業展開の奏功と捉えることが出来よう。
本稿はトランプ関税の嵐が未だ収まらず、マーケットの方向感に「?」が禁じ得ない中で記している。株価は1500円台前半水準、予想税引き後配当利回り3.4%余・・・