DigitalBlast、宇宙での植物栽培に向け北海道大学 藤田知道研究室との共同研究開始

2024年4月19日(金)11時16分 PR TIMES

擬似的な弱重力環境で植物を栽培、ゲノムレベルでの変化を探る

小型ライフサイエンス実験装置の開発や宇宙産業の活性化・新事業創出をサポートする株式会社DigitalBlast(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:堀口真吾、以下DigitalBlast)は、このたび、北海道大学大学院理学研究院・藤田知道研究室と共同で、火星を模擬した環境下での植物メカニズム研究とその実用化に向けたプロジェクト(テラフォーミング*1プロジェクト)を開始する運びとなりましたので、お知らせいたします。

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■共同研究実施の背景

人工衛星による地球観測や通信、測位サービスの普及や、有人月面探査「アルテミス」計画の実施など世界的に宇宙開発や宇宙ビジネスに対する関心が高まる中、今後数十年の間に一定数の人類が宇宙に長期滞在することも現実的な見通しとなっています。
一方で、現状では宇宙への食料輸送には莫大なコストがかかり、輸送量にも制限があるため、国際宇宙ステーション(ISS)など軌道上の拠点や、月・火星といった他惑星で食料を生産するための技術や仕組みの開発が目指されています。
宇宙への参画を模索している民間企業や民間の研究機関も、微小重力あるいは月重力下における植物育成に高い関心を寄せていますが、微小重力下での植物生理実験は、2008年のISSの日本実験棟「きぼう」運用開始以来の16年間で12テーマしか行われておらず、またその多くが発芽期あるいは幼植物体での実験で、植物育成と重力との関係性理解は非常に限定的です。
そのため、DigitalBlastでは、宇宙での食料生産につながる植物栽培に必要な基礎的知見を得るため、長年にわたり植物の発生や環境応答に関する研究を行い、宇宙実験実施の経験をもつ北海道大学大学院理学研究院・藤田知道研究室と共同研究を行うこととなりました。


■共同研究のテーマと内容

〈テーマ〉
月と火星を模擬した疑似弱重力下でのヒメツリガネゴケの細胞レベルおよび個体レベルにおける重力応答メカニズム解明にむけて

〈研究の目的〉
疑似弱重力環境を生成して植物を栽培することにより成長制御の鍵となる新規な遺伝子群を見出し、その制御網を解析することで、重力による成長調節がどのような分子機構により制御されるのかを明らかにします。そして、植物の重力応答統御システムの全貌解明に迫ることを目的とします。

〈研究内容〉
月や火星などの地球外環境は1Gよりも小さな重力環境にありますが、これまでの過重力栽培実験や、ISSの日本実験棟「きぼう」船内を利用した微小重力(μG)宇宙栽培実験によって、重力の大きさに応じて光合成活性や成長量(バイオマス)を増加させる可能性のある転写因子の存在が明らかにされつつあります。
本研究では、新しい3D-クリノスタット*2制御技術を開発することで、月の重力である1/6Gあるいは火星の重力である1/3Gに相当する偏差を生じさせてこれらの転写因子の機能や作用機序を詳細に調べ、その分子制御機構を解明し、月面での農業活動における植物への影響の評価に取り組みます。

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テラフォーミングによって苔の定着が進み、人類の活動が始まった火星のイメージ画像

[画像3: https://prtimes.jp/i/51518/56/resize/d51518-56-c26c526cbb596a64254a-1.jpg ]

テラフォーミングの技術は砂漠の緑化など、
地球上の環境問題解決にも転用できる可能性をもつ

〈共同研究を行う北海道大学・藤田知道教授について〉
藤田 知道
北海道大学大学院理学研究院 教授
1988年早稲田大学教育学部理学科生物学専修卒業、1990年東京大学理学系研究科相関理化学専攻(修士課程)修了、1993年東京大学理学系研究科相関理化学専攻(博士課程)修了。国立予防衛生研究所(現 国立感染症研究所)、米パデュー大学、京都大学等を経て、2016年より現職。
植物学の研究を進める中で宇宙における植物の生育も研究。特に強いストレス耐性をもつコケ植物を活用した地球や他惑星の緑化を目指した研究を進めている。


■今後の展望

本研究により、弱重力環境における植物の応答をゲノムレベルで明らかにすることで、将来的に人類が月や火星といった地球以外の惑星で食料となる植物を栽培する際に必要となる基礎的知見を得ることを目指します。
また、最終的にはこの遺伝子制御系を人為的に操作することで、地上1Gや宇宙空間でのμG(宇宙ステーション内)、弱重力(月面1/6G、火星1/3G)で成長が促進される植物を開発することも視野に入れています。
さらに、本研究が研究者および民間企業の興味・関心を喚起しISS・「きぼう」の民間利用ニーズを高めることで宇宙植物学が進展し、将来的には、火星環境下での植物育成(テラフォーミング)まで発展することも期待しています。

*1 テラフォーミング:地球以外の天体の環境を人類の生存に適した環境に改変することを指す。環境改変の技術は地上の緑化など、地球環境問題の解決に活かすこともできるとされている。

*2 3D-クリノスタット:3次元的な回転により連続的に重力の方向を変化させることで、重力環境を変化させる装置。回転軌道を変えることで、擬似的に微小重力(μG)など任意の重力環境を作り出すことができる。


■株式会社DigitalBlast(デジタルブラスト)について

国際宇宙ステーションでの活動実績にみられるように、重力の制約を受けず自然対流や沈殿などの現象を排除できる軌道上では、効率的かつ高品質な材料や創薬研究、バイオプリント臓器や光ファイバーケーブル、半導体製造などが可能であることが知られています。
弊社では、このような特徴を活かした地球軌道上での研究開発、材料開発、創薬、製造などを実現する軌道上R&D / 製造プラットフォーム事業を展開しています。さらに、宇宙環境や他の惑星(月、火星等)に人類が住める環境(テラフォーミング事業)の開発を推進しています。
DigitalBlastは、“宇宙に価値を”提供するため、常に挑戦し、宇宙産業の変革を実現していきます。

会社名:株式会社DigitalBlast(英文表記:DigitalBlast, Inc.)
所在地:〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-105 神保町三井ビルディング19階
代表者:代表取締役CEO 堀口真吾
設立:2018年12月
ホームページ:https://digitalblast.co.jp/
事業内容:宇宙開発事業
関連会社:株式会社DigitalBlast Consulting

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