浮気される女性は、なぜ次の彼氏にも浮気されるのか…「見る目がないから」ではない、幸せを掴む女性との違い

2025年4月20日(日)18時15分 プレジデント社

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/simpson33

自分を変えるにはどうすればいいのか。日本認知科学コーチング協会代表理事の村岡大樹さんは「人間は『無自覚な信念』に基づいて行動している。そのため、『変わりたい』と意識するだけでなく、『信念』から書き換えていく必要がある」という——。

※本稿は、村岡大樹『自分の変え方』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。


写真=iStock.com/simpson33
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■無自覚な「信念」が、日々の決断を左右する


無意識とは、自覚しないまま心の中に存在する精神現象や思考、感情のことです。


その無意識の中に存在するものの1つに、「信念」というものがあります。


この信念は、あなたの日々の意思決定に非常に大きな影響を与えています。


信念は、認知科学の世界で「ビリーフ(belief)」と呼ばれています。


日本語では「信念を貫く」などの形で使われるため、自分で信じようと決めたもののように捉えられがちですが、ここではその信念とは違う意味合いになります。


「信念・ビリーフ」とは、自分でも気づかずに思い込んでいること、無意識的に信じていること、価値観、パラダイムといった意味で使われます。


よく耳にする「認知バイアス」などもここに含まれます。


例えば、外国人の友人とあなたが、日本の知り合いの家に遊びに行ったとき、外国人の友人がいきなり土足のまま家に上がり込んでしまったら、あなたは驚いたり、慌てたり、怒って注意するかもしれません。


■1人ひとりの「当たり前」や「常識」は異なる


なぜあなたは、このような行動をするのでしょうか?


それはあなたの無意識の中に「家には靴を脱いで上がる」という信念があるからです。


一方、外国人の友人には「家には靴を脱がず土足のまま入る」という信念があるため、当たり前のように土足のまま家に上がってしまったのです。


他にも、男の子がピンクのランドセルを背負っているのを見て驚いたとしたら、あなたの中に「ピンクは女の子の色」という信念があるということでしょう。


少々熱があっても会社に行こうとするならば、あなたの中に「熱くらいで会社を休むのはありえない」という信念があり、お腹がいっぱいでも昼食や夕食を食べきろうとするならば、あなたの中に「ご飯を残してはいけない」という信念があるということです。


また、中国・朝鮮半島や東南アジアなどでは犬を食べる文化がありますが、犬を食べると聞いて、あなたはどんな感情が湧くでしょうか。


これらの事例からもわかるように、信念は、1人ひとりの「当たり前」や「常識」に深くつながっているのです。


■「親との関係性」が大きく影響する


無意識の中にある信念は、生まれてから21歳くらいまでに形成され、その後は強化されていきます。


他者とどうコミュニケーションを取ればうまく生きていけるのかを習得し、脳の消費エネルギーを抑えて、効率良く意思決定できるような神経回路を作る作業が、0歳から21歳頃までの間に行われるのです。


その人の信念に非常に大きな影響を与える要素の1つが、親との関係性です。


例えば、生まれたときに親があまり抱っこをしてくれなかった、目を合わせてくれなかった、「お前なんか産まなきゃよかった」と言われた……などの経験があると、「自分は生きている価値がない」という思考が、その人の信念に組み込まれてしまいます。


そうなると、「自分には価値がないから、何かしらで人の役に立たないといけない」という考え方に発展し、実際そういった行動を取ったりするようになります。


事例をご紹介しましょう。


私のクライアントの中に「居酒屋さんなどに行くと、周りの人におしぼりやお箸を配ったり、空いたグラスを下げたり、そういった行動をずっとやり続けてしまうんです」と話す女性がいました。


写真=iStock.com/Yuya Kimoto
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Yuya Kimoto

■どんな自分でいれば「愛情をもらえるか」


話を聞いていくと、彼女は「何もできない自分には価値がない」という信念を持っていました。


また、家族における立ち位置も、信念に大きな影響を与えます。


例えば、お兄さんはサッカーが得意で、親からとても褒められていたとします。


そのとき、弟はどう感じるでしょうか。


「兄がサッカーを頑張るなら自分は勉強を頑張ろう」と思うのか、「兄がサッカーをやって愛されているなら自分もサッカーをやろう」と思うのか。


このような経験を踏まえ、どんな自分でいれば「親から愛情をもらう」ことができるのかという信念を形成していきます。


そして、その信念を持って社会に出ていくのです。


親や家族など、自分にとっての庇護者(自分を守ってくれる存在)や権威者(権限を持っている存在)の言動は、信念の形成に大きな影響を与えます。


そのため、親以外の庇護者である、保育園や幼稚園、小中学校の先生、あるいは習い事の先生やスポーツクラブの監督、コーチの影響も大きいと言えるでしょう。


■成果を出しても満たされないワケ


読者のみなさんがより具体的にイメージしやすいよう、私のクライアントの方の事例をいくつかご紹介します。


・お母さんに「ピアノの演奏会でこの曲をやってほしいな」と言われたけれど、発表会の当日、自分の弾きたかった曲を弾いたら、お母さんがとてもがっかりした顔をしたという体験をし、その後は「お母さんの望む私でいなければならない」という信念を持つようになった。


・小学校時代に野球をやっていたが、大事な試合でエラーをしてしまった際、監督に「馬鹿野郎‼ お前のせいで負けたんだ‼」と怒鳴られてから、人生の大事な場面で勝負することができなくなってしまった。


・小学校時代から、勉強で成果が出たときは親が褒めてくれたが、勉強ができないととても厳しく怒られた。「成果が出せない自分には価値がない」という信念が形成され、大学受験や就活のときも頑張って成果を出してきた。しかし満たされることはない。成果が出せなくなれば、自分の価値がなくなってしまう気がして、走り続けなければならないという思いにとらわれている。


いかがでしょうか?


庇護者の言動は、それぞれの人の中に形成される信念や、後々の人生に大きな影響を及ぼしていることがわかってきたと思います。


■なぜDV男とばかり恋愛してしまうのか


信念は非常に強固で、人間の選択・行動を強烈に支配します。


そんな信念のパワーが発揮されている事例の1つが、「DVや浮気癖のある男性とばかり恋愛してしまう女性」です。


当事者と関係ない人からすれば、「なぜ暴力を振るったり浮気をするような男と何度も付き合ってしまうんだ! そんな男と付き合うなよ!」と不思議に思ったりしませんか?


そこには、その女性の信念が強く作用していることが多いのです。


信念の形成要因は人それぞれ異なるものですが、例えば「女性が幼い頃、義理の父、女性が懐かないので暴力を振るっていた。その経験から、『自分は男性に殴られることで母の興味を引く』『男性は暴力を振るう存在だ』という信念、『自分は価値がない女』という信念が形成されてしまった」とします。


その場合、DVを受けている女性が無意識のうちに「DV男と付き合うことが自分にとってのコンフォートゾーン」と思い込んでいる可能性があるのです。


■余裕がなく感情が露わになったときは「チャンス」


その場合、有意識でやめようと思っても、無意識のパターンに抗うことは難しく、脳は無意識的に信じたとおりに行動を実行してしまうのです。


信念は、あなたの生活の意思決定に、全方位的に関係しています。


「異性の上司となぜかうまくいかない」といったコミュニケーションの課題も、「いい大学に入って、いい会社に入ったけれど、なぜだか充実感がなくモヤモヤしている」といった世間体を気にしてきた末の悩みも、実はあなたの信念によって生じています。


また信念は、普段は気づきにくいのですが、恋人とのけんかや、仕事で上司に怒られたときなど、余裕がなく感情が露わになったときが認識するチャンスです。


あなたの中で、


「自分が謝れば済むことなのに、素直に謝れない自分がいる」
「怒りに任せて、心にもないことを思わず口走ってしまった」


といった経験があるならば、けんかしたときの自分を「いつもとは違う自分」と捉えるのではなく、「自分でも気づいていなかった無意識の信念の癖が出ている」と捉えた方がいいでしょう。


■「信念→感情→選択・行動→結果」


信念がなぜ私たちの意思決定に大きな影響を与えているのかというと、信じていることを実現するために脳が動いているからです。


今、GOALを設定せずに生きている人は、現状を維持すること自体がGOALとなり、無意識はそれに対して、物事の重要度を定めていきます。


私はよく、「信念→感情→選択・行動→結果」という図を用いて説明しています(図表1参照)。


出所=『自分の変え方』(幻冬舎)

先ほどの「外国人の友人が土足のまま家に上がり込んでしまった」という例をもとに、あらためて考えてみましょう。


私たちは、自分の無意識にある信念を通じて、重要度を定め、選んで取り込んでいます。


もしもあなたに「家には靴を脱いで上がる」という信念が存在しなければ、外国人の友人が土足で上がり込む姿を目にしても、何の感情も起きなかったはずです。


ところが、「家には靴を脱いで上がる」という信念によって、あなたの心の中に「そんなことをしてはダメじゃないか!」という驚きや焦りの感情が芽生えました。


そして、あなたは外国人の友人を引っ張って、玄関まで連れ戻し、靴を脱がせるという行動をとります。


その結果、「家には靴を脱いで上がる」というあなたの信念に則った結果を得ることができるわけです。


このような「信念→感情→選択・行動→結果」のサイクルが常にぐるぐると回っていて、その起点となるのが信念です。


つまり、信念が変わらないということは、あなたの感情も選択・行動も結果も変わらないということです。これが、私たちの癖やパターンを生み出す原因になっています。


■「結果」を大きく変えるには…


あなたが「今の仕事や年収くらいが自分らしい」という信念を持っている限り、あなたは家に帰った途端に解放感に包まれて(感情)、スマホを取り出して動画を流し見て(選択・行動)、「ダラダラする」という信念に沿った結果を獲得し続けるわけです。


今の自己イメージを維持するなら、頑張る必要がないわけですから、あなたの無意識は何も行動を起こさないようにしてくれます。それ以上でもそれ以下でもないのです。



村岡大樹『自分の変え方』(幻冬舎)

逆に言えば、もしもあなたの無意識の信念が書き換わったとしたら、結果も大きく変わります。


あなたが今の生き方の外側にGOALを設定すれば、今の状態でいるのはおかしいわけですから、あなたは家に帰った途端に、今の状態に違和感を覚え(感情)、自分のGOALに対して必要な勉強を開始し(選択・行動)、信念に沿った結果を得るようになるのです。


信念とは、動かしがたい事実ではなく、「自分でも気づかずに思い込んでいること」「自分でも気づかずにすっかり信じ込んでいること」なのですから、正しい方法をマスターすれば、いつからでも書き換えることが可能なのです。


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村岡 大樹(むらおか・だいき)
ミズカラCEO兼エグゼクティブコーチ、日本認知科学コーチング協会代表理事
1987年東京都生まれ。2016年、外資系製薬企業で働いていた際にコーチングと出会う。その後、コーチとして独立するも失敗。2021年にLIMITを設立し、ジム、サウナ、民泊事業を経営(2024年2月事業譲渡)。2022年、GOAL-B(現ミズカラ)に参画し、「キャリアコーチング」「セルフコーチングプログラムREBOOST」を立ち上げる。2023年12月、代表取締役CEOに就任。キャリアコーチングのセッション数は1万件を超え、累計受講者数は3000名を超える。
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(ミズカラCEO兼エグゼクティブコーチ、日本認知科学コーチング協会代表理事 村岡 大樹)

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