「サクセッションプラン」に関するサーベイ結果【2024年度】について
2025年4月23日(水)15時47分 PR TIMES
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:池田 雅一)は、2024年11月にサクセッションプラン(以下、サクセッション)に関するサーベイを実施しました。このほど調査結果を取りまとめましたのでお知らせいたします。
1. 調査趣旨と結果概要
本サーベイは、コーポレートガバナンス・コードや人材版伊藤レポート2.0において重視されている経営人材のサクセッション(後継者計画の策定・実施)に関し、日本企業の取り組み状況を把握することを目的に、2023年度に続いて実施いたしました。
本サーベイのエグゼクティブサマリーは、以下ページ内の「実績のご紹介>2024年度のサーベイ」よりご確認ください。なお、サーベイにご協力いただいた企業には、調査結果全体のレポートを配布いたしました。
■「サクセッションプラン」に関するサーベイ(https://www.murc.jp/succession-planning-survey/)
(1) 調査趣旨
近年いっそう速く激しく変化する経営環境や、コーポレートガバナンス改革の進展、および人的資本経営や開示に関する新たな要請等の下、社長・CEOをはじめとした経営人材サクセッションプランの重要性はますます高まっています。
サクセッションプランはその性質から、短期視点ではなく中長期視点で取り組む必要があるテーマです。それゆえ、自社の将来を見据えていち早く着手し、計画性をもって検討すること、そして、取り組みを進めながらさらなる充実化を図ることが非常に重要といえます。
そこで本サーベイは、日本企業の経営人材サクセッションにおける最新動向を明らかにし、各企業における取り組みや課題解決に活用していただくことを目的に実施しました。さらに、女性役員拡充に向けた取り組みや社長の選解任基準の有無、在任期間などの実態も把握すべく、設問を構成しています。
(2) 調査結果のポイント
回答企業94社のうち、プライム市場上場会社66社の集計値に基づきポイントを解説します。
(なお、無回答や無効な回答を除いて集計しており、設問ごとに有効回答数の差異があります。)
1. 社長候補者の選出や育成の判断基準となる「人材要件」を設定する企業は約6割
サクセッションの実施状況としては人材要件の設定率が最も高く(社長59%、経営陣幹部49%)、次いで後継者候補の選出(社長44%、経営陣幹部49%)、後継者候補に対する育成(社長38%、経営陣幹部44%)の順に高い結果となりました。候補者の選出・育成を進める上では、その判断基準となる人材要件の設定は不可欠であり、人材要件が具体化されることで、候補者選出・育成の取り組みがさらに進展していくことが考えられます【図表1】。
【図表1】 サクセッションの実施状況(社長ポジション・経営陣幹部ポジション)
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/20489/133/20489-133-f3a2b6033853c14a865c5943a7745ced-1502x765.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
2. 社外人材を候補に含める企業は、社長ポジションで26%、経営陣幹部ポジションでは50%
社外人材を社長の後継者候補に含めることについては、26%の企業が「含めている」または「近い将来に含める予定(含むその検討中)」と回答しました。経営陣幹部ポジションの場合、同様の回答は50%であり、社長ポジションと比較すると社外人材を候補としやすい傾向がうかがえました【図表2】。
【図表2】 後継者候補としての社外人材の検討状況(社長ポジション・経営陣幹部ポジション)
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/20489/133/20489-133-d50abc151f2eb7836e17844e11509288-1452x365.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
3. 女性役員の拡充に向けては、「環境整備」への取り組みが目立つ
女性役員の選出・育成上の課題としては、昨年に引き続き、「女性管理職の絶対数の少なさ」(92%)、「役員就任へのモチベーション上の課題」(39%)の順に多い結果となりました。女性役員の拡充に向けた部長クラス(女性)への取り組みとしては、「働く場所や勤務時間の柔軟性などの環境整備」(67%)、「女性向けキャリアセミナー」(32%)の順に多く、役員候補に女性を一定数(割合)含めることやタフアサインメントの優先的な付与は、いずれも10%強にとどまりました。女性役員の拡充に向けては、「環境整備」や「意識付け」に関する取り組みが優先されていることがうかがえました【図表3】。
【図表3】 女性役員を拡充するための取り組み:部長クラス(現在実施)
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/20489/133/20489-133-71661b102d6c6d2b970384d98f5f040f-1483x690.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
4. 指名委員会における課題は、社外取締役との後継者候補に関する情報共有が60%
サクセッションの取り組みにおいて客観性や透明性を高めるためには、指名委員会や社外役員の適切な関与が求められます。指名委員会の課題としては「社外取締役の委員はどうしても候補者に関する情報が足りないため、議論が深まらない」が60%で最多であり、社外取締役が適切な関与を行うための情報共有について課題認識を持っていることが分かりました【図表4】。
【図表4】 指名委員会に関する課題
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/20489/133/20489-133-6962e64903aae3871985ab30d6bfeb0d-1497x692.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
2. 調査概要
[表: https://prtimes.jp/data/corp/20489/table/133_1_e58738a6071ba67a00f12699d7cb9a61.jpg ]
調査回答企業のプロファイル
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/20489/133/20489-133-b0b19443f1e0e7c3b4a60d0325f0d5f9-763x646.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
■クレジット表記について
本調査結果の引用に際しては、必ず下記クレジットを明記してください。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング「『サクセッションプラン』に関するサーベイ結果(2024年度)」