がん集学財団、杏林大学医学部乳腺外科井本滋先生および第一三共株式会社と乳癌の共同研究を開始

2025年4月25日(金)10時47分 PR TIMES

「乳癌の原発部位から転移・再発部位におけるHER2発現のダイナミクスを解析する多機関共同後向きコホート研究」に着手

公益財団法人がん集学的治療研究財団(東京都江東区、会長:藤田 讓・理事長:山岸 久一、以下「がん集学財団」)は、杏林大学医学部乳腺外科の井本滋先生(研究代表者)および第一三共株式会社との共同研究により、「乳癌の原発部位から転移・再発部位におけるHER2発現のダイナミクスを解析する多機関共同後向きコホート研究」(HER2 PRIME study, JFMC52-2401-N1/ENH-DS-24005)を開始いたしましたことを発表します。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/88569/17/88569-17-e303ee6cc68a837d93e72c00711bd86f-1384x803.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
研究の背景と目的
HER2(ヒト上皮成長因子受容体2)は、乳癌の治療方針を決定する重要なバイオマーカーの一つですが、原発腫瘍と転移・再発腫瘍ではHER2のスコアが変化することが知られています。本研究では同一被験者の原発部位と転移再発部位の腫瘍組織検体を収集し、HER2スコアリングを実施してその変化をとらえるとともに、臨床生理学的な背景因子、予後等との関連性を検討することを目的としています。また、遺伝子プロファイリング、タンパク質発現解析を通して、HER2の変動にかかわる要因を分子レベルでも検討いたします。

井本 滋 先生(杏林大学 医学部 乳腺外科 教授)のコメント
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/88569/17/88569-17-503ab8eef7fc425569fae0e8a0c2f2a8-192x206.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]「HER2 PRIME study, JFMC52-2401-N1/ENH-DS-24005)の展望 乳癌はいくつかのタイプに分類されますが、HER2が多く発現している乳がん(HER2陽性乳癌)にはHER2の働きを抑える特定の薬剤が処方され、治療効果を上げてきました。それらの薬剤の中でトラスツマブデルクステカン(T-DXd)は従来効果がないとされてきたHER2低発現の乳がん(HER2-low)、または膜の一部にしかHER2が発現していない乳癌(Ultra-low)に対しても効果を示す可能性が出てきました。



さらに、HER2の発現量は同一患者の中でも変動することも明らかになったことから、HER2発現量とその変動を捉えることは乳がん治療にとって大きな意義があります。是非本試験の結果に注目して頂けたらと思います。

がん集学財団の役割
がん集学財団は、本研究に参加する施設が、倫理指針に則り研究を円滑に進めるための事務局業務を行います。また、統計解析業務を担当してHER2変動のダイナムズムを明らかにするとともに、研究成果の外部発表に貢献いたします。

今後の展望
本研究は、2025年3月より症例登録を開始し、2026年末までに解析を完了いたします。研究成果は、国内外の学会、学術誌への発表され、今後の乳がん治療の進展に貢献いたします。


「がん集学的治療研究財団」概要
基本概要
組織名称:公益財団法人がん集学的治療研究財団
設立日:昭和55年6月23日(厚労省医政局所管の財団法人として設立)
所在地:〒136-0071 東京都江東区亀戸1-38-4 朝日生命江東ビル3階
財団HP:https://www.jfmc.or.jp/
お問い合わせ:https://www.jfmc.or.jp/contact/

組織
役員構成
【会長】藤田 讓 元 朝日生命保険相互会社 社長
【理事長】山岸 久一 京都府立医科大学元学長 名誉教授
【常務理事】桑野 博行 遠賀中間医師会 おかがき病院 地域総合支援センター センター長
【理事】市川 大輔 山梨大学医学部外科学講座第一教室 教授
【理事】井本 滋 杏林大学 医学部 乳腺外科 教授
【理事】宇山 一朗 藤田医科大学先端ロボット・内視鏡手術学 主任教授
【理事】今野 弘之 国立大学法人 浜松医科大学 特別顧問
【理事】三枝 稔 学校法人先端教育機構 特別顧問・評議員
【理事】瀬戸 泰之 国立がん研究センター中央病院 病院長
【理事】谷下 一夫 一般社団法人日本医工ものづくりコモンズ 理事長
【理事】松原 久裕 国立大学法人 千葉大学 名誉教授

監事
杉原 健一 光仁会 第一病院 院長
松本 謙一 サクラグローバルホールディング株式会社 代表取締役会長

評議員
14名

各種委員会 
一般研究選考委員会、臨床試験審査委員会、医療機器委員会、利益相反委員会、財務委員会、データベース事業支援委員会、広報委員会

事業内容
臨床試験関連事業
患者様に負担の少ない治療法を選択すべく、50を越える臨床研究を実施し、その成果は治療ガイドラインに記載されるなど、現実の治療に生かされてきた。

一般研究助成事業
がんの集学的治療や医療機器に関する研究を選抜し、研究資金を助成。

データベース事業
過去の大腸癌7試験についてデータベース化し、解析研究を実施。

医療機器事業
市販後調査、試作品評価の他、講演会・交流の場の提供を行うなど開発支援も実施。

講座・講演会事業
出版物の発行(一般研究助成事業成果報告書/JFMC機関誌 等)、市民公開講座の実施。
上記の他、今回、新たに幹細胞を用いた認知症・難病治療をサポートする事業を開始。

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