テスラ取締役会、マスク氏の後任CEO選定に着手…マスク氏の言動で業績低迷が背景か
2025年5月1日(木)10時48分 読売新聞
エアフォース・ワンに乗り込むイーロン・マスク氏(3月22日)=ロイター
【ニューヨーク=小林泰裕】米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは4月30日、米電気自動車(EV)大手テスラの取締役会が、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の後任の選定に着手したと報じた。トランプ政権で高官を務めるマスク氏の言動がテスラのブランドイメージを傷つけ、業績が低迷していることが背景にあるとみられる。
報道によれば、取締役会は約1か月前にマスク氏の後任探しに着手した。テスラの取締役会はマスク氏を含め8人で構成される。マスク氏は2008年からテスラのCEOを務め、テスラを時価総額で世界最大の自動車会社に成長させた。
トランプ政権で「政府効率化省(DOGE)」のトップを務めるマスク氏は欧州で政治家を公然と批判して反感を買ったほか、DOGEが米政府機関の人員削減を強引に進めたことで米国でも不満が高まった。
テスラが4月22日に発表した25年1〜3月期決算は大幅な減収減益となり、売上高が前年同期比9%減の193億3500万ドル(約2・8兆円)、最終利益は71%減の4億900万ドルだった。米欧を中心にテスラに対する不買運動や抗議活動が広がったことが響いた。
マスク氏は22日のテスラの決算説明会で「5月からDOGEでの活動時間を大幅に減らす」と述べ、テスラの経営に専念する方針を表明していた。