リンナイをガス器具大手に押し上げた、「堅実な立ち位置徹底」と「運も味方に」
2025年5月4日(日)15時50分 財経新聞
リンナイ(5947、東証&名証プライム市場)。給湯器や厨房製品を軸に、ガス器具大手。
【こちらも】特殊土木で秀でたライト工業は、中計達成・新中計期待で中期構えが賢明か
2021年3月期に創業100周年記念配を含む、125円配を実施。過去4期間の収益動向、そして今期計画を知ると、IFIS目標平均株価が算出者7人中5人強気/1人がやや強気/1人は中立姿勢で4261円と、本稿作成中の株価を1000円余上回っている点も頷ける。
今期計画を含む5期間の平均増収率は5.9%、同営業増益率6.2%と文字通り着実。自社株買い・消却、株式分割なども積極的。後者で見ると今期計画に至る過程で1対3の株式分割実施し21年3月期の記念配含み125円配は、今期予想80円配(実質240円配)となっている。好財務を背景に、株主にも優しい姿勢を執り続けている。
今日に至るリンナイの歴史は「立ち位置の堅実」、「運にも恵まれた」面も否定できない。
前者で言えば、斯界のライバル:パロマとの逆転劇に顕著。
2000年代初めまで、リンナイは業界2位で推移してきた。パロマは業界トップの立場を活かし、当然の如く積極的な営業活動に軸足を置き続けてきた。対してリンナイは「技術開発」に徹し、営業競争に足場を求めなかった。
そうした流れの中で2006年に詳細は省くが、パロマに湯沸かし器に絡む不祥事が発現した。当時「リンナイにも風評被害のマイナスが、不買運動といった形で飛び火するのではないか」という状況が懸念された。が杞憂に終わった。
リンナイはこれを機に、市場シェアを拡大する結果となった。後に「営業戦争に身を置かずに技術力(開発)に徹したことが幸いした」と評価された。
後者では、パロマの不祥事との関連こそは語られていないが、斯界のもう1社の大手が2007年に製販から撤退した。旧松下電器(現パナソニック)である。その分もリンナイのシェアアップに寄与する結果となった。
無論2006年〜2007年の出来事だけで、リンナイの今日を云々するつもりはない。評価すべき点は多々ある。
例えば海外展開。今3月期のリンナイは第3四半期で計画比「売上高74%(3323億1900万円)、営業利益78%(350億5500万円)」を積み重ねているが、海外の売上高は「アメリカ:前年同期比14.7%増収(477億3300万円)/オーストラリア:15.2%増収(261億2900万円)/中国:4.3%減収(448億4400万円)/韓国:12.6%増収(247億4700万円)/インドネシア:8.8%増収(130億4100万円)」まで上昇している。
時価は3210円台出入り、予想税引き後配当利回り2%水準。4月7日の年初来安値2993円から戻り基調入りしている。
【こちらも】特殊土木で秀でたライト工業は、中計達成・新中計期待で中期構えが賢明か
2021年3月期に創業100周年記念配を含む、125円配を実施。過去4期間の収益動向、そして今期計画を知ると、IFIS目標平均株価が算出者7人中5人強気/1人がやや強気/1人は中立姿勢で4261円と、本稿作成中の株価を1000円余上回っている点も頷ける。
今期計画を含む5期間の平均増収率は5.9%、同営業増益率6.2%と文字通り着実。自社株買い・消却、株式分割なども積極的。後者で見ると今期計画に至る過程で1対3の株式分割実施し21年3月期の記念配含み125円配は、今期予想80円配(実質240円配)となっている。好財務を背景に、株主にも優しい姿勢を執り続けている。
今日に至るリンナイの歴史は「立ち位置の堅実」、「運にも恵まれた」面も否定できない。
前者で言えば、斯界のライバル:パロマとの逆転劇に顕著。
2000年代初めまで、リンナイは業界2位で推移してきた。パロマは業界トップの立場を活かし、当然の如く積極的な営業活動に軸足を置き続けてきた。対してリンナイは「技術開発」に徹し、営業競争に足場を求めなかった。
そうした流れの中で2006年に詳細は省くが、パロマに湯沸かし器に絡む不祥事が発現した。当時「リンナイにも風評被害のマイナスが、不買運動といった形で飛び火するのではないか」という状況が懸念された。が杞憂に終わった。
リンナイはこれを機に、市場シェアを拡大する結果となった。後に「営業戦争に身を置かずに技術力(開発)に徹したことが幸いした」と評価された。
後者では、パロマの不祥事との関連こそは語られていないが、斯界のもう1社の大手が2007年に製販から撤退した。旧松下電器(現パナソニック)である。その分もリンナイのシェアアップに寄与する結果となった。
無論2006年〜2007年の出来事だけで、リンナイの今日を云々するつもりはない。評価すべき点は多々ある。
例えば海外展開。今3月期のリンナイは第3四半期で計画比「売上高74%(3323億1900万円)、営業利益78%(350億5500万円)」を積み重ねているが、海外の売上高は「アメリカ:前年同期比14.7%増収(477億3300万円)/オーストラリア:15.2%増収(261億2900万円)/中国:4.3%減収(448億4400万円)/韓国:12.6%増収(247億4700万円)/インドネシア:8.8%増収(130億4100万円)」まで上昇している。
時価は3210円台出入り、予想税引き後配当利回り2%水準。4月7日の年初来安値2993円から戻り基調入りしている。