会った瞬間に相手の長所を7つ見つけられるか…「話していて気分がいい人」がしている「積極的傾聴」3要素

2024年5月17日(金)15時15分 プレジデント社

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/AJ_Watt

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また会いたいと思われる人は何をしているか。カウンセラーの藤本梨恵子さんは「ビジネスや恋愛がうまくいくためには、あなたと会話する前よりした後のほうが相手の気分がよくなることが重要だ。そのためには、コーチング等のプロが使う3つの『積極的傾聴』が役に立つだろう」という——。

※本稿は、藤本梨恵子『なぜか惹かれる人の話し方 100の習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。


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■あらゆる人々の関心事はいつも「自分自身」


会話で大切なのは「誰しも最大の関心事は自分自身である」という原則を忘れないことです。地球の裏側で大事件が起こっても、自分の虫歯の痛みのほうが気になるのです。


次の例は、噛み合わない会話の典型です。


娘「やっと退院できたけど、手術痕が痛くて、夜も眠れないの」
母「私、昨日から小指にササクレができちゃって、痛くって……」
娘「……」


2人の症状で重症度が高いのは娘のほうです。しかし、母親にとっては自分のササクレのほうが、よほど関心が高いのです。


もし母親から「大丈夫?」のひと言があれば、娘も共感されたと感じ、会話が続いたはずです。人には、他者から何かもらうとお返しをしたくなる「返報性の法則」があるからです。


世界的ベストセラー『人を動かす』の著者デール・カーネギーも「相手はあなたに持つ興味の100倍自分のことに興味を持っている」と言っています。


自分の話ばかりする人は、相手にまずい料理を出しているようなものです。


ここで、勘違いする人は「どんな相手にも対応できる話題を集めなくては!」と情報通を目指します。これは、相手好みの料理を作るために大量の食材を冷蔵庫にストックするようなものです。いざ振る舞うと、相手の口に合わないことも多いのです。


■「愚痴」「悪口」「自慢」は避けたほうが無難


会話も同じです。相手の関心事やよく話題にすることを覚えておき、それを話題にするだけでいいのです。すると、初対面でもムリせず話が広がります。


会食ではクセが強い「パクチー」「レバー」等は避けるように、敬遠されがちな「愚痴」「悪口」「自慢」は避けたほうが無難です。


次の3点を意識するだけで、相手が美味しいと感じる話題になる確率が上がります。


・相手の関心事を話題にする
・愚痴や悪口を言わない
・自慢をしない


あなたの話が美味しくなれば、相手は最後まで残さず聞いてくれるはずです。


■家庭料理のような会話を目指す


人は、どんな人にまた会いたいと思い、どんなときに買い物をするのでしょうか?


人は、「気分をよくしてくれる人」にまた会いたいと思い、「気分がいいとき」に買い物をします。


だから、ビジネスや恋愛がうまくいくためには、あなたと会話する前より、した後のほうが相手の気分がよくなることが重要です。


かと言って、感動的なスピーチは必要ありません。それは、料理でたとえるなら高級料理をマスターするようなものです。


それよりも、手軽に作れる家庭料理を習得したほうが、毎日、健康的な食事ができます。会話で言えば、手軽に、相手の気分がよくなる会話です。


コーチング等のプロが使う「積極的傾聴」の次の3つを意識することが大切です。


①相手の価値観を尊重し、自分の価値観を押しつけない(受容+共感)
②相手の関心事に関心を払う(傾聴+質問)
③相手を承認する(ほ・ね・み=褒める・労う・認める)


写真=iStock.com/chachamal
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③の承認については、コーチングでは「会った瞬間から相手の良いところを7つぐらい見つけましょう」といわれます。


長所を見つけようと意識することで「笑顔が素敵」「優しい人だな」などと相手の長所を発見することができるのです。


■長所を見つけることで相手も嬉しくなる


長所を見つけて相手を承認すると、会話が弾み、信頼関係も深まります。


お客様「最近、忙しくて寝不足が続いていて……」
営業「お忙しいのですね。寝不足でお身体大丈夫ですか?」(関心+労い)
お客様「ありがとうございます。昼休みに仮眠をとって、なんとか凌いでます」
営業「仕事はできる方に集中するので、無理しないでくださいね」(長所+労い)
お客様「いえいえ、要領が悪いだけです(笑)」


というように、会話の中で、相手が“頑張っている点はないか”“長所が発揮されているところがないか”“わかってもらいたい気持ちは何か”を意識しながら質問し、承認すれば、相手はあなたのことを「自分を理解してくれる人だ」と感じます。


■服装で好印象を与える


好印象を与えられるかどうかは、実は話す前から決まっています。


私は婚活セミナーの講師も担当していましたが、モテない人は、相手と話す機会さえあれば恋愛につながると思っています。


しかし、穴だらけのバケツで水を汲んでも徒労に終わるように、服装を整えずに出会いの場に出かけても、恋は実りません。


「ありのままの自分を見てほしい」という声をよく聞きますが、外見で門前払いをくらってしまうこともあります。


性格という内面はわかりづらいのです。見た目で服装が古い、ダサイ、サイズが合っていないといったことはすぐにわかり、好感を持ってもらえません。


外見を整えていないと、話を聞いてもらうことさえ難しいのです。


でも、性格を変えるのは難しくても、服装は今すぐ変えられます。


アメリカのプリンストン大学の研究では、服装が貧相に見える人より、裕福に見える人のほうが「能力が高く見える」「優秀に見える」という結果が出ています。


つまり、話し出す前から、外見で話の信憑性が変わるのです。


猫寺として知られる福井の御誕生寺の住職で、曹洞宗管長も務めた高僧、故板橋興宗氏の座禅会に参加した際、「お坊さんは丸坊主で袈裟でお経を詠むから、みなさん、ありがたがってくださるのです」とおっしゃっていました。



藤本梨恵子『なぜか惹かれる人の話し方 100の習慣』(明日香出版社)

仏教では放っておくと生えてくる髪の毛は、いくらでも生まれる煩悩の象徴であり、頭を丸めることは煩悩を手放し、悟りを開くための第一歩とされます。


その僧侶としての在り方を剃髪から自然と感じ取るからこそ、私たちはありがたく思うのではないでしょうか?


ビジネスの集まりであれば、スーツで参加するほうが信頼されます。


相手や場所に合わせた服装選びは、相手に対して服装で敬意を払うことなのです。


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藤本 梨恵子(ふじもと・りえこ)
ファイン・メンタルカラー研究所代表
NLP心理学を中心にコーチング、カウンセリング、マインドフル瞑想などの手法を習得し統合。その手法を生かし、キャリアカウンセラー・講師として独立。各企業・大学・公共機関の講演の登壇数は2000回を超え、婚活から就活まで相談者数は1万人を超えている。コーチング、パーソナルカラー、カラーセラピスト、骨格診断ファッションアナリスト等のプロ養成講座の卒業生は500人を超え、個人診断においては1000人を超える。著書に『いつもよりラクに生きられる50の習慣』(かんき出版)などがある。
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(ファイン・メンタルカラー研究所代表 藤本 梨恵子)

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