トヨタGR86、スバルBRZ、マツダロードスター 世界的にも優れたスポーツカーは日本にあり
2025年5月18日(日)13時0分 J-CASTニュース
スポーツカーというと独身の若者が乗るイメージが強いかもしれないが、子どもが成人して独立し、夫婦二人になったシニアこそ、スポーツカーがふさわしいともいえる。
スポーツカーとは、単なる移動手段ではなく、運転やスタイル、雰囲気を楽しむためのクルマだ。実用品というよりも嗜好品に近い。多くは2シーターか2プラス2だ。2プラス2とは合法的に4人乗れるが、フロントシートが中心で、リヤシートは無理すれば大人も乗れるというものだ。
低くて安定したコーナリングがたまらない
昨今は世界的にSUVが全盛だが、SUVは重心と最低地上高が高い。キャンプやスキーでラフロードや雪道を走るのは得意だが、スポーツカーのように低く安定したコーナリングは望めない。
運転を楽しむための嗜好品としてスポーツカーをとらえるなら、お薦めはFF(フロントエンジン・フロントドライブ=前輪駆動)よりも、FR(フロントエンジン・リヤドライブ=後輪駆動)かAWD(オールホイールドライブ=全輪駆動)だろう。アクセルワークで後輪をコントロールできるFRやAWDの方がスポーツドライビングに向いており、運転して楽しいからだ。
SUV全盛の昨今は「スポーツカー冬の時代」などと言われるが、日本は世界的に見てもスポーツカーやスポーツセダンが少なからず存在し、新車で買える恵まれた国だ。少数派となったマニュアルミッションを選択できるのも、クルマ好きにはありがたい。
マツダロードスターも300万円弱で
お薦めの筆頭はトヨタGR86とスバルBRZ、そしてマツダロードスターだろう。GR86とBRZはトヨタとスバルが共同開発した2プラス2のFRスポーツカーで、スバルの水平対向エンジンをフロントミッドシップに積む。水平対向エンジンは重心が低く、回転バランスに優れ、先進国ではポルシェとスバルが採用する希少なエンジンだ。
2代目となった現行のGR86とBRZは来年にもモデルチェンジが予想される。次期モデルはスバルの水平対向エンジンをやめ、トヨタの直列エンジンを搭載するようだ。地を這うような水平対向エンジンのフィールを楽しみたいなら、今がチャンスかもしれない。GR86は293万6000円から購入できる。
マツダロードスターはオープン2シーターのFRスポーツカーとして、ギネスブックも認めた世界のベストセラーカーだ。ロードスターは1.5リッターで最高出力は136PS。GR86とBRZの2.4リッター、235PSに動力性能ではかなわないが、軽量コンパクトな身のこなしが魅力。価格は289万8500円からだ。
人気のトヨタスープラ、日産フェアレディZの高級感
軽自動車ではダイハツコペンが唯一のスポーツカーだ。コペンはFFだが本格的なオープン2シーターで、スポーツカーの雰囲気を楽しむにはよいだろう。価格は198万3300円からだ。
このほか、スポーツセダンとしてはFFのスズキスイフトスポーツ、AWDのトヨタGRヤリス、GRカローラ、スバルWRXなどがある。スイフトスポーツは高性能ハッチバックセダンの代表格だが、モデル末期のため、次のモデルチェンジを待った方がよいかもしれない。
さらに高級なFRスポーツカーを望むなら、トヨタスープラや日産フェアレディZという選択肢もある。スープラは伝統の直列6気筒モデルを購入できるが、価格は800万円。フェアレディZも上位機種は600万円台、最上級のNISMOバージョンは930万2700円と高価だ。これならポルシェケイマンなどを新車か中古で乗ることを考えてもよいかもしれない。シニアなら退職金で自分へのご褒美にお気に入りのスポーツカーを選ぶのも悪くないだろう。
(ジャーナリスト 岩城諒)