ブルーイノベーション、米PKL社とドローン×AIを活用した次世代訓練シミュレータの共同開発に向けMOUを締結
2025年5月27日(火)17時47分 PR TIMES
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■ドローン業界の急成長、パイロット育成の課題とシミュレータ開発目的
ドローン技術の進化に伴い、その活用領域は災害対応、公共インフラの老朽化への対応、安全保障など、多様かつ高リスクな現場へと急速に拡大しています。それに伴い、特定のドローン用途に最適化された操縦技術やドローンの整備スキルを持つ人材の育成が急務となっています。
ブルーイノベーションはこれまで、当社のBlue Earth Platform(BEP)を軸にして開発した、ドローンパイロット向けのプラットフォーム「SORAPASS(https://www.sorapass.com/map/)」を約7万人のユーザーに提供し、パイロットの安全な運航を支援するサービスを提供してきました。さらに、一般社団法人 日本UAS産業振興協議会(以下、JUIDA)と連携し、「プラント点検(https://blue-i.co.jp/plant-inspection/)」や「森林測量(https://www.blue-i.co.jp/shinrin/)」分野での操縦訓練コースなどを作ってきており、また、株式会社ACSL、イームズロボティクス株式会社、株式会社Liberaware、株式会社プロドローンと共に、「機種別ドローン操縦者技能・運用証明証(https://www.blue-i.co.jp/news/release/20240605_1.html)」の創設に向けた準備を進めるなど、長年にわたりドローン教育の推進に取り組んできました。また、JUIDAは近年の災害の増加に伴い、「ドローン防災スペシャリストの教育コース(https://uas-japan.org/license/bosai/)」も提供しています。
しかしながら、こうした既存訓練の多くは現場での再現性や反復訓練の難しさといった課題を抱えており、実運用はリハーサル無しの本番にならざるを得ないケースも少なくありません。
一方、PKLは航空機の操縦・整備訓練において長年の実績を持ち、カスタマイズ可能な訓練カリキュラムと、CBT※2・AR※3・VR※4など先進的な教材を統合した「OMNISPEC(R) トレーニングシステム」※5で世界各地の航空関連プロジェクトを支援しています。
こうした背景から、このたび、ブルーイノベーション、PKLは、上記課題に対し、両社の強みを組み合わせることで、ドローンパイロット・ドローン整備士の高度なスキル習得を可能にする革新的な訓練環境シミュレータの構築を目指します。
■覚書(MOU)の主な内容
ブルーイノベーションとPKLは、以下4つの目標の実現に向け、ドローン×AI技術を活用した訓練シミュレータの共同開発を進めます。
1. 用途別に特化した訓練プログラムの提供
点検作業、災害対応など、ドローンの用途ごとの業務ニーズに応じた専門訓練プログラムを提供し、現場で即戦力となる技術を習得できる環境を整備します。
2. 実務を再現したシミュレーション訓練
AIを活用し、実際の業務環境をリアルに再現したバーチャル訓練環境を構築します。ドローンパイロットは、危険を伴うシナリオや高リスクな状況にも、シミュレータ上で安全に対応力を養うことができます。
3. 安全で効率的な訓練環境の構築
現実では再現が難しい状況下でも反復練習が可能となり、ドローンパイロットのスキル定着と能力向上を支援し、安全かつ実践的な訓練環境を実現します。
4. AIモデルの訓練と検証のための合成環境
現実世界の環境をデジタルツインとして再現し、ソフトウェアとアルゴリズムを多層的に活用してドローンの運用をシミュレーションすることで、情報処理、行動計画、そして動作制御を行えるようにします。実際の検証に基づいたデータを提供することで、AIモデルの高度化と業務精度の向上を支援します。
本提携を通じて、両社はドローンの用途に特化した高度スキルを持つドローンパイロット・ドローン整備士の育成を促進し、日本をはじめ世界のドローン業界の技術と人材の底上げに貢献してまいります。
■代表コメント
PKL Services, Inc. CEO Michael Naylor
ブルーイノベーションとの提携は非常にタイムリーです。ドローンおよび無人システム分野で、両社に大きな成長の可能性があります。お客様の重要なニーズや複雑なミッションの要求に合わせた高度な訓練ソリューションをカスタマイズできる当社の能力は、ドローン市場に大きな価値をもたらすでしょう。また、AIや複合現実(MR)といった急速に進化する革新技術を取り入れることで、ドローンパイロットおよび整備士訓練を、柔軟でオンデマンド、かつミッションに特化したものへと変革する手助けとなります。
ブルーイノベーション株式会社 代表取締役社長 熊田 貴之
PKL社との提携は、ブルーイノベーションにとって新たな挑戦であり、ドローンを安全かつ高度に運用するためには、現場の実情を踏まえた実践的な訓練環境を整備してまいります。今回の取り組みにより、災害対応やインフラ点検など、社会の最前線で活躍できるプロフェッショナル人材の育成を加速し、持続可能で安心な社会の実現に貢献してまいります。また、本取り組みは、世界でも共通の課題を有しており、グローバル展開も視野に入れています。
■用語説明
※1 MR(Mixed Reality)
複合現実。現実と仮想空間を融合し、現実世界にデジタル情報を重ねて表示・操作できる技術。
※2 CBT(Computer Based Training)
コンピューターを活用した教材・訓練手法。
※3 AR(Augmented Reality)
拡張現実。現実環境に仮想情報を重ねて表示する技術。
※4 VR(Virtual Reality)
仮想現実。完全にデジタルな仮想空間を構築し、没入型の体験を提供。
※5 OMNISPEC(R) トレーニングシステム
PKLが提供する商標登録済みの訓練システム。CBT、AR、VR、補助付きライブ表示ツール(ALDT)などの技術を取り入れ、カスタマイズされたカリキュラムと地域ごとの訓練製品を作成可能。埋め込み型の訓練管理システムを通じて、モバイルかつネットワーク対応、オンデマンドの訓練教材を提供。これにより知識定着率の向上、訓練コストの削減、ミッションパフォーマンスの向上を実現。
■会社概要
PKL Services, Inc.(米 カリフォルニア州)
2003年に設立されたPKL Services, Inc.(PKL)は、米国カリフォルニア州サンディエゴに本社を置き、整備、トレーニング、ロジスティクス、シミュレータおよび乗務員教育、プロジェクトデリバリーを専門とするグローバルな航空宇宙企業です。PKLはAS9110およびAS9100認証を取得しており、米国、アジア太平洋地域、中東の航空宇宙プロジェクトを支援してきました。PKLは、OMNISPEC(R)トレーニングシステムを活用し、カスタマイズされたカリキュラム、一流インストラクター、そしてCBT、AR、VRといった最先端の複合現実コースウェアを統合することで、パイロットおよび整備士トレーニングのリーダーとして認められています。PKLは過去4年間、The Aerospace & Defense Review誌の「トップ航空宇宙企業」に選出されています。
ブルーイノベーション株式会社(東京都文京区|東証 5597)
1999年6月設立。複数のドローン・ロボットを遠隔で制御し、統合管理するためのベースプラットフォームであるBlue Earth Platform(BEP)を軸に、以下ソリューションを開発・提供しています。
・点検ソリューション(プラント・工場・公共インフラなどのスマート点検、3D モデル化など)
・教育ソリューション(法人の人材育成、パイロット管理システム提供など)
・ポートソリューション(ドローンポートシステム提供など)
・ネクストソリューション(監視、清掃システム提供など)
https://www.blue-i.co.jp/