角層の重複を解くふきとり化粧水の処方化に成功
2025年5月28日(水)14時47分 PR TIMES
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/25614/419/25614-419-abb830de3ad51a121a23dbc5da35b1d5-774x560.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]AI解析により重なった角層を個別に識別
株式会社ナリス化粧品(代表者:村岡弘義 本社:大阪市福島区)は約90年にわたる角層研究の最新の成果として、加齢によって増加する角層の重複部位を剝がれやすくすることで、適正な角層細胞面積に導くことのできるふきとり化粧水の処方化に成功しましたのでその内容を以下にまとめます。
■研究の背景
一般的に年齢を重ねるほどに個々の角層細胞の面積が大きくなっていくことが知られていることに加え、当社の研究では加齢により角層と角層細胞同士が重複(オーバーラップ)している面積も大きくなることを明らかにしています。この研究はAIに角層細胞の面積や重なり、形状を学習させることで、大量かつ正確に解析できるようになったことから解明したことであり、化粧品の国際学会の「IFSCC Congress 2023 Barcelona」で発表しています。角層の重複部位には細胞同士を接着させるタンパク質が存在しており、当社では接着タンパク質を分解することで角層同士の接着を解くことがターンオーバーの促進に有効であると考えてきました。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/25614/419/25614-419-ebc35501cef2a453ae6d9321e1e29f89-791x568.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
■研究内容
角層の重複部位を分析すると、重複の内部は辺縁部よりも細胞を接着させるタンパク質の残存率が高く、分解されづらいことがわかりました。様々な候補成分の分析から「ムクロジエキス」が重複によって接着した部分に有効成分を届けることで、分解を促進することができることを新たに見出しました。「ムクロジ」は、本州(茨城県・新潟県以南)・四国・九州・東アジアから南アジアに分布する落葉高木で、果皮にサポニンを含むことから洗濯や洗髪に、種子は羽根突きの羽根の玉や数珠などに使われてきました。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/25614/419/25614-419-1b2f21deedab3f9ab27c77905a901ccb-640x480.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]ムクロジ
また、「ムクロジエキス」にタンパク質接着緩和作用のある「AMPD」という成分を加えた新しいふきとり化粧水を設計し、2か月間半顔に使用することで、元々角層細胞面積が大きかったモニターの角層細胞面積が使い続けることで小さくなることが確認されました。(図1)
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/25614/419/25614-419-b62593c9ece5d219a1853cafa0ea24e2-616x576.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]図1
また別のモニターでは、使用2週間で角層細胞面積が小さくなった後は一定の面積で落ち着く傾向が確認できました。(図2)
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/25614/419/25614-419-3f10c5f6cc958cb5b4d0e40b45fb6577-644x575.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]図2
また角層細胞面積の変化率を見てみると、使用直後は個々のモニターで変化にバラツキが見られるものの、使い続けることで変化率が未使用側と比べ概ね低下したことから、均一な角層細胞面積に導く傾向を確認しました。(図3)
[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/25614/419/25614-419-0d2e9ee64270a38420b41b8af4c5e3e3-644x575.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
このように「ムクロジエキス」と「AMPD」を配合したふきとり化粧水は、角層の重複を解き、はがれやすくすることで使用者それぞれの適正な角層細胞面積に導く作用を示唆する結果が得られたことから、加齢などにより角層細胞の重複率が高い人のターンオーバーを適正にすることが期待できます。
[画像7: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/25614/419/25614-419-89343ecd2ff06effacf5779cdb84a133-384x263.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]研究品使用前 角層細胞が重複している様子
[画像8: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/25614/419/25614-419-6e86cdadffc589e17642e6bce4564392-384x263.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]研究品使用後 角層細胞の重複が減少している様子
■研究者:株式会社ナリス化粧品 高田広之・浅井健史
研究者プロフィール
高田 広之(たかだ ひろゆき)
[画像9: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/25614/419/25614-419-c7d8f75f4c664c0a8a83fee2921604aa-2407x2700.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]ナリス化粧品 高田広之
株式会社ナリス化粧品
研究開発部 研究開発課 基盤技術研究グループ
— 略歴 —
2016年4月 株式会社ナリス化粧品に入社。
— 職務経歴 —
2016年10月 ナリス化粧品 処方応用グループ。
(メーク製品を中心に様々なカテゴリーの化粧品開発に従事)
2017年10月 ナリス化粧品 基盤技術グループ。美白研究、角層研究、保湿などの研究に従事
2020年・2023年のIFSCC Congressにて発表
過去のリリースタイトル
2020年10月23日 「ニトロ化を引き起こす有害物質、肌の潤いを奪うことを発見」
2023年9月8日 「高齢者の角層がターンオーバーしづらい原因を発見」
【研究者のコメント】
AIを用いた解析技術を開発したことにより、これまでより容易、大量かつスピーディに角層解析ができるようになりました。今回の成果はAIによる角層細胞の解析技術を活かした研究のスタートに過ぎず、今後の角層研究においても大きな力を発揮してくれると確信しています。今後もさらに角層の未知の実態を突き止め、お客様の効果実感に直結するような研究を続けていきたいと考えています。
浅井健史(あさいたけし)
[画像10: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/25614/419/25614-419-1fdee275368897bac10466810c3a0a5e-2405x2700.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]ナリス化粧品 浅井健史
株式会社ナリス化粧品
研究開発部 研究開発課 処方開発技術グループ
— 略歴 —
2002年4月 株式会社ナリス化粧品に入社。
—職務経歴—
2002年10月 ナリス化粧品 開発課。主にスキンケア製品の開発に従事
2018年のIFSCC Congressにて発表
過去のリリースタイトル
2018年9月25日 「ふきとり化粧水使用時の『心地よさ』を数値化する手法を確立へ」
2024年3月8日 「マッサージの効果を正しく評価する新手法を学会発表」
【研究者のコメント】
当社は、1937年に初めてのふきとり化粧水「ナリス コンク」を発売しましたが、約90年に及ぶ角層研究の中でふきとり化粧水はたゆまず進化してきました。今回の研究を経て、経験的に理解してきた当社のふきとり化粧水の作用について、「やっぱりそうだったんだ」という確信に変わりました。今後もライフワークである感性研究と融合させ、肌と心に働きかける化粧品を提供してまいります。