鈴廣かまぼこ渾身の逸品「超特選蒲鉾 古今」(1本4,000円)が届けられるまで。職人技と科学を融合させた究極のかまぼこづくりの裏側

2023年11月8日(水)14時44分 PR TIMES STORY

11月15日は「かまぼこの日」。かまぼこが我が国の歴史に初めて登場するのは、今から約900年前、平安時代の1115年のこと。当時の古文書にある貴族の祝宴の料理スケッチの中にかまぼこが記録されています。この年号にちなみ11と15を分け、11月15日が「かまぼこの日」になりました。

そんな日にぜひ味わっていただきたい「超特選蒲鉾 古今」は、鈴廣かまぼこ(以下:鈴廣)を代表する商品のひとつ。1本4000円と聞いて驚く方もいらっしゃいますが、その価格に十分に見合う自信作です。厳選されたグチと相模湾のオキギスを使い、化学調味料や保存料に頼らずに、魚のもつ力を最大限に引き出した一品は、歯に吸い付くようなしなやかな歯ごたえと、噛み締めるほど口いっぱいに広がる魚の豊かな旨み、そしてすっとのどを通るのどごしのよさ——。一度食べたら忘れられないこの味には、熟練の職人たちの技と知識が凝縮されています。

このストーリーでは、「超特選蒲鉾 古今」の製造を担う職人たちの奮闘をお伝えします。

国家資格「水産練り製品製造技能士1級」をもつ腕利きのかまぼこ職人が18名在籍

1本に約7匹もの魚が使われるかまぼこ。それらの魚のコンディションは一尾一尾異なるため、化学調味料や保存料に頼らずに高い品質を保つには、0.1℃の温度調整、0.1%の水分量調整、0.1グラムの塩分調整といった細かな調整が不可欠です。機械では計測しきれないこの繊細な違いに目を光らせるのが、腕利きの職人たち。国家資格である「水産練り製品製造技能士1級」をもつかまぼこ職人は全国でも200名ほどしかいませんが、そんななか鈴廣には18名が在籍し、これは国内最多(※)を誇ります。

※2023年11月現在、自社調べ

手先の感覚で水分量を正確に計る職人の熟練技

かまぼこは、魚の身を採って水で晒し、塩を加えてすり、板に整形して蒸し上げるという一見シンプルな流れでつくられますが、その中でも工程は細かに分かれており、各工程をそれぞれの職人が担っています。

職人たちに最も難しい工程はどこかと聞くと、みんなが口を揃えて答えるのが「脱水」です。「脱水」は、その名のとおり水晒しした魚肉を、水分を適度に残し、脱水する工程。魚の身に残る水分の割合は、かまぼこの弾力やしなやかさに大きく影響しますが、その誤差はというと、すり身に残る水分量が0.1%違うだけで弾力が変わってしまうというレベル。しかも、魚種や産地、季節や大きさによって魚が蓄えている水分量は異なるため、毎回絞る加減を変えるだけで狙った水分量に調整するのは困難を極めます。

そんな果てしなく細かな微調整をこなすのが、入社40年のベテラン、萩原久さん。その恐ろしいほどの水分値の正確さから、社内では敬意を込めて「人間水分計」と呼ばれています。萩原さんが魚の身をぎゅっと握れば、狙った水分値にピタリ。水分計で調整後の魚肉の水分値を毎回計測する際も、ほとんどが狙い通りの値に収まるという、研ぎ澄まされた感覚の持ち主です。

鈴廣では、最先端の機器を使った実験により職人の技を分析し、おいしいかまぼこづくりの科学的な解明を試みる『魚肉たんぱく研究所』という機関が2007年から設置されています。

「分析が始まった当初は、ちょっとうるさいな、と疎ましく思っていました。これまで感覚でやってきていたため言葉に表せないことが多いところに、数字を突きつけられたら言い返す言葉はないですよね」と笑う萩原さん。

「でも続けていくうちに、鋭いところをついてくるんです。正直なところ何のためにやっているのか分からない作業もあったのですが、データで裏付けされると自信につながりましたね。若い人たちも何のためにやっているのか分かるとおもしろくなって、さらにのめりこんでいくんです」

科学と伝統を融合することで鈴廣のスタイルを確立

「脱水」に並び多くの職人が登竜門と感じる難しい工程が「擂潰(らいかい)」。これは、読んで字のごとく、擂り(すり)、潰す(つぶす)ことで、かまぼこ業界の専門用語です。適度な水分に脱水した魚肉を石臼と杵で擂り潰し、塩を加えてさらに擂る。パサパサした魚肉の身を、粘りのあるすり身に仕上げていく工程で、しなやかな弾力と喉をスッと通る喉ごしはここで決まるといっても過言ではありません。

この工程を得意とするのが、入社15年目の中溝啓太さんです。

「手で魚の身を触りながら、擂る時間、塩を入れるタイミング、塩の量を微妙に調整することで、魚本来がもつポテンシャルを最大限引き出します」

塩を入れて練られたすり身は本来であれば、裏ごしという工程に進みますが、一部のすり身は裏ごしする前に蒸して、品質の検証に回されます。この蒸したすり身を実際に食べることで、擂潰までの工程に問題がなかったかを確認すると同時に、今日のすり身の特徴を把握し、裏ごし以降の工程でどのような微調整をしたらいいかの指示を出します。

「まずは、全体から指で感じる弾力の強さ、指で割いてみたときの裂いた面の凹凸、表面のツヤを目で見ます。その後、口に入れて粘りときめの細かさをチェックします。前歯で小さくかじる程度で瞬時に判断しなくてはいけず、しかも、最終段階の冷えた状態ではなく、蒸したままの熱いものなので、完成をイメージしながら行うのが難しい。熱く、裏ごしをしていない状態は、製品になった時の官能検査とはまったく異なる感性と基準をもっていなければならないんです」

こう語るのは、神兼智さん。常務取締役として、工場全体の衛生と安全に目を配り、職人たちを束ね、研究者たちと議論をし、かまぼこの味と品質に責任を負っています。

繊細な感性をもつ神さんですが、『魚肉たんぱく研究所』による最新の研究結果に目を通すことも忘れません。

「各工程の意味が研究によって全て裏付けられるのは興味深いですよね。理屈を分かっているのといないとのでは、作業の質や効率が全然違います」

ただし、それを鵜呑みにはしないとも語ります。

「数値上で弾力が強いと出ても、食べた時の感覚が違う時もあるんです。適度な弾力としなやかさ、噛んでいるうちにすっとなくなっていく喉ごしなど、バランスが大事。科学的な数字はあくまでもひとつの根拠として、職人の感性も大切にしながら、科学と伝統を融合することで鈴廣のスタイルを確立していきたいですね」

小田原かまぼこを象徴する美しい扇型は、手先の器用さの賜物

裏ごししたすり身は、板に生地を何層にも重ねて塗りつけることで土台をつくる「引き起こし」、板から朝日が昇るように丸く広がる扇型に仕上げる「中掛け」を経て、「上掛け」の工程へ。

「上掛け」は、最後に薄くつやのあるすり身をのばし完成形にする工程。紅色のかまぼこの紅色の部分を付ける工程というと分かりやすいかもしれません。表面に均一な厚みですり身をのばすのは、手先の器用さが不可欠。しかも、最後の工程なので失敗は絶対に許されないというプレッシャーの中、1本あたり約30秒という一瞬に全神経を注ぐため、精神力も問われます。

通常20年あまり修行した職人でしかこの工程を任されることはありませんが、そんな「上掛け」を得意とするのが、今年入社17年目の熊英治さんです。本人は、「手先は器用ではない」と謙遜しますが、かまぼこづくりのセンスはチーム随一。負けず嫌いな性格も手伝って、入社後からメキメキと力をつけ、短い修行期間でこの難しい工程をマスターしました。

「引き起こしや中掛けの工程は数人で作業するのですが、上掛けは1人きり。1日約300本のかまぼことひたすら1対1で向き合うのは、孤独ですよ」

そんな緊張感のある状況にどう向き合っているのか尋ねると、

「もはや無の境地ですね。のってくると時間の経過はあっという間。で、ふと我に返った時にどっと疲れが出るんです」

動き自体は小さいものの、精神的なエネルギーの消耗はどの工程よりも大きいと言います。

そして最後の「蒸し」工程。魚肉たんぱくは温度に非常にデリケートで、工房内の温度や湿度に大きく左右されるため、状況に応じて加熱条件を0.1度、数十秒の単位でこまめに調整する必要があります。

「蒸し」の工程に長く携わっている葛西一さんも「水産練り製品製造技能士1級」の資格をもつ職人のひとり。資格取得のために自ら異動を志望した伝統製造課での経験が現在所属するライン製造の仕事に活かされています。

「ライン製造では1秒1本というスピードでかまぼこができていくので、1本の大切さを見失いがちなんです。でも伝統製造課で職人たちが1本1本丁寧に作り上げている様子を目の当たりにして、これが本来の姿なんだと再確認できました」

伝統製造課で得たこの感覚を、ライン製造の若者たちにしっかりと伝えていきたいと語る葛西さん。

「いま鈴廣では職人の技や感覚を数値化し、その繊細な技術を機械でも再現できるようさまざまな試みを行っています。仮に、機械の性能が上がり表面的には手づくりのクオリティに近づいたとしても、そこに魂がなければ、たとえ数値的には同じでもまったくの別物だと思うんです」

150年余り受け継がれる伝統と、職人たちの飽くなき探究心、そして最先端の科学技術を融合させた鈴廣のかまぼこづくり。一切の妥協を許さない渾身の逸品をぜひご賞味ください。

超特選蒲鉾 古今

小田原かまぼこの伝統的な特徴を極めた「古今」。

きめ細やかな自然な白。控えめながらしっかりした魚の旨み。

ソフトながらプリっとした歯触り、滑らかなのど越し。

グチに相模湾のオキギスをほどよくとり合わせ、板つけ、蒸し上げまで職人の手づくりによる逸品です。

鈴廣かまぼこ

代表者     :代表取締役社長 鈴木 博晶

所在地     :神奈川県小田原市風祭245

創立年月   :1951年3月(創業慶応元年 1865年)

主な事業内容:かまぼこをはじめとする鈴廣ブランド商品の製造、販売、「かまぼこの里」各種レストランやかまぼこ博物館の運営。


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