AIで小売業界の人手不足解消を目指すセキュア。 レジレス・無人店舗「SECURE AI STORE LAB 2.0」開発ストーリー

2023年11月29日(水)15時0分 PR TIMES STORY

株式会社セキュアは「AI×セキュリティで新しい価値を創る」をビジョンに掲げ、入退室管理や監視カメラのシステムに、AI(画像認識)技術を掛け合わせた付加価値の高いセキュリティソリューションを提供してきました。

セキュアが近年、力を入れていることの一つがAIを活用したレジレス・無人店舗の開発。2020年に「SECURE AI STORE LAB」、2023年にバージョンアップさせた「SECURE AI STORE LAB 2.0」を新宿にオープンし、実用化を進めています。

今回は代表取締役の谷口辰成にAI STORE LABの開発ストーリーやセキュアの歴史、今後の展望について聞きました。

 

SECURE AI STORE LAB 2.0を新規開発・オープン AIによるレジレス・無人店舗の運営を実用化(プレスリリース)

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ホームセキュリティからBtoBセキュリティソリューション事業へ転換 

——創業時のことを教えてください。


谷口(以下、質問への答えはすべて谷口):2002年の創業時に選んだのはホームセキュリティ事業です。日本でもセキュリティへの意識が高まりつつあり、デジタル化も進むと読んで監視カメラの販売からスタートしました。しかし当時はまだプライバシー侵害への懸念が強く、なかなか売れずに苦労も多かったです。


それでも社会の変化を見据えて自社商品の開発を進め、2004年にドアロックの開発に成功。改良を重ね、見通しが見えてきたところで訪れたのがリーマンショックです。さまざまなきっかけが重なり、現在のBtoB向けのセキュリティソリューション事業に舵を切りました。 


——現在の事業について教えてください。

 

現在は入退室管理システムや監視カメラシステム、画像解析ソリューションなどの物理セキュリティ分野を中心に事業を行っていて、おかげさまで2021年に上場させていただけるまで成長できました。


ここ10年ほどでAIなどによる画像解析の技術が急速に発展し、カメラから得られる情報を活用した高付加価値サービスが可能になり、社会の防犯意識の高まりも追い風となり、需要が拡大しています。納入先もオフィス・事務所に留まらず、工場や物流倉庫、データセンター、フィットネスジム、学校、病院など多岐にわたります。



AIによる顔認証技術を用いた無人店舗を開発。アットコスメや小学館とコラボ

——AI STORE LAB開発の背景を教えてください。


店舗や商業施設のお客様にAIや画像認識技術を活用したソリューションを提供していく中で、課題や悩みを相談いただくことも増え、「人手不足で苦しい」との声を多く聞くようになり、開発をスタートしました。


入退室管理と監視カメラシステムの技術を活用することで、6ヶ月で開発に成功し、2020年7月にアットコスメとコラボレーションした無人店舗「SECURE AI STORE LAB」 を新宿にオープンしました。この店舗では、AIソリューションを提供する株式会社ヘッドウォータースに協力いただきました。最新のAIテクノロジーを取り入れた無人店舗の実用化に向けて第一歩を踏み出しました。 


 

最新のAIテクノロジーを活用した未来型無人化店舗「SECURE AI STORE LAB」を新宿住友ビル地下1階にオープン(プレスリリース)

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「SECURE AI STORE LAB」の最大の特徴は、顔認証による入店とキャッシュレス決済です。事前登録を行えば、手ぶらで買い物ができます。手に取った商品は自動認識され、待ち時間なく決済まで完了します。 

 

商品管理には商品の陳列棚にあるカメラと重量センサーを活用し、在庫数をリアルタイムに把握することで棚卸し作業をなくすことにも成功しています。店舗内にはカメラ17個に加えて28個のセンサーを設置し、無人化を実現しました。 

 

コスメ関係の商材は接客による適切な情報の提供を経て購入に至ることが多く、展示しておくだけでは購入率が低いと言われます。そのため、店員が行っていたレジや商品管理の業務をシステムが担い、来店客への接客に注力できるようになったことには大きな意味がありました。 


小学館DIMEとのコラボストアをオープン。マーケティング調査に活用し、「発見買い」も促す


——小学館「DIME」ともコラボレーションしましたね。


アットコスメの次にコラボレーションしたのは、小学館のビジネストレンドメディア「DIME」です。DIMEのポップアップストアをオープンしました。それまでDIMEのオリジナル商品は誌面やWEBサイトで紹介されていたため、読者は実物に触れることができませんでした。しかし「SECURE AI STORE LAB」では読者とリアルな接点を持つことができます。



さらに、オフラインの店舗でどの層がどのような商品に興味を持つのかを知るためのマーケティング調査にも活用しました。 また、店舗内のディスプレイでは「DIME」の商品紹介ページを表示し、雑誌との連動性を高めました。このように、無人型店舗には来店客に“発見買い”を促す効果もあります。 

 

小売業界の慢性的な人手不足を解消。既存店舗に導入しやすいAIによるレジレス・無人店舗へバージョンアップ


——2023年にオープンした「SECURE AI STORE LAB 2.0」の進化のポイントを教えてください。


「SECURE AI STORE LAB」には多岐にわたる業種業態の方々にお越しいただき、ご意見をいただきました。最終的には数百社以上のリアルな声をお聞きできたので、実用化に向けて具体的な課題も見えてきました。


また小売業界が悩んでいる賃金の上昇や少子化による人手不足は年々深刻化しており、省人・無人化へのニーズは根強くあります。さらに商品の回転率向上やフードロス削減、顧客の行動分析・来店動機の促進など、幅広い課題に取り組まなければなりません。

 


このような時代の変化やAI技術の進展を捉え、「SECURE AI STORE LAB」のバージョンアップに向けた準備を進めてきました。そうした中でエヌビディアを通じて出会ったのが、あらゆる規模とサイズの店舗に応用できる自律型コンピュータビジョン技術を活用したソリューションを提供しているシリコンバレーのスタートアップ「AiFi」です。


セキュアが培ってきたカメラを活用したソリューションとも相性がよく、レジレス・無人店舗の改善・実用化への道が見えてきたため、2023年2月に業務提携を行い、「SECURE AI STORE LAB 2.0」を共同で開発することになりました。 エヌビディアともAIプラットフォームの提供・技術支援で協業しており、レジレス・無人店舗の拡大とともに関係が深まっていくと考えています。


セキュア、シリコンバレーのスタートアップ企業AiFiと業務提携(プレスリリース)

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 「SECURE AI STORE LAB 2.0」は、天井に取りつけたネットワークカメラの映像を独自AIで解析することでレジレスを実現しています。無人店舗に使用されることの多い重量センサーを使用しない設計のため、既存の店舗にも容易に導入可能です。重量センサーを設置した専用什器ではなく既存の店舗什器に適応できるため、新たな什器導入のコストが不要になるメリットがあります。

 

 

2020年にオープンした「SECURE AI STORE LAB」は登録と入店時に顔認証が必要でしたが、「SECURE AI STORE LAB 2.0」ではプライバシー保護と登録の簡便さを重視し、顔認証を不要にしました。スマートフォンにアプリを入れるだけで、入店から決済までスムーズに行えます。お客様は非接触でスマートな購買体験が可能で、店舗側も省人化による店舗運営の効率化が期待できます。 



実際にお買い物をしたお客様からは「アプリの登録も簡単で、スムーズに買い物ができた」「棚から取って出るだけなので買い物をした実感がなく、新しい体験だった」といった声をいただくなど好評です。目立ったトラブルもなく、順調な滑り出しです。今後はさまざまな業態の店舗に導入してもらうべく、実証実験や提案を進めています。 

 

無人店舗ソリューション開発からスマートビルディング、スマートシティへ

——今後目指していることを教えてください。


AI 画像認識技術を掛け合わせて使われる高付加価値なカメラの活用場面はセキュリティだけに留まりません。AI STOREやスマートビルディング、スマートシティなど、活用の範囲はまだまだ広がります。そのために「SECURE AI STORE LAB 2.0」で培った技術とノウハウも最大限活用します。



具体的な取り組みとしてはNTT東日本グループのテルウェル東日本株式会社と商用化に向けて共同実験を進めています。また、株式会社ROBOT PAYMENTとHOUSEI株式会社と共に24時間無人店舗向けパーケージの開発を始めることになりました。


セキュアが運営する無人店舗でNTT東日本グループ テルウェル東日本グループ テルウェル東日本とのウォークスルー型店舗商用化に向けた共同実験を開始(プレスリリース)

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セキュアとROBOT PAYMENT、HOUSEIが3社間で連携し、サブスクペイを活用した24時間無人店舗向けパッケージを開発(プレスリリース)

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私たちが目指すのは、AI×セキュリティで、あらゆる不安から人々を守り、安心安全、快適に暮らせる世界です。オフィスはもちろん、ビルなどの建物にAIを実装させて商業空間を魅力的に変え、都市インフラにAIを導入することで誰もが暮らしやすい街づくりを実現させます。


私たちがつくりたいAIは、いわば社会の目。それはやさしさと優れた知性を持ち、次の社会の可能性を広げていきます。私たちはこれからもさまざまな社会課題の解決に取り組み、未来のインフラ企業として止まることなく挑戦を続けます。


■SECURE AI STORE LAB 2.0・店舗概要 

店舗名:SECURE AI STORE LAB 2.0(セキュア・エーアイストアラボ・2.0) 

所在地:東京都新宿区西新宿二丁目6番1号 新宿住友ビル地下1階 

営業時間:平日10:00~19:00

※リニューアル工事中(2023年11月末時点)



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