荒木飛羽×瑚々が挑む“男女逆転ビジュアルカップル” 幼少期からの「ダッフィー愛」と「洋服愛」も語る
2025年2月20日(木)15時0分 マイナビニュース
●「僕、こんなにかわいくなれるかな」
「美少女顔男子×長身ボーイッシュ女子」の男女逆転ビジュアルカップルを描いた人気コミック『おとなりコンプレックス』が、主演・荒木飛羽×ヒロイン・瑚々により実写ドラマになった(フジテレビで20日スタート、毎週木曜25:25〜 ※全8話、FODで独占見放題配信/放送終了後TVerで1週間見逃し配信)。
子役の頃から数々のイケメン俳優の子ども時代を演じ、ドラマ『あなたの番です』、映画『るろうに剣心 最終章 The Final / The Beginning』などで知られる荒木が、ひとたび女装するや誰もが振り返る“イイ女”に変身する一方で、幼なじみへの一途な想いを胸に秘め続ける大学生の真琴役でラブコメディに初挑戦。昨年、ドラマ『スメルズ ライク グリーン スピリット』で新境地を開いた荒木が、さらなる魅力を開花させる。
そんな真琴の幼なじみで、高身長にボーイッシュな見た目から、真琴と2人でいると“男女逆転カップル”に間違われてしまうあきら役には、「ミスマガジン2022」グランプリの瑚々が抜てきされた。
近すぎて遠い幼なじみの甘酸っぱいピュア・コメディに挑んだ2人に、役との共通点や、子どもの頃からずっと大切にしているものなどを聞いた——。
○ずっと共感「あれ、これ衣装だっけ?」
——まずは企画や原作の感想から聞かせてください。
荒木:今まで触れてこなかったタイプの作品で、真琴は、演じたことのない方向のカッコ良さがある男の子だと感じました。自分との共通点も映画好きなところくらい。僕自身はカッコいい男の子じゃなくて、ぬいぐるみとかかわいいものも好きだし(笑)、子どもの頃に僕も女の子に間違われることはありましたけど、真琴みたいにそれがコンプレックスにはならなくて。いまだに間違われてもうれしいかなと思います。逆に真琴の女の子姿がめっちゃカワイイので、「僕、こんなにかわいくなれるかな」と思いながら現場に入りました。
——めちゃくちゃキレイでしたよ。
荒木:周りの方々が「カワイイ」と言ってくださったので「じゃあ、大丈夫かな」と思ってやりました(笑)。ただ歩き方とか、バッグの持ち方とかがとても難しくて、その都度あきらに聞いてました。服もただ普通に着ただけだと、骨格や手は普通に男子なので、自撮りしたりして、「これイケるんじゃないの?」と追求してました。
瑚々:私は普段から体のラインの出る服装や女性らしい格好もしませんし、身長が高いこと(※173cm)をコンプレックスに思っているなど、あきらと共通点や悩みが一致していました。なのでずっと共感しながら原作や脚本を読んでいましたし、ジャージやトレーナ、パーカーといった衣装も、「あれ、これ衣装だっけ?」というくらいに、リラックスして過ごしていました。
○早めに出せた「幼なじみ感」
——1カ月ほど地方でロケ撮影されたそうですけれど、その間、仲良くなれたと思います。印象に残っていることはありますか?
瑚々:荒木くんは、私が思っているよりもキャラの濃い人でした。「あれ、いないな。どこに行ったのかな」と思っていると、たくさんいる大学生役の子たちになじんでお話ししていたり、『ちいかわ』にすごくハマっていて、会話のどこかにちょっとでもちいかわ要素を感じると、すぐに拾ってちいかわにつなげたりするんです。それがすごく印象に残ってます。
——荒木さんは普段から、積極的に人に話しかけにいくタイプなんですか?
荒木:いや、そんなことありません。人見知りするタイプです。でもそういえば、いつの間にか知らない人に話しかけてるかな。
——人見知りなんですよね?
荒木:人見知りですよ。
瑚々:でも私と最初に会ったときも「子ども、かわいいよね」みたいな話をいきなりしてきて、「おお!」ってビックリした記憶があるけど。
荒木:でも人見知りなんですよ。
——(笑)。やりとりを見ていると、幼なじみ感は割と早めに出せた感じですか?
瑚々:そうですね。幼なじみ感はすごくあったなと思います。
●とにかく女の子に間違われることが多かった
——子どもの頃からの付き合いのある役柄ですが、おふたりが小さな頃からずっと一緒に育ってきた大切なものを教えてください。
荒木:自分はダッフィーのぬいぐるみです。結構大きなもので、保育園の時からずっと一緒に寝ています。この間、友達が、何度も洗濯されて毛がシワシワになったダッフィーを見て驚いてました。
——まだお別れはできない?
荒木:それがないと寝られないのでダメです。
瑚々:私は洋服です。小学生のときに着ていたオーバーサイズのTシャツを今ピチっとなる感じで着てたりします。ヴィンテージ感が出てかわいくなっていたり、捨てちゃうのももったいないので。あとはお母さんが、私が2〜3歳のときに買ったマフラーを私が使ったりしてます。逆に新しく感じます。
——小さなころはどんなタイプのお子さんでした?
瑚々:私は幼稚園の時とかは、例えばママチャリの後ろに乗って手を振って、知らない人からもお菓子をもらっちゃうような子でした。ちょっとお姫様気質みたいなところがあったかもしれません。自分のやりたいことならいくらでも熱中できて、図画工作とかは時間を忘れるくらい丁寧にできてたんですけど、やりたくないことは完全に遮断してしまうようなマイペースな、でもニコニコした子でした。
荒木:僕は……あまり覚えてないんですけど、とにかく女の子に間違われることが多かったです。電車で席を譲ると、「ありがとう、お嬢ちゃん」と言われてました。それから祖母に「いい子だ」とよく言われてました。それはいまだに言われるか。ずっといい子だって言ってくれます。
○佐藤健が言ってくれた「芝居がよくなった」
——本作での真琴とあきらは、互いのことをすごく思い合って認め合っているのが伝わってきます。おふたりがこれまでに、自分を気にかけてもらった言葉でうれしかったことを教えてください。
瑚々:私は自信が持てないタイプなので、「あなたのお芝居が好きだから、ずっと続けてほしい」と言ってもらえたときは、すごく感動しましたし、ずっと心に残っている言葉のひとつです。
——いつぐらいのことですか?
瑚々:10代の思春期真っ盛りみたいな時期でした。オーディションで、その時は残れなかったんです。でも、審査に参加されていた監督が出てきてくれて、「今回の役としては取れない。だけど瑚々さんのお芝居は好きだから、これからも続けてほしい」と。そう言ってもらって、帰りのエレベーターの中で「続けていこう」と励まされました。
荒木:僕は憧れの先輩が「芝居がよくなった」と言っていたというのを、人づてに聞いた時です。
——人づてに。憧れというのは?
荒木:佐藤健さん(『るろうに剣心 最終章 The Final / The Beginning』で共演)です。『First Love 初恋』でまたご一緒できたときに。直接言われるよりも「本当にそう言ってくださったんだな」みたいな感じがして、うれしかったんです。それと同じ作品で満島ひかりさんに、悩んでいたことをお話ししたときに、結構救われました。救われたり、成長できたと実感できることの多かった時間を過ごした作品でした。
●今年「脱〇〇」したいことは?
——もうひとつ。本作は“脱幼なじみ”とも謳(うた)われているラブコメディです。おふたりが今年「脱〇〇」したいことは?
荒木:自分は「脱、ぬいぐるみ」で。
——ええ! できるんですか!?
荒木:いや、あの、実家にぬいぐるみが死ぬほどあって。もともとはダッフィーしか持っていなかったのに、いつのまにか、ちいかわに占領されていて、これ以上増えたらやばいという状態になっているので、ちょっと減らしたいなと。
——驚きました。脱ダッフィーではないんですね。
荒木:脱ダッフィーは無理です、無理無理。脱ぬいぐるみです。
瑚々:(笑)。私は脱ジャージです。自分自身があきらに近いとお話しした通り、普段からジャージ姿のことが多くて、何も気にせずにいたんですけど、今後もこのジャージで生きていくとなると、どうなんだろうと。最近、「やっぱり締まらんな。いつ人に会ってもいいように、もうちょっと気を引き締めていく年にしよう」と思う瞬間があって。シャツとかボタンのある、いい服をまとって、一個階段を、少し無理をしてでもグッと上がっていきたいと思います。
——最後に改めて、今作の見どころをお願いします。
瑚々:クスっと笑っちゃうところがあったり、甘酸っぱい気持ちになるようなピュアなラブストーリーになっています。もちろんそこにも注目していただきたいのですが、幼なじみならではの絆や、人生でいろんな進路にぶつかっていく壁など、どの年代の人が見てもジーンとくるようなほっこりする作品になっていると思います。
荒木:キュンキュンしながら見ていただくのもありがたいですし、コンプレックスを持っている方も、前向きな気持ちになれたり、共感していただける作品かなと思います。注目してください。
●荒木飛羽2005年9月28日生まれ、茨城県出身。2014年、ドラマ『死神くん』でデビュー。19年のドラマ『あなたの番です』で注目を集めた。2022年に『少年のアビス』で連続ドラマ初主演。主な出演作にドラマ『青のSP-学校内警察・嶋田隆平-』『スメルズ ライク グリーン スピリット』、映画『人魚の眠る家』『るろうに剣心 最終章 The Final / The Beginning』『あのコはだぁれ?』、配信ドラマ『First Love 初恋』など。
●瑚々2004年8月7日生まれ、埼玉県出身。2022年『ミスマガジン2022』グランプリに輝く。23年、ショートムービープロジェクト「嘘の起源」『ホワイト ライ』で映画初主演、『スターライドオーダー』で舞台初出演を果たす。その他の出演作にドラマ『ジョジョ恋。』など。
<荒木飛羽>
ヘアメイク:反田やよい
スタイリスト:Yoh U(Tron management)
<瑚々>
ヘアメイク:田坂たかえ
スタイリスト:阿嘉遥菜
望月ふみ 70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビュー取材が中心で月に20本ほど担当。もちろんコラム系も書きます。愛猫との時間が癒しで、家全体の猫部屋化が加速中。 この著者の記事一覧はこちら