みうらじゅん×いとうせいこう『新TV見仏記』最終回「涙出た」「冗談みたいな約束が…」
2025年3月19日(水)8時0分 マイナビニュース
みうらじゅん、いとうせいこうが出演するカンテレの特番『新TV見仏記・最終回 〜三十三間堂で会いましょう! 三十三年後の約束編〜』が、22日(25:45〜 ※関西ローカル)に放送される。
この番組は、仏像を愛する“仏友”みうらじゅんと、いとうせいこうが、関西周辺の仏像を中心に各地を巡る『テレビ見仏記』シリーズ(2001年〜関西テレビ☆京都チャンネルで、2010年〜『新TV見仏記』としてカンテレで放送)の最終回。
2人が初めて一緒に仏像巡りを始めたころの珍道中を描いた書籍『見仏記』(中央公論社1993年刊 ※現在はKADOKAWA・角川文庫より刊行)で、1巻のラストに記されていたのが「三十三年後の三月三日、三時三十三分に三十三間堂の前で会いましょう」という言葉だった。そこで2人の約束の日にあたる2025年3月3日、約束が実現。この瞬間を見ようと、多くの見仏記ファンが三十三間堂に押し寄せた。
待ち合わせの場所、国宝・蓮華王院 三十三間堂の前にまず現れたのは、いとう。恋人を待つかのようにソワソワするいとうの前に、みうらが現れる。全国から集まったファン約2,000人の拍手が渦巻く中、時報を確認し午後3時33分にみうらが突然、いとうに一輪のバラ(造花)をささげ抱き着く。そしてみうらが「オレね…涙出た」と、三十三年前の約束が果たされたことに感極まる。いとうも「感激の涙だね…うれしいね」と互いに喜び、感動的な再会となった。
そして、2人がトークを始めるとみうらから驚きの発言が飛び出した。「言っときますけどね…これが最後じゃないですからね! 次の“33年後” ここでお会いしましょう」と言うと、いとうが「33年後僕は96歳」、みうらは「ちょうど100歳なんですよ。めでたい」と33年後の約束を新たに交わし、ファンから再び拍手が沸き起こった。
“奇跡の再会”を味わった後、2人は国宝「蓮華王院 三十三間堂」の中へ。千手観音坐像とそれを取り囲む1001体の千体千手観音立像、さらに風神・雷神像に二十八部衆像と、数々の国宝見たみうらといとうの見仏コンビが独特の見解で仏像の魅力と愛を語る。
そして、2人は『新TV見仏記』としてはラストとなる寺「妙法院門跡」(特別拝観以外は通常非公開)へ。本堂には重要文化財の普賢延命菩薩像などがあり、“見仏トーク”がいつものように繰り広げられる。
番組の締めくくりは、『テレビ見仏記』『新TV見仏記』の60作を超える“名場面”“迷場面”を振り返る走馬灯トーク。思わぬところがみうらといとうのツボで、スタッフに対しての感謝と愚痴が赤裸々になる。
コメント全文は、以下の通り。
——三十三間堂での再開の瞬間はいかがでしたか?
みうら:いとうさんに抱き着いた瞬間、涙がブワーって出てきた。うれしいです!本当にうれしいです。ハイ!…生きててね、みんな(2人とも)、よかったよかった。あと、カウントダウンの高鳴りを初めて感じました。冗談で言っていたけど、逆に冗談だからやれたんだと思う。真剣に33年後に待ってる?(いとうせいこうと)すごく仲良くなってよく会っていたから、33年後があったんだなって思ったよ。
いとう:改めてのイベントは走馬灯のように今までが一瞬につまっている。こうしてなぜか不思議と生きてみなさんの前に出られるということに大変感激しました。年月がしみてきて…こんな気持ちになりました。それをまた見たい人がいるっていうのがうれしいです。
——33年前になぜこの約束をされたのですか?
いとう:ふと、ダジャレみたいなことで「三十三間堂でまた会いましょうね…」だけではつまんないなと思ったから「三十三年後の三月三日…」とか付けたんですよね。その時は冗談のようなつもりだったんですけど…(笑)。
みうら:普通ね…30代で60代の約束は“SF”(エスエフ)ですよ! でも、健康に気を付けて、生きていれば約束を守れる日も来るから人生面白いなーと思った。みなさんも軽〜く約束はしといたほうがイイ! 果たせる日が来るかもしれない。
いとう:そうだねー。大げさなのでもいいし、小さいもん(約束)でもいいもんね…。
——テレビ見仏記、新TV見仏記の24年を振り返っていかがですか。
いとう:ボクらにとって大事な時間となりました。テレビのおかげで行けた寺もいっぱいありましたね。
みうら:『見仏記』ならではのところをたくさん訪れさせてもらった。仏像に詳しいスタッフがいて良い仏像を紹介してもらいありがたかった。
みうら:今回“しゃれ”みたいなイベントだったけど、この33年間でお寺側にも大きな変革があって、そしてテレビでも24年の間にもいろいろ変化を感じた。
いとう:三十三間堂にテレビが入ること自体すごいこと! 今回のイベントも三十三間堂さんがいろいろ便宜を図っていただき、ありがたい。
みうら:そうそう、大きな寺には(許可が下りなくて)なかなか行けなかったが、本やテレビ『見仏記』が知られるようになって、住職が次世代になったりして訪問が可能になったり、いろんな“禁”をスタッフやみんなの“情熱”で解いた気がします。33年前なら実現しなかったよ!
(C)カンテレ