『家なき子』から30年…安達祐実、乱高下から平穏な日々に「夢や目標をかなえている感じは、今が一番かも」

2024年3月20日(水)12時0分 マイナビニュース

●本格的な恋愛ドラマ初主演「ちょっと恥ずかしい」
「同情するなら金をくれ!」という衝撃的な言葉が一世を風靡したドラマ『家なき子』(日本テレビ)。子役ながらこのセリフを発して一躍ブレイクした安達祐実が、30年の時を経て本格的な恋愛ドラマに初主演している。
フジテレビの動画配信サービス・FODのオリジナルドラマ『愛してるって、言いたい』(毎週金曜20:00〜最新話配信)で演じるのは、切ない恋やかなわぬ想いに向き合う39歳の独身女性。「大人の恋愛ラブストーリー」のオファーは全く想定外だったというが、「大人になってちゃんと自分で歩き始めて、一つ一つ夢や目標をかなえている感じは、今が一番しているかもしれないですね」と充実の日々を送っているという——。
○子役出身からのイメージ脱却「すごくうれしい」
——本格的な恋愛ドラマの主演が意外にも初めてということですが、オファーを受けた際の心境はいかがでしたか?
恋愛ドラマに出演したとしても、自分が恋愛する役どころは少なかったんです。でも、この歳になって挑戦するというのは面白いなと思いましたし、こんな機会はこれから増えていくものでもないと思ったので、ぜひやってみたいと思いました。
——オファーがあっても断っていたわけじゃないんですね。
そういうわけでは全然ないんです。普通の人として恋愛をする役がこなくて(笑)。今回のドラマの中でも年齢の話が出てきますが、若い時に演じるのとはまた違うものがあると思うので、ちょっと恥ずかしいですけど、そういう自分を楽しめているので面白いですね。
——やはり子役のイメージが強いと、恋愛ドラマをオファーしにくいという事情もあったのでしょうか。
それもあると思います。子どもだと思っていた人を“女性”と捉えることは、ちょっと受け入れがたいものがあるのかもしれません。だから、だいたいの役者さんは20代とか30代で恋愛ドラマをやると思うのですが、私はそうはならなくて、違う方向になっていったんだと思います。
——そうすると今回のオファーが来たことには、従来のイメージを脱却して、さらに役の幅が広がる時期が来たという喜びもありますか?
私の中ではやりたい役がやれれば、どんなジャンルだろうと関係ないのですが、自由に何でもやれる心持ちというのがだんだん伝わっているのかなという感じがして、それはすごくうれしいですね。
○「恋愛ってこういう切ない気持ちもあったな…」
——実際に演じて、共感する点はありましたか?
私は役と違って、結婚も出産もしていますし、離婚も経験していますが、「恋愛ってこういう切ない気持ちもあったな…」って思い出します。「人の気持ちって、言葉にしなくても分かるときがあるけど、やっぱりしっかり言わないと伝わらないよな」というのも、すごく思いながら演じていましたね。
——普段の安達さんは、きちんと言葉にして伝えるほうですか?
あんまり「言葉にしなくていいや」と思うタイプではないです。恋愛対象だけじゃなくても、思ったことは全部言葉にして伝えるほうだと思います。
——3人の男性との関係が描かれますが、それぞれの役者さんの印象はいかがですか?
(小池)徹平さんとは、空き時間にずっと子どもの話をしていました(笑)。親としての同志感があるんです。吉沢(悠)さんは色っぽいシーンも結構ある役どころですが、普段は奥手な雰囲気があって、かわいかったです(笑)
——櫻井海音さんとは、今回が初めてですね。
はい。すごく瞳がきれいで、お芝居の中で目が合うと本当に美しくて濁ってない目をしてるんですけど、実際にお話しするとちょっとおじさんっぽかったりして(笑)、ギャップが面白い人でした。
——第1話では、勤務中の病院内で吉沢さんに壁ドンされてシャワーをかけられるという印象的なシーンもありました。
衝撃ですよね(笑)。台本を読んでから撮影するまで、心配でたまらなかったです(笑)。それこそ漫画の世界じゃないですか。でも、現実には起きないけど、あったら素敵だなという場面があるのがドラマのいいところですからね。なかなかのシーンになっていましたけど、吉沢さんの大人の色気が爆発しています(笑)
●ここ数年でようやく平穏な日々を送れるように
——2024年の春に配信をスタートした今作ですが、安達さんの名前を一躍世に広めた『家なき子』がスタートしたのが94年4月なので、ちょうど30年になります。
30年なんですね! 遠い昔ですが、自分の人生を振り返る時に必ず通る作品なので、お話しさせていただく機会が多いんです。そういう意味では、わりと身近にありますね。
——そこからずっと順調に役者の道を歩んできた印象もあります。
いや、かなり乱高下を繰り返してきました(笑)。でも、ようやくここ数年で平穏な日々を送れていますね。5年とか10年先の目標を定めて、それに向けて進むということをやれていて、5年前に思い描いた目標がかなってるなという状態に今なっているんです。
子どもの頃は自分の足で自分の人生を歩いている感じではなかったので、大人になってちゃんと自分で歩き始めて、一つ一つ夢や目標をかなえている感じは、今が一番しているかもしれないですね。
——ちなみに、5年前に今の状態をどのように思い描いていたのですか?
ちょっと具体的すぎて言えないです(笑)。でも、やりたいことはやれています。
——その目標に、「大人の恋愛ラブストーリーをやる」というのは…
全くの想定外でした! マネージャーさんと2人で、「私に恋愛ドラマ!?」「人違いじゃないの!?」って、ちょっと笑っちゃったくらいですから(笑)
○もし普通に学生生活を送っていたら…
——物心がついたときにはすでにこのお仕事をされてきた中で、本当に自分のやりたい仕事は何だろうと考えたことはあるのですか?
『家なき子』をやっていたときくらいから、「一生この仕事をしていこう」と思っていたので、他の仕事はあんまり考えてこなかったですね。でも、宮大工のような職人さんに憧れる気持ちがすごくあって、もし芸能界にいなくて普通に学生生活を送っていたら、そういう職業を目指していたかもしれません。
——やはり下町・浅草で育った環境も大きいのでしょうか?
その影響もあるかもしれないですが、私、人見知りなんです。だから、一人で黙々と作業することが向いてるんだろうなって思います(笑)
——では最後に改めて、今作の見どころを教えてください。
私の演じる樹は、自分の気持ちを素直に表現できないんですけど、すごくモテて(笑)。いろんな人との出会いや別れがあるのですが、その中でどんどん心からの「愛してる」に近づいていく姿がすごく愛おしく思えます。それと、3人の男性たちがそれぞれの魅力を発揮してくださっているので、そこにときめいたり、「男って…」ってあきれたりして(笑)、楽しんでもらえると思います。すごく泣ける展開もあるので、ぜひ見ていただきたいです。
●安達祐実1981年生まれ、東京都出身。2歳で芸能界入りすると、93年に銀幕デビューとなる『REX 恐竜物語』で主演を務め、翌94年に主演ドラマ『家なき子』で大ブレイク。その後も、『ガラスの仮面』『大奥』『初めて恋をした日に読む話』『捨ててよ、安達さん。』『カムカムエヴリバディ』『星降る夜に』などのドラマ、『ヒーローインタビュー』『お墓がない!』『LOFT ロフト』『花宵道中』『#バンド全力』といった映画に出演。現在配信中のドラマ『愛してるって、言いたい』に主演し、5月24日には映画『三日月とネコ』の公開が控える。

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