老けない最強食ベスト5!冷凍で栄養価がさらに高くなる野菜とは?冷凍庫に入れる前のひと工夫で、野菜の酸化・老化を防ぐ

2024年3月25日(月)12時30分 婦人公論.jp


笹井さん「冷凍野菜も、老けない食材として便利に使える」(写真提供:Photo AC)

2021年に内閣府が高齢者向けに行った調査によると、普段、食生活について気になっていることは「栄養のバランスがとれていない」ことだと答えた人は約2割いたそう。「見た目の若さには、日々の食事が関係している」と話すのは、『老けない最強食』(文春新書)を著したジャーナリストの笹井恵里子さん。さらに笹井さんいわく、「塩分を摂りすぎることは全身の老化を加速させる」とのことで——。

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冷凍野菜も老けない食材として便利


最近はコンビニでレトルトタイプの煮物や煮魚を購入できるが、そのままでは塩分が高い。

塩分を摂りすぎることは全身の老化を加速させる。

煮魚のレトルトなら汁をだしがわりに、煮物のレトルトなら“かさまし”を覚えたい。

「例えば切り干し大根の煮物を作る時、普通なら調味料で煮ますが、レトルトのひじきの煮物を調味料代わりに使うんです。市販の乾燥している切り干し大根と、レトルトのひじきの煮物を鍋に入れ、水を加えて煮るだけ。レトルトはなんでも量を増やすことを考えましょう。レトルトタイプの親子丼や中華丼、カレーなら、そこにブロッコリーなどの冷凍野菜をぼんぼん入れてかさましする。塩分が薄まり、さらに抗酸化成分も摂れて一石二鳥です」(料理研究家で医師の河埜玲子氏)

この冷凍野菜も、老けない食材として便利に使える。

実は市販されている冷凍野菜は、旬でない時季の常温野菜と比較すると、栄養価が優れていることが多い。

老けない冷凍野菜ベスト5


下表の「老けない冷凍野菜ベスト5」では、通年平均や通常のゆでたものと比べて、老けない栄養素の種類、含有量が多いものを順位付けした。

1位の「ほうれん草」に含まれるβカロテンは、通年平均(葉、生)が100gあたり4200mcgの含有量に対し、冷凍もの(葉)は5300mcgも含まれる。

若返りビタミンといわれるビタミンEも通年平均(葉、生)が2.1mgに対し、冷凍ほうれん草(葉)は2.7mgだ。3位の人参は、脂溶性ビタミンのA(βカロテンなど)、Eが、生よりも冷凍ものに多く含まれている。

2位の枝豆には強い抗酸化力を持つビタミンEが、生よりも多く含まれる。4位のグリンピースも生やゆでたものと比べて、冷凍のほうが若干だがビタミンAとCが多い。緑が足りないサラダやスープに、トッピング代わりにどんどん入れたい。


『老けない最強食』(著:笹井恵里子/文藝春秋)

「枝豆やグリンピースは野菜には珍しく良質なタンパク質を含み、食物繊維やカロテンも豊富。そのため腸内環境を整えるデトックス作用や、丈夫な肌作りのサポートをします」(管理栄養士の望月理恵子氏)

炊き上がったごはんに解凍した枝豆やグリンピースを混ぜれば、糖質量が減る上に食物繊維も摂取できる。5位のかぼちゃも常備したい。

「何といってもかぼちゃは抗酸化ビタミン──βカロテン、ビタミンC、Eがとても豊富です。生のかぼちゃを買うと水っぽいものに当たることもありますが、冷凍ものは確実にホクホクして使いやすいです。ランキング外ですが、冷凍のきんぴらミックスも食物繊維が摂れるのでお勧めです。味噌汁でもカレーでも、食物繊維が足りないと感じる時に入れるといいでしょう」(河埜氏)

冷凍食品の保存法


便利な上、素材そのままの栄養価がキープできるのが冷凍食品。東京海洋大学産学・地域連携推進機構サラダサイエンス寄附講座特任教授の鈴木徹氏(食品冷凍技術推進機構代表)も「素材を保存するということは冷凍以外のほかの方法ではできない」と補足する。

「レトルトは常温で保存できる利便性を重視したもので加熱殺菌が必要ですが、冷凍は加熱してもしなくても食材を保存できます。野菜でも肉や魚でも鮮度がいいものを冷凍すれば、冷凍前の栄養価をキープできるのです。ほうれん草は冷蔵庫に入れておくと、1週間ぐらいで栄養素が10%程度になってしまいますが、冷凍であれば数週間、数か月と、冷凍前の状態を保つことができます」

ただし野菜を冷凍する時は、生のままではなく、さっとゆでてから保存する作業が必要という。

生のまま野菜を冷凍すると、野菜に含まれる酵素が活動して栄養素が低下し、食感も悪くなる。ブロッコリーを生のまま冷凍するとビタミンCの含有量が一気に減少するが、下ゆでをしたブロッコリーはビタミンC含有量に変化がないと報告されている。

ほうれん草などの野菜は熱湯で数十秒ゆでて氷水で冷やし、食べやすい大きさに切って冷凍するといい。この作業で野菜に含まれる酵素の働きを止め、食感と色、栄養素を残せるのだ。

ちなみに市販の冷凍野菜は、ほとんどが冷凍前に「ゆでる」「蒸す」などの工程を経ているため、一度ゆでてある冷凍野菜を再度ゆでることは避けたい。ビタミンやミネラルが流出してしまうのでスープに入れるといいだろう。

鈴木氏は「冷凍食品の保存法も重要」と続ける。

「いくら素材そのままを保存できるといっても、空気に触れて冷凍庫内の温度が上昇すれば食材の酸化が進んで劣化します。食材が空気に触れないようにラップで覆うなど密閉することと、冷凍庫の開閉時間を短くすること、そしてできるだけ早く使うことです」

組み合わせを工夫してレトルト食品を、そして長期保存での食材の酸化、劣化に気をつけながら冷凍食品や冷凍野菜を使いこなそう。

老けないレトルト&冷凍食品「最強の組み合わせ5」


レトルトや冷凍食品を取り入れるなら、「それだけで終わらせない」のが鉄則。うまく組み合わせれば、老けない一品ができあがる。

1.レトルトごはん(冷凍うどん)+レトルトビーフカレー+冷凍野菜ミックス

レトルトビーフカレーを鍋にあけ、そこに冷凍野菜ミックスを入れ、一緒に温める。野菜を足すと噛む回数が増え、抗酸化成分も補給できる。カレーうどん風に食べても。

2.冷凍ハンバーグ+冷凍パスタ

タンパク源のハンバーグに炭水化物(パスタ)をプラスして、タンパク質が効率よく吸収されるようサポート。丈夫な筋肉作りに。抗酸化成分が豊富なトマト系パスタがお勧め。

3.焼きおにぎり+ミネストローネ+サラダチキン

炭水化物(焼きおにぎり)にミネラル入りの野菜スープ、タンパク質(サラダチキン)をプラスして煮れば万能リゾットに。白米のレトルトごはんより焼きおにぎりのほうが、固形が残り、満腹感がある。

4.冷凍ブロッコリー+レトルト親子丼(+レトルトごはん)

解凍したブロッコリーに温めたレトルト親子丼をかけて、丼ではなく、おかず風に食べる。スーパー野菜・ブロッコリーに、卵と鶏肉でタンパク質もしっかり摂れる。

5.レトルトごはん+冷凍エビチリ+冷凍グリンピース

ごはん(炭水化物)に、良質なタンパク源(エビチリ)と野菜(グリンピース)を。エビに含まれるアスタキサンチン、グリンピースに豊富な食物繊維が、体をさびさせない。エビチリ丼は熱に弱い栄養素が少なく、電子レンジ加熱でも損失しにくい。

※本稿は、『老けない最強食』(文藝春秋)の一部を再編集したものです。

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